「ランキング1位になったから見てみた」orange オレンジ SHさんの映画レビュー(感想・評価)
ランキング1位になったから見てみた
泣けました。
以下、ネタバレたくさん書きますので、ご注意を。
土屋太鳳はカワイイと思います。でも彼女の演技がどうしても好きになれません。この映画においてもその例外ではなかったのですけれど、山﨑賢人の演技が意外に良いと思ったし、ストーリー自体も悪くなかったので、話には入っていけました。
恐らく、勝手な想像でしかないのですが、学生同士のやりとりは完璧にファンタジーであり、完全無欠のピュア物語として創っているんだろうと感じとりました。それぞれの演技も、現実世界と比べるともの凄く違和感を感じます。何か誰の手にも届かないような理想郷が展開されているような印象です。故にひとりひとりの演技が不自然極まりなく感じてしまうのですが、それも敢えての演出なのかどうか分かりません。へたくそと思いこんでしまうとあまり物語に入っていけないような気がしました。しかし、この違和感は意図的に創り出された可能性の薄いパラレルワールドだと認識すると、言いようのない悲しさに襲われるのではないでしょうか。
ツッコミどころがたくさん散見されたのは、恐らく、これも勝手な想像ですが、何となく見ている側にヒントを与えてくれていたのではと思います。
意図的かどうか判断しかねる部分が大いにあるので、この映画が凄いかどうか決めかねているところではあります。
ただ、この映画を単にファンタジーとして作ろうとしていない姿勢は感じられたので、非常に好感は持てます。
誰しもが持っている後悔、それは決して取り戻すことができないんだなぁと逆説的に思ってしまうとなおさら泣けます。
時が初めて遡ってゆくアニメーション風のシーンがよかったなぁ。あそこがまさに肝だったんだろうなぁ。
この映画をどう捉えるか、様々な捉え方があると思います。SF、ファンタジー、青春もの、学園もの、ラブレター的、半ば夢おち・・・
自分は夢おち的というか、取り戻すことができない後悔を夢想することで克服する的な落ち着き方に感じました。物語の大部分を夢想的と捉えながら見えていたわけで、それ故に泣けるところがたくさんあったように思います。
見る人によって捉え方が大きく異なる映画なのかもしれません。そういった面で多くの支持を集めているような気がしました。