「人はAIをも愛せるかを問う残酷で耽美的なSFスリラー」エクス・マキナ よねさんの映画レビュー(感想・評価)
人はAIをも愛せるかを問う残酷で耽美的なSFスリラー
検索エンジン開発会社に勤める若手エンジニアのケイレブは社内で大抜擢されて社長の自宅に招かれる。そこで彼は社長が密かに開発していた女性型ロボット、エイヴァが人工知能と呼べるかどうかのチューリングテストを泊り込みで実施することになるが、毎日ガラス越しにエイヴァと会話をしているうちにケイレブに微妙な感情が芽生え始める。
テーマとしては『Her 世界でひとつの彼女』と同じで、人は人工知能をも愛せるのか?というものですがこちらはファンタジーよりももっと現世的なバックグラウンドを前面に出していて、なぜケイレブがエイヴァに魅せられていくのかも非常に残酷に見せていくので物凄くイタイ。エイヴァを演じるアリシア・ヴィカンダーがものすごくキュートだし、徐々にアイデンティティ・クライシスに苛まれていくケイレブ役のドーナル・グリーソンも『アバウト・ア・タイム』、『フランク』に続くハマり役。ミニマルキャストによる低予算SFですが辛辣なテーマと美麗で耽美な映像の小品、これは拾い物でした。
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