「かっこ悪くてもフルスイング。」オーバー・フェンス だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
かっこ悪くてもフルスイング。
オダギリジョーがちゃんと40代っぽくなっていて、
それでいて相変わらずかっこよくて、
あたしも二人乗りしたーい、ジョーの背中のにおいかぎたーいと、思いました。
かつては鍛えられていた肉体が、少しゆるんで、薄く脂肪をまといつつも、
筋肉はまだまだ健在、という感じがね、たまらなく色っぽくて、
さわりたーい、だかれたーいと思いました。
太もも、二の腕、、、いいなあ、ジョーはいいなあ。
香椎由宇になりたいと何度思ったことか・・・・
あとは、声ですね。出演してるか知らなくても、
わたし多分ジョーの声は聞き分けられる。
彼の声が、とても好き、とあらためて思いました。
全部のオダギリジョーを追っているわけではないですが、
私的には舟を編むの西岡くんに通ずる、胸キュンジョーだったわけです。
あ、重版出来!の五百旗頭さんを忘れてはならないわ。
かっこよかったのよー、五百旗頭さん素敵だったのよー。
もっとジョーへの萌えを語れますが、いい加減気持ち悪いんでやめます。
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基本は白岩の別れた妻(優香よかった)の側で物事を見ている私ですが、この映画ではがっつり白岩に寄り添いました。
自分を普通と思って、疑うことなく普通を体現していたのでしょうね。だから妻や妻との生活、そのほか人生の全てを、個々のものではなく、一般名詞でくくれる金太郎飴みたいなものとして、向き合ってたのでしょうね。
でも、何事も一般名詞からはみ出るものがあるんですよ。
それが一番大事なんです。
白岩は、そこに気づいていなくて、これまでの人生が全部崩れてしまった。
しかも、まだそのショックから一歩も進めていない。
それが物語の始まりの白岩かなあと思います。
白岩は、地元に戻り、職業訓練校で無為に過ごしつつ、聡に出会った。
若い女という一般名詞からほとんどがはみ出していて、自分をコントロールできない聡になぜか惹かれるのですね。わからないでもないです。
聡は壊れているけど、強い輝きもありますから。
夜の遊園地だか動物園だかわからない公園で、白い羽根が雪のように降るシーンがありますが、ふわーっと幸せな気分になりました。
代島の言い分がまあ世間の声ってやつでしょう。でもそれを振り切って、聡と一緒に踊る白岩の幸せそうなことったら。田舎のキャバクラのしょうもない戯れのダンスがとても稀なる希望のダンスに見えました。それでええんですよ、と思いました。
聡の危うさからして、2人はそう長く続かないかもしれませんが、明日や来週が楽しみになる程度に、未来を夢見られたならばそれでいいじゃないよと思いました。
何かに取り憑かれたように傘で素振りをする白岩が、明日を楽しみにして眠れるようにと祈りました。
職業訓練校の同期達の一筋縄でいかない感じと、その過去を覗き込まない程度の距離で仲良くなる感じ、よかったです。
森くんをいじめる中卒くんと教官。なんかふにゃふにゃしていい味出してる勝間田さん。もとヤ◯ザの北村有起哉(奥さん安藤玉恵)。そして田舎の水商売経営を夢見る代島くん。みんな切なくてよかったです。
勝間田さんのあのメッシュのベスト、あれくらいのおじさまがよく着てますが、一体どこに売ってるんでしょうね。
蒼井優の熱演も光っていました。しびれました。