劇場公開日 2015年10月10日

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「あえて手描きで挑んでほしかった」GAMBA ガンバと仲間たち うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5あえて手描きで挑んでほしかった

2021年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

これはひどい!

今どきの目の肥えた観客にはごまかしようのない、画のクオリティの低さ。レビューの評価の異常な高さも気になります。思うに、この評価をつけたのは、旧テレビシリーズ時代のノスタルジーに浸りたい人が、「コンピューターアニメーションで、ここまできれいに作画できるのか」などという認識のズレによるものなのかと思います。思い浮かぶ図式は、孫に見せてやろうとして関心を引きたい爺いじが、アイテムとして用意したものの、走り回って興味を示さない孫。

『モアナと伝説の海』を一目見れば、水の表現においてその差は歴然です。かつてクールジャパンとして世界に名を馳せた日本製のアニメーションも、ピクサーの登場以来、世界的には技術で置いて行かれたまま。『ポプテピピック』『おそ松さん』などの一部のエッジの効いた作品が注目されるにとどまっています。

作品として画のクオリティで勝負できているのは、私の見た限り一部の作家の作品だけ。宮崎駿。細田守。新海誠。片渕須直。辛うじて高坂希太郎。と言ったところでしょうか。

あとはコナン君、しんちゃん、ドラえもんのように、期待を超える作り込みでリピーターを増やし続ける戦略か、鳴り物入りで原作付きのマンガをアニメ化するか、過去の名作を焼き直すか。

大好きだった「ガンバ」が、表面だけ取り繕って再登場しても、ひとつも嬉しくない。例えば「ハイジ」を今の技術でコンピューターアニメーションで作り直すとなったとして、誰が喜ぶんだろう。あの雄大なアルプスの自然や、思わず食べたくなるとろけるチーズをのせたパンを、あの時代の、限られた予算と人員で表現した奇跡を、今の日本の技術で、出来るとは到底思えない。

だったら、いっそ手描きのアニメーションで最低限の表現だけコンピューターアニメーションを使用するほうが良かった。とても残念だ。

2018.12.11

うそつきカモメ