劇場公開日 2015年10月31日

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俺物語!! : インタビュー

2015年10月30日更新
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鈴木亮平&永野芽郁、心身ともに“猛男と大和”であり続けた「俺物語!!」を振り返る

「特別なことというより、その時に感じた話をしていました。『風強いね』とか。あとはゲームをしました。『グルグルポン』っていうんですけど」。ヒロイン役の永野芽郁が仙台ロケの様子を振り返れば、主演の鈴木亮平も「屋外のロケでもできるゲームを、芽郁ちゃんが編み出したんです。まわりを一瞬見渡して、目に入った物を覚える。その後にグルっと一周回って、『後ろの銅像は男性だったでしょうか、女性だったでしょうか』ってやるんです」と説明する。映画「俺物語!!」で共演した2人に笑顔は絶えず、劇中の関係性を想起させる息の合った掛けあいを繰り広げた。(取材・文/編集部、写真/根田拓也)

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高校生とは思えない顔面と屈強な肉体を持つ剛田猛男(鈴木)は、しつこいナンパにあっていた大和凛子(永野)を助け一目ぼれするものの、親友の砂川誠(坂口健太郎)とともに3人で会った際、「大和は砂川のことが好きなのだ」と気づく。大切な人の幸せを願ってやまない猛男は、その恋を応援することを決意するが、実際には大和も猛男に一目ぼれしていた。勘違いした猛男の男気と大和のピュアな思いがすれ違う、一風変わったラブコメディとして物語が展開していく。

本作のもっとも魅力的な点は、ひたすら好感が持てる猛男と大和が織り成す、応援したくなるような恋模様が映し出されることだ。2人の健気な姿が観客の心を浮き立たせ、鑑賞後は温かい幸福感が体を包み込む。鈴木と永野の話を聞き、出演陣の仲睦まじい関係性と、妥協を許さない徹底的な役作りが、作品の魅力を支えている。

砂川役の坂口を含めた3人は、初顔合わせの時から息がぴったりと合っていたという。鈴木は、現場での関係性を「全然話さなかったです。すごい緊張感があったというか……」と笑いをこらえながらジョークを飛ばし、すかさず永野が「何言ってるんですか、たくさん話しましたよ!」とツッコミを入れる。

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原作の名シーンのひとつである「ラップキス」の撮影では、リハーサルから爆笑の渦だった。猛男が砂川の顔にサランラップをかぶせ、その上からキスするという場面。鈴木は「ラップをかぶせると、人の顔って本当に面白くなるんですよ。元がイケメンであればあるほど面白くなる法則があるみたいで、坂口君の顔がたまらなく面白かったです」と顔をほころばせ、「キスをする寸前までしか(画が)使われていないんですが、リアリティのためには実際にキスをしなきゃいけない。見た人から『本当はキスしていなんだな』と思われるのは心外ですから。テストを含めると、5回以上はしています」と振り返った。

また身長約2メートル、体重約120キロという設定の猛男になりきるため、鈴木は約30キロの増量を経て撮影に臨んだ。「現場では普通1日3食のところを、僕はそれだけでは猛男の体型を維持できない。スタッフさんにお願いして、毎日パンを10個くらい買ってきてもらって、それを合間にずっと食べていました。本番に行く前に、口のまわりにパンくずがついていたりして。毎回メイクさんがチェックしてくれて、怒られていました」。撮影の合間にもプロテインを摂取し、就寝中に消化した分を補うため、夜中に起床して食事するなどたゆまぬ努力を重ね、増量していった。

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太眉やもみあげといったメイクに対しても、「風が吹くと、ペラペラってはがれてきちゃうんです。それを毎回本番前に、特殊メイクの“のり”を付けて張って直して、というのはストレスでしたね」と吐露。苦労は並大抵ではなかったが、鈴木が体現した猛男のビジュアルには、原作ファンをはじめ各方面から称賛の声が上がった。

「原作ファンが持っている猛男のイメージに、できる限り近づけたい。そのためには、原作ファンの方以上に自分が猛男のファンになろう。それがすべての出発点です」と、役に対する真摯な思いを語る鈴木。常に猛男であり続ける姿勢は、永野の役作りにも好影響を与えた。「どうしたら凛子ちゃんのようなかわいさが出るのかをずっと考えていました。アニメや原作を見るのも大事ですが、ずっと猛男くんのことを思い続けることが大事。亮平さんはカメラが回る前から猛男くんのようにがっしりと見守ってくださっていたので、亮平さんのことをずっと見て、ずっと凛子ちゃんでいられるように意識していました」(永野)。

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映画の主要キャラを演じるのはほぼ初めてだった永野だが、鈴木の目にはどう映ったのだろうか。「かわいいです! ですが、かなり変です。良い女優さんというのはたいていちょっと変なんです。天才女優の匂いをプンプン感じます」と絶賛し、「現場にいるスタッフ・共演者をみんな味方につけてしまう。何かをしてあげたいとか、人を引きつける魅力があって、掃除機みたいな人ですね。クラスにいたら、絶対好きになっちゃうところだと思います」とメロメロの様子だ。

さらに「見た人みんなが、『大和がかわいい』って言うんです。悔しいくらいに。これは永野芽郁は、5年後にはもう僕としゃべってくれないですよ」と“大女優”への期待を込めると、永野は「何言ってるんですか! でも本当に、ああいう表情や演技ができたのは、河合勇人監督や亮平さんがいてくれたからです」と謙遜。そんな様子に、鈴木は「とろけるようなかわいさを持っているから、自然と『好きだ』という気持ちにさせてくれるんです。本心で思っていないと、あの『好きだ!!』という叫びは出ないですよ」とほほ笑みながら明かした。

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