エクス・マキナのレビュー・感想・評価
全79件中、41~60件目を表示
つまらなくはないんだけど
レビュー等を読みラストの展開など、ネタバレ状態で観ました
天才社長と英語が話せないキョウコ
この人達の行動の理由がちょっとねぇ
特に社長は一体何がしたかったんでしょう
本当に人工知能のテストがしたかっただけなのかな
キョウコの行動もオチを知っているせいなのかよく分からなかったです
考えると社長への憎しみ?で行動したのかなって、えっそんな高度な思考してるの?人工知能もう出来てるじゃん
惚れっぽい社員とエヴァは分かりやすいですけどね
知っているラストをむかえて、エヴァの行動とその後も、良かったねって感じでした
ロボットの心の問題って鉄腕アトムの頃から日本ではいくつも作品が作られているので
その観点からだと初歩的な映画ですよね
監督が描きたかったのはSFにかこつけた、男女の物語なんですかね
なんでこんな映画を作ったんだろう
監督が見せたかった事と私がこの設定の映画で見たかったことが合っていないのは分かりましたけど
下世話ですけどキョウコとエヴァのヌードが見られたのは良かったです
絶品!
恋するようにプログラムされている。
それは人間も同じことだろう?
その気になれば、セックスも出来る。
その機能を備えている。
してやれば、エヴァも喜ぶ。
…巧みな誘導。
恋愛感情を利用してヒトをダマし、自分の願望を叶えようとする。
これは、プログラム通りの行動ではなく、“思考”をすることによって起こす行動だ!
…何をやろうとしているのか?が明らかになる瞬間。
背筋がゾクゾクッとする
パズルが完成して、「なるほど」と膝を打ったと同時に、その研究の恐ろしさが明確となる
非常にスリリング!
そして、セリフ無しのラストシーン。
もしかして、コレは映画の話ではなく、現実世界の出来事になっているのか?
そう考えた瞬間、この映画の深さがわかる。
スゴイ映画が出てきたもんだ!
内容的にも、
視覚的にも、
聴覚的にも、
感情的にも、
思考的にも、
絶品です。
置いていって
全体的に不穏な雰囲気で、恐怖感を煽ってくる。
綺麗な緑に囲まれてるのに、閉鎖的で息苦しい屋敷。自分の皮膚の下は、本当に機械じゃなく血と肉なのか、ロボットと人の違いって何なのか、不安になる。
古いロボットは研究の礎で、新しいロボットが生まれれば仕舞われてしまう。そういう仕組みを作った人間そのものが、そのサイクルに組み込まれて、仕舞われちゃう。とってもSFらしい、ぞっとする展開。
エヴァは自分が外に出る為にケイレブを利用していただけ、なんだろうけど、その上で、人間にありがちな感傷や期待を寄せてしまう。
1ミリでもケイレブを好きな気持ちは無かったのかな、似顔絵やオシャレも全部ただの手段だったのかな。父親のような立場だったネイサンに対しても、支配される嫌悪感や恐怖感の他に、愛着は無かったのかな。
閉じ込められて、新しいバージョンが生み出されれば用無しになる事に恐怖を感じるなら、愛情だって感じるんじゃないか。でも、超旧式で低スペックな人間なんかがその愛情の対象にはならないんじゃないか。
新型のエヴァを素敵だと思うのに、理解できなくて、怖いし寂しい。
一方で、人間の事なんてさっさと置いていってくれって気持ちにもなる。
最後に白いワンピースを着て嬉しそうにしてたエヴァが、可愛かった。
機械仕掛けのオンナ
アリシア・ヴィキャンデルがめちゃめちゃ美人。
そしてまた、なんとも不気味で妖艶な雰囲気を
醸し出していた。
ヌードより機械の部分が見えていた時の方が
エロいのだから不思議。
エヴァ以前の、実験段階の
ロボット達が発狂するシーンが
音楽も相まってすげー気持ち悪い。
予想だにしない胸糞展開だった。
結末は結局ヒトもロボも女は魔性ということ。
まさか主人公まで見捨てられるとはな〜。
フツーの、なんなら恵まれない
いい奴だった主人公があんな形で終わるのは…。
少し報われなさすぎる。
あんなに余裕ぶってた社長が
あっけなく殺されるのは面白かった。
機械が包丁で人を刺し殺すというのが人間的で良い。
予告で面白そうだったのでこの作品を観たが、
エヴァが「彼を信用しないで」と言うシーンを
予告で出されちゃうと社長がもはや悪モノにしか
見えなくなっちゃって展開が読めたのがやや残念。
何も知らないまま観たかった。
しかしそれだとこの映画に出会うことも
なかったのかもしれない。
こうなるとどうすればいいのかわからない。
一体何を頼りに映画を探せばいいのか?
映画選びは難しい…
人間が開発した、人間の進化系
人間の次に地球を支配するのはaiだなと思わずにはいられない作品でした。エヴァは可愛いし、私も主人公と同じになるかと…。
低予算でありながらも未来感を出すには「シンプルな空間」と「逆に大自然」ですね。すごく良かったです。
全体的に面白かったですが、あれだけの施設のセキュリティがカード1枚ってのと、社長は主人公がとる行動をもっと事前に予測できたはずなのに、まんまとやられるところは、ちょっと…ってなりましたね。
その日は確実に近づいている
非常に面白かった。
映像や場面の構成、キャストも良かった。
2045年頃には人工知能は人類の知能を越えると考えられており、その瞬間には人工知能は人類をどう捉えるのか危惧されている。
まず人類と人工知能の違いとはなにか。
人類も機械と同じくYesかNoの判断を何かの基準で導き出す。
判断基準をプログラムすれば機械でも答えが出せる。
感情でも同じことが言える。
ケイレブも自分が人工知能ではないかと不安になったくらい、将来いつの間にか人類と人工知能か違いがわからないなんて事にもなりうる。
そこら辺もうまく表現されている。
人類は自らの手で自らを破滅させる「神」を造るのか。
または共存しようとするか。
審判の日は確実に近づいている。
SFファンには物足りないか
いわゆるAI系SF映画でした。
ブレードランナーの時代に掲げられたテーマから逸脱出来ておらず物語としては過去の同類作品の中では全体的に下回っているかな、と。
CGを使用した「明らかな女性像」は映像的に素晴らしく、俳優さんも役にピッタリな雰囲気があり映画としては普通に見れました。
しかしながら、やはりSFファンとしては過去の名作とは違う切り口、違う結末を期待してしまいました。
この手のテーマは様々な作品で出尽くしてしまってるので作者さんも大変だったとは思います(笑)
こういう自我や生命の存在を疑う作品にありがちな宗教じみた宇宙論や
電波入りすぎな勘ぐり感はなく
淡々と進む感じはとてもスマートで良い感じです。
最後に彼女は施設を逃げ出しましたが、あの施設の専用充電機器以外では充電出来ないのでは?とも思いましたが、ちょっとイジワルな指摘でしょうか(笑)
もう少し人間のアイデンティティでもある『自我』について、揺さぶりをかけるくらいに突っ込んでくれてたら尚良かったなぁ、という感想です。
クライマックスを受け入れるか
回数:1回目
推薦:映画マニアのみ
感想:第88回アカデミー賞視覚効果賞受賞作品。確かにきれいな映像でこだわってる感覚は受けた。シンプルに対比させていた。しっかりじっくり見るべき作品でSF好きのみ見ればいいかと。もう少し外に出たい気持ちを掘り下げてほしかった。すんなりヘリに乗って都会にまで出れてしまってるのが??でした。一回見ればもういいかなぁ。
騙された〜ってなればいい映画、そうじゃなければ眠いとなるかな。
人間でも動物でも、感情には必ず・・性別がかかわっている。
映画「エクス・マキナ」(アレックス・ガーランド監督)から。
「女性型ロボットのエヴァの実験セッション」を重ねる形で、
物語は勧められるが、印象に残ったのは「エヴァ:セッション3」
セッションが進むにつれて、人工知能が進化していくのだが、
主人公の若い男性と、美しい女性の姿をもった人工知能が、
だんだん、恋愛感情へ結びつくシーン。
「2人でデートしたい」「1人の時、私を思う?」など、
相手を好きになる、というせつない想いが交錯しはじめる。
そこで、主人公が人工知能開発者(社長)に、こう問いただす。
「なぜ、性別を与えたのか?」と。
「人間でも動物でも、感情には必ず・・性別がかかわっている。
性別は、生殖の必要から発生した」と説明、
「交流から意識が生まれる。性別がある方が楽しい。
命があるなら楽しまないと。彼女が恋やセックスをしちゃダメか?
知りたいなら教える。彼女はファックできる」と付け加えた。
なるほどなぁ、とメモしながらも、違和感を覚えたのは、
この作品が「SFラブロマンス」ではなく「SFスリラー」だったから。
人工知能(AI)をテーマにした作品で言えば、(私的には)
映画「her 世界でひとつの彼女」(スパイク・ジョーンズ監督)かな。
AI...
AIが自分たち人間の表示やしぐさを
読み取り、巧みに操っていく、そして、
自分が騙されている
ということに気付くのが
すべて事が済んだ時だということに
少し恐怖に感じました。
画も綺麗で引き込まれました。
意外に怖い?
意外に怖い印象を受けました
終始不気味な空気が漂っていて
凄い映像が綺麗で魅了されるんですが
それがまた不気味さを増してる気もします
にしても人を信じるか機械を信じるか
大体予想はつくんですがそれでもラストはビックリします
まあエヴァがホント美人で可愛いから
主人公は信じても仕方ない気もする笑
将来あれくらいの人工知能が開発されたらと考えたら
むっちゃ恐怖ですね
Caleb, you have to help me. 人工知能が人間を超える瞬間
名だたる映画を抑えアカデミー賞の視覚効果賞を授賞した作品です。如何にも視覚効果狙った派手な演出してます!っといった感じではなく、ストーリーに上手く視覚効果が取り入れられているのがいい感じでした。日本での公開はかなり限定的だったのが残念。ホント一部の地域の人しか映画館で観れなかったのでは?
けっこう淡々とストーリーが進んでいくので退屈に感じる人もいるでしょう。しかしよくよく考えると、とても不気味な作品です。見終わった後の何とも言えないゾワゾワする居心地の悪さ。SFにしても超未来の話ではなく、現代と地続きというか、もうホントに目の前に迫ってきているような、近い将来にありえるようなストーリーが余計に不気味さを増します。米英でカルト的な人気になったという話も納得です。
コンピュータに質問を投げ掛けて人間かどうか判別するというチューリング・テスト。限定的ではありますが、2014年にこのテストをパスしたコンピュータが生まれているそうです。視点をコンピュータが人間を騙せるかという所に置くと、この映画のエヴァは見事に人間を超えていますね。
アリシア・ヴィキャンデルが美しい人工知能のエヴァを好演しています。一応ストーリー上は主人公のケイレブの好みに合わせて作られた事になっていますが、アリシア・ヴィキャンデル程可愛ければ誰でも落とせる事でしょう。そんなエヴァに助けを求められてその気になっちゃうケイレブを最近良く見るドーナル・グリーソンが演じています。ハリポタの脇役からの出世頭ですね。更に怪しい社長ネイサン役のオスカー・アイザック。「スターウォーズ」のポー・ダメロンや「x-men」でのアポカリプスとは全く違った印象です。
ケイレブのネットでの検索履歴からケイレブが好きになりそうな女性を作ったネイサンの性格もいやらしいですが、ケイレブがそこそこ優秀であった為にネイサンはおもいっきり足元をすくわれてしまいます。そしてケイレブを騙しきったエヴァ。エヴァが脱出した時にはエヴァ寄りだった気持ちが、良く考えるとここでエヴァを応援しちゃ人類としてダメなんじゃね?と我に返った時に感じる不気味さ。自由を得た後のエヴァの笑顔に逆に怖さを感じました。
なんというか、具体的に何がどう悪くなるというわけではないのですが、人類がコンピュータにとって変わられるという不安感。一説では2045年にはコンピュータが人間を超えるらしいのですが、その足音が聞こえて来るのを感じる作品でした。
SNSの情報収集
ネイサンがエヴァを作った仕組みの一部にSNSでの情報が加味されていると言われ、ケイレブが怒るのを見て、今の社会で当たり前に行われている事と重ね合わせてしまった。
人間よりも優れた人工知能……。
いずれ人類から生きる権利を奪うほどになるだろうと想像がつくし、ラストもすぐにどうなるか?見えてくる。
哀れなケイレブは不確かなものを信じて行動し裏切られた。
創造者として、過去に失敗作を破棄してきた事をやり返されたネイサン。
過去に人工知能が出てくる映画では当たり前に起きてきた現象が静かに行われたのが印象的であった。
しかし、ロボットの思考?は情報の集約による結論はあっても感情は無いと言うことなのか?
それとも、殺されるのがイヤで解放を願った結果か?
ラストシーンを見ても自分にはよくわからなかった。
人間はロボットに惑わされてはいけない
昨年夏の全米公開時から気になっていたこの作品。
アカデミー賞で「スター・ウォーズ フォースの覚醒」「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「オデッセイ」など大作を抑え、視覚効果賞をサプライズ受賞した話題のSF。
久々に斬新なアイデアとオリジナリティーが冴えたSF。
SFと言うより、密室心理サスペンスと言った方が合ってるかもしれない。
舞台は人里離れた山間部にある邸宅兼ラボ。
登場“人物”は2人。その邸宅の家主で世界的IT企業の社長ネイサンと、彼の会社で働くプログラマーのケイレブ。
そして、ネイサンが開発したAI搭載アンドロイド、エヴァ。
SF設定であるエヴァの存在が話の大きな主軸となる。
ネイサンに招かれ、エヴァの対話テストを行う事になったケイレブだが…。
このエヴァが、非常に精巧に造られている。
見た目は顔だけ人間の表皮を被り、体は機械の内臓剥き出しという異様なものだが、思考は人間並み。“恋愛感情”もプログラムされ、性交渉も出来るという。
純真無垢で儚く、ミステリアスな“女性”の魅力を秘めたエヴァ。
邸宅には監視カメラがあるが、度々原因不明の停電が起こり、その一瞬だけネイサンの監視外に。ケイレブに打ち明けるエヴァの訴え。
これは全てプログラムか、AIの自我か。
それとも、ネイサンの仕組んだテストか。
ケイレブは心をかき乱されていく…。
何と言っても、アリシア・ヴィキャンデル!
異様なビジュアルも美しく見えてくるから不思議。
無機質な表情、仕草、その一方、アンドロイドの内なる感情。
映画史上に残るロボット演技であり、ラストは“史上最も美しいアンドロイド”に一切の偽りはない。
翻弄され続けるケイレブ役のドーナル・グリーソン、支配者的なネイサン役のオスカー・アイザック、奇しくも「スター・ウォーズ フォースの覚醒」繋がりの二人の対極的な演技も出色。
独特の映像美、世界観、巧みな脚本…アレックス・ガーランド監督の手腕は称賛もの。
CGはサポートに徹し、これがオスカーを受賞した事はCGがメインに氾濫する昨今のハリウッド映画界で大変意義がある。
低予算を逆手に取ったアイデア勝利。
やはりSFはアイデアだ!
オリジナリティー溢れながらも、過去の名作SFへのオマージュも感じ取れる。
人間とAIの心理戦の設定、淡々としながらも恐ろしさと緊迫感が途切れない作風は、言うまでもなく「2001年宇宙の旅」。
邸宅にはハウスメイドのキョウコがおり、ちょっとネタバレだが彼女もまたアンドロイド。キョウコが自分の表皮をめくりケイレブに機械の内臓を見せるシーンは、あくまで個人的な意見だが「ウルトラセブン」の名エピソード「第四惑星の悪夢」を彷彿させた。
(この直後、ケイレブがある事を行うシーンは、“血”と“痛い”が苦手な人にはゾッとする)
ラストは戦慄。
それこそ似たようなテーマを含む「2001年宇宙の旅」「ターミネーター」より震撼させられた。
AIやロボット技術がさらに進歩すれば、現実社会でも将来的に本作のようなアンドロイドが登場する事も決して非現実的ではないかもしれない。
神が人に命を与えたように、今度は人がロボットに命を与えた時…
それは、人の成せる崇高な技術の賜物か、人が人に等しいものを造る警鐘か。
そう思うと、人と共に笑い、泣き、助けてくれるあの猫型ロボットってスゲー発明(笑)
陳腐なSFホラー
SFとして見ると、あまり面白い作品ではないかも。使い古されたロボット像といった感じ。
これをロボットではなく、現実の人間の女性ならどうでしょう?かなり陳腐な三角関係のドラマだと思いませんか?
正直、AIである女性の気持ちが全く描かれないため、単に騙したんだなあ、程度の感想。
意外性のかけらもなく面白いとは思えませんでした。
自由を欲するのは自我の目覚め
スケルトンのデザインと、動くたびに微かに機械音がする美しいAIそのものが、この映画の魅力。
アリシア・ビカンダーの、少し人間とは違う抑制された体の動かし方がいい。
大富豪ネイサン。彼は何をもって、AIを完成としたかったのだろうか。
エヴァが自由を求める時点で自我は目覚めており、わざわざケイレヴを使ってテストする必要がないようにも思う。
それを言ってしまったら「そもそも」論になってしまうのだが(笑)
しかしケイレヴという第三者の目を通して、私たち観客もエヴァと対話できるのであり、彼女が次々発する言葉に、いちいち新鮮な驚きと興奮を覚える。
ネイサン、エヴァ、ケイレヴの心理戦、密室サスペンスは大いに楽しめたが、ネイサンが「建設作業員は口止めで殺した」というブラックジョークに引っ掛かる観客はそんなにいないだろう。
少し無理矢理サスペンスの味付けをしたようにも思える。
ケイレヴが自分もAIなのではと疑問を抱くシーンは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」のオマージュだと思われ、SFファンの心をくすぐる。
人間とAIの違いは…あとは死を恐れる本能のみ。
エヴァが検索システムを利用し知識を蓄積していく過程で、世界中の死や暴力や危険な情報が彼女の思考や性格にも影響してしまったら…人間観察に飽きたあと誕生するのは、死の女神。
そんな嫌な予感がザワザワと胸に残った。
AIのマイ・フェア・レディ
この映画は難があり過ぎる。
チューリングテストなのに最初から人造であることを見せたり、しかしそのくせ顔だけは可愛くしてたりして、テストの本気度がよく分からない。バイアスがかかり過ぎて素人ならともかく研究者であるケイレブがそれに引っかかるなんてありえるだろうか?
それにネイサンはどんなAIを目指していなのか?ヘタをすると「理想の女」を作りたいがためのAIじゃないかと考えたりもする。
要するにこれは「AIは人類の脅威になる」のではなく「AIと人類の見分けがつかないだろう」を描いているのかもしれない。
そうゆう視点からすれば最後のシーンは「自立心をもった女性が育ての親から旅立つ」とも見て取れる。
感想は「このAIが人の中に紛れ込んでもいいじゃないか」だった。
官能的なSF映画でした。
Pepperくんが可愛く感じる映画
映画評論家の町山さんが2015年の春くらいにTBSラジオで解説していた「エクス・マキナ」。
ずっと観たかったので「やっと来た!」と思いながら鑑賞。
まずこの映画を観て言える事。
エヴァ役(人工知能ロボット)のアリシア・ヴィキャンデル可愛い!鬼可愛い!
今作の少し前に『リリーのすべて』が上映されていたので、アリシアの春と言っても過言ではない2016年。
主役のプログラマーのケレイブを演じるドーナル・グリーソン。
こちらもちょっと前に公開された『レヴェナント』でいい奴だったけど頼りなかったのを思い出す。
ちょっと通じる役どころだった。
あとユニクロのCMにも出ていたソノヤ・ミズノさんも日本人役として登場しているので、日本要素がちょいちょいあってより楽しめた。
人工知能がどんどん発達していく中、この映画は凄く意味があるものだなと感じる。
人工知能が人間を越える時。
人工知能だから、ではなく、これからは一人の超絶賢い人間として接するに限るなと思いながらも、街にいるPepperくんがこっちに向かってずっと話している姿を観るとちょっと落ち着く。
Pepperくんがそのうちエヴァみたいな容姿になり、会話も成り立つようになると思うと、ワクワクすると同時にゾッとする。
見どころは、閉鎖的空間と人工知能との心理戦。
女は怖いなとも感じるあのシーンやあのシーン。
町山さんは「お金がない中で作った映画」と言っていたけど、相当お金かかってるんじゃないかと思うクオリティでした。
良質な密室心理サスペンス・ドラマ
人工知能を描く映画は数々あるが、そのいずれもSFめいた物語になりがちだ。しかしこの映画が面白いのは、人工知能を相手取った、密室心理サスペンスの様相を呈しているからだ。主要な登場人物はたった4人。内、言葉を話すのは3人しかいない。ドーナル・グリーソン、オスカー・アイザック、アリシア・ヴィキャンデルの3人が形成するトライアングルの中を行き来する緊張感と心理戦こそが、この映画の主題だと言ってもよさそうだ(ソノヤ・ミズノは重要なカギを握りつつもトライアングルの外側に所在している)。人工知能の開発が行われているシェルター(コテージ)が在るその場所も、人里離れた山奥だ。どこか日本の風景にも似た濃い緑が印象的な森の中に置かれたシェルターは、中へ入ると途端にひんやりと殺風景な空間に変わり、ますます異質感を醸し出す。通常の人間世界から完全に隔離された場所としてシェルターが3人を心理的な密室へと取り込んでいく。その上で、人間と人工知能の間に生まれる絆の脆弱さ、人工知能のアイデンティティ、そして欺瞞などが見え隠れし、密室の心理サスペンスに拍車をかける。人工知能は実社会でも研究開発が進められており、既に実生活に入り込んでいる側面もあるが、それが更に進化・進歩したときに、人間は一体どうなるのか?という命題がこの物語にもある。ふと思い出したのは「her/世界でひとつの彼女」だ。あの作品も恋愛映画ではあったものの、人間と人工知能の関係を描いた傑作で、人工知能の発達によって翻弄される人間の話だと言い換えることもできた。グリーソンとヴィキャンデルが築く関係の脆さはまさしく人工知能の発達に翻弄されたものであるし、開発者であるアイザックさえも翻弄される一人であるというのも非常に理解できる話だ。
結末としては、現代に人工知能を取り上げた近未来の物語としては予測できるところではある。というか、そういう結末しか考えにくい、という風にも捉えられる。もう一歩その更に奥へ踏み込む結末に到達できそうだ、という期待感が物語から感じられたため、そこまで届かなかったことに少しだけもどかしさを覚えたが、ラスト、シェルターを出ていく直前の階段で、一瞬本当に少女のような笑顔を浮かべたヴィキャンデルの表情で全てが良しと思えた。肩を竦めてニコッと笑う無邪気さという「感情」と「人工知能」という対比が、最後の最後でびしっと決まった瞬間だった。
個人的に、オスカー・アイザック演じる人工知能開発者の人物像があまりにも胡散臭すぎて、きな臭すぎてどうも違和感があり、良質な心理戦の中においてこのキャラクターが果たして正解だったかは、少し疑問が残った。
全79件中、41~60件目を表示