バトル・オーシャン 海上決戦のレビュー・感想・評価
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やや期待外れ
『神弓 KAMIYUMI』の監督なんで期待してたんだが、決してつまらなくはないとはいえ、期待したほどでもなかった。合戦シーンはド迫力なんだが、ストーリー性がやや希薄。李舜臣(イ・スンシン)率いる朝鮮水軍が日本水軍を破った、というただそれだけのストーリーになっちゃってる(オリジナル版から16分カットされてるようなので、そのせいもあるのかもしれないけど)。映画としては『神弓 KAMIYUMI』のほうがずっと面白かったかな。
内容的には日本側も悪役ではなく、メインの敵役の来島通総なんかはなかなかかっこよく描かれている(目張り入れすぎだけど・笑)。来島がメイン級で出てくる映画(やドラマ)なんて初なんではなかろうか。一方で敵ボスっぽい藤堂高虎は通総を見殺しにしたりしてなかなかの悪役ぶり。しかし朝鮮軍にも李舜臣の足を引っ張る悪役がいて両軍ともに一枚岩ではないという描写がされており、そこらへんはバランスが考えられている。変な勘違い日本描写はそれほど無いが、日本武将も韓国俳優が演じてるので(台詞は日本語吹替)、やはり多少の違和感はある。1人だけ吹替なしで日本語ペラペラの役者がいるが、観た当時に調べたらやはり日本人の俳優で、それが大谷亮平だった。朝鮮が日本水軍に送り込んだ潜入スパイを演じてるが、武士に化けて日本語ペラペラという設定で、いくらなんでも無理があるのでは?と思ったら、朝鮮軍に帰ってきても日本語でしゃべり、それを朝鮮兵が李舜臣に通訳するシーンがあったので、ああ多分「降倭(朝鮮に降った日本の武士)」という設定なんだなとわかった。
迫力ある海戦
"One swing of this sword, blood will spread"
この映画は大雑把に言うと、2部に分かれている映画作りがなされている。まず前半は、イ将軍の苦悩から始まる。圧倒的な日本水軍の勢力を前にして、韓国側の緊迫した軍事会議で数だけ見れば、到底かなわない日本水軍によって、迫りくる韓国軍の崩壊に対して、部下の無礼な振る舞いも自然と起こってしまう。それでも判断の難しい局面にどのように対処しようか、まだ決断ができないでいる将軍。その間にも、日本軍の兵士たちの残虐な行為が横行している韓国の村。村人の鼻や耳を切り落とし、戦利品のように袋に詰め込む日本兵士や鉄砲の試し打ちとして、至近距離から子供たちに銃を向け、皆殺しにしている。また何十という生首を村に送りつけたりもしている。この映画を見ているだけで、想像ができる。韓国の一般の方たちは大激怒されていると...その生首も結構精巧なギミックを使っているので生々しいゴア表現に活かされている。そして後半は、主に日本水軍VS韓国水軍の血みどろの戦いの展開となり、ここでもギミックを使ったかなりハードなゴア表現になっていて、海賊映画などで見られる海上の白兵戦は、これでもかというぐらい血しぶきが飛び、凄まじい戦いとなっている。坊さんも両手に鎌を持ち日本の兵隊の頭をカチ割ったりもしています。
日韓関係が冷え切っている中、配給会社のツイン。この配給会社。最新作という映画でなくて、いわゆる2年落ち、5年落ちの物も配給し、目線の変わった映画が多いように感じるけれども今回の映画に限っては、少し日本人の描き方が、極端なため、映画自体を見たり、楽しんだりするのに抵抗を感じてしまう。しかし、韓国の人からすれば、カタルシス全開の満足のできる映画なのかもしれない。
2014年の映画である本作。amazon.comではプライム・ビデオとして配信され、一部のレビューにおいて、この船を動かすのに櫂では物理的に無理と載せている方もいて、しかも、よく見ると櫂が動いてもいないのに船が前進しているという離れ技も散見している。その上、嫌みな言い方かもしれないが、次の台詞、英語吹替版を見たので、訳し方の誤認があると思われるイ将軍の言葉。
It's the fear that is spreading among my men like a ”virus”.たしか1597年では??
330隻の日本水軍は、どこに行ったのか? 画面ではせいぜい30隻ほどしか登場しない日本水軍。しかも韓国水軍は、大砲をバカスカ打っているのに、日本側は鉄砲ッって、なんですかそれは? 意味不明となりました。
この映画、韓国映画史上最高の動員数を成し遂げた映画でおおよそ1770万人の韓国の方たちがご覧になっています。日本人の描き方が、少し首をひねりたくなるような描き方に加え、いつもの日本人でない方が、日本語を話す違和感もある内容になっているけれども、韓国の方々からすると誇張された分、この映画のシナリオに感情移入がしやすく、サックと見るに堪える作品になっているのかもしれません。
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