「愛は複製出来るのか」愛を複製する女 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
愛は複製出来るのか
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幼い頃に出会い惹かれ合い、大人になって再会したレベッカとトミー。
幸せも束の間、トミーは不慮の事故で死んでしまう…。
愛の喪失を描くと思いきや、驚きの展開へ。
レベッカは再びトミーに会いたい一心で、トミーのクローンを自ら身籠り、出産する…。
生まれたクローン・トミーにとって、レベッカは母。
レベッカもクローン・トミーを我が子として愛を注ぎ、育てる…のだが、彼女の本当の目的は再び彼と男女として愛し合う事。
だからどんなに仲の良い母子のように描かれても、空虚に映る。
成長したクローン・トミーはあの頃と生き写しに。
待ち望んでいた時だったが、彼に恋人が出来…。
姿は同じだとしても、心まで同じになるとは限らない。
クローンとは言え、一人の別個体の人間として誕生する訳で、彼は彼で愛する人が出来るのは自然な感情。
生まれた時から“母”であるレベッカを“女性”として意識する事はまず無いと言っていい。
クローン・トミーは自分の出生の秘密を知る。
自分は何者か。
自分は何の為に生まれたのか。
母として愛していたこの女性は誰なのか。
またレベッカにとっても、これが望んでいた愛の復元だったのか。
海辺の町を舞台にした寒々とした映像、静かな語り口の中に、淡々と描いていく。
最近セクシー悪女がすっかりイメージ付いたエヴァ・グリーンの、苦渋の美しさと抑えた演技が光る。
ちょっと分からなかったのは、時間の流れ。
トミーは目に見えて成長しているが、クローンだから通常より速い成長なのか、普通の成長か。
後者だとしたらエヴァの見た目がほとんど変わらないのは…??
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