「「大ヒット間違いなし」とはいかなかった模様」探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
「大ヒット間違いなし」とはいかなかった模様
原作未読
テレビドラマの方は未鑑賞
この作品は2度目の鑑賞
監督は『湘南爆走族』『恋子の毎日』『さらば愛しのヤクザ』『お日柄もよくご愁傷さま』『大安に仏滅!?』『HOME 愛しの座敷わらし』『相棒』シリーズの和泉聖治
脚本は『花のあと』『大河への道』で監督を務めた中西健二
脚本は他に『ホワイトアウト』『亡国のイージス』『地下鉄(メトロ)に乗って』『山桜』『花のあと』『小川の辺』『柘榴坂の仇討』『聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実』『起終点駅 ターミナル』『空母いぶき』の長谷川康夫
松山の海に6体の死体が次々と流れ着く事件が発生
小川みゆきに話を持ちかけられ興味は抱いた御手洗潔は現場に行くことに
瀬戸内海の海流から流れてきた先を突き止めた御手洗は福山に
アパート内で外国人女性の変死体が発見される事件が発覚
しばらく様子を見てるとその死体を取りにきた外国人グループと遭遇し地元と警察が逮捕したが決して口を割らなかった
御手洗らが来る前に福山では赤ん坊の誘拐事件が発生
現金の引き渡し場所で長短の柱に縛られた男女が発見された
男は両瞼を縫われ女は口を縫われていた
傍には首の骨が折れた赤ん坊が
瀬戸内海の海では水竜の目撃情報が数件
太古の昔に生きていた首長竜が瀬戸内海に生息している都市伝説がまことしやなに噂になっていた
赤ん坊誘拐事件はベビーシッター辰見洋子の狂言
誤ってベランダから落としてしまったのだ
赤ん坊の処理をするため洋子の彼氏の小坂井准一はバイクで移動中転倒
何者かに赤ん坊の遺体を盗まれてしまった
赤ん坊を盗んだのは槙田邦彦一味
槙田は子供の頃に父が自殺し母ものちに心労で亡くなった
父の勤めていた西京化学工業の工場移転問題で住民側の反対運動が激しくなり現場責任者の父が責任を取る形で自殺したのだ
槙田はたらい回しにされた挙句に渡米し違法薬物で巨万の富を手に入れた
帰国後西京化学工業を買収し社長に就任した槙田は工場移転反対運動のリーダー格だった居比修三に復讐を果たすのだった
その一方で槙田は西京化学工業で危険ドラッグを製造していた
松山に流れ着いた遺体は危険ドラッグにハマってしまい中毒死した外国人労働者だった
星籠とは潜水艇のこと
または瀬戸内海海底の珊瑚礁
小坂井の実家は造船所で潜水艇を製作していた
星籠は村上水軍を破った織田信長軍の鉄鋼船を沈めた潜水艇のことでもあった
いろいろとエピソードのてんこ盛り
大風呂敷を広げたが見事?に回収した
ギャグ漫画日和の打ち切り漫画を彷彿させる
でもそれはまだマシな方
散々大風呂敷を広げて放り投げたままの『強殖装甲ガイバー』なんて可哀想すぎる
海外逃亡を図った?槙田の船に小坂井が操縦する小型潜水艇が直撃するわけだが全くの意味不明
クライマックスのはずだがかなりモヤっとしている
理解不能の世界観だが理解に苦しむことなんて世の中ごまんとあり珍しいことではない
赤ん坊を死なせてしまった辰見洋子の証言は胡散臭い
偽装工作はほぼ完璧な頭のいい人が蛍光灯交換の際に赤ん坊を落としてしまう間抜けなことをするだろうか
電話の主の石岡だが声は堂本光一ではなさそうだ
それが残念
なんらかの形で堂本にも出演してほしかった
オリジナルキャラクターとして小川みゆきを登場させ広瀬アリスを抜擢したのは正解
主人公の探偵が男の場合に傍に女性の助手がいた方が華があって良い
あと刑事役の小倉久寛の「ちょっと待ってください」は刑事コロンボのオマージュだろうか
考えすぎか
たまたまかな
配役
趣味で探偵をしている脳科学者の御手洗潔に玉木宏
ライターの石岡の代わりに助手として御手洗に同行する編集者の小川みゆきに広瀬アリス
福山市立大学准教授の滝沢加奈子に石田ひかり
福山警察署刑事課長の黒田優作に小倉久寛
西京文化センター学芸員の小坂井准一に要潤
看護学校学生の辰見洋子に谷村美月
西京科学工業社長の槙田邦彦に吉田栄作
革細工アーティストの居比修三に神尾佑
修三の妻の居比篤子に今野麻美
造船会社社長の夏島健二に寺脇康文
忽那水軍末裔の忽那鷹光に品川徹
松山署刑事の春山誠治に片桐竜次
歴史博物館館長の富永幸平に螢雪次朗
水理試験場職員の北王子に金児憲史
福山署刑事の三橋博之に渡辺邦斗
福山署刑事の須藤淳平に寺井文孝
水竜を目撃した漁師に不破万作