「エンタメ好き向きではない。」エクス・マキナ ミスノンさんの映画レビュー(感想・評価)
エンタメ好き向きではない。
個人的には人工知能とかこういう自問自答する感じは好きだけど、多分この映画を母や友人に勧めても面白いとは言わないと思う。
エンターテイメントとしての見せ場やどんでん返し、期待に応えるとかそう言ったものは一切ない。
淡々と進んで行き、まぁそうなるわなと言うところで落ち着く。まぁその期待に応えないところが人工知能と人間との違いを感じるところでもあるんだけど、大多数の人は受け入れられないと思うな。
賞向けではあるが一般向けではない。
正直、このストーリーではつまらない。
テーマはいいと思う。
後味としては妙な不気味さが残る。そしてAIは社会に溶け込み…もしかしたら町中を歩くとき隣にいるかもね。サスペンスというより、ホラーかな。
少なくともエヴァは、二人殺してるしね。
キョウコを利用して産みの親であるネイサンを殺し、自分に対し好意を持ったケイネブを騙し監禁した。
なんとも言えない悲劇。人間からしたらだけど。
ずっと監禁され、廃棄されるとなっちゃエヴァからしたらたまったもんじゃない。ネイサンだってケイネブだって信用できないよね。
本物のエヴァはどこにあったんだろう。ネイサンが見せたあのジェル状の脳は情報を収縮した感じがする。エヴァはいろんな顔を持つAIだったのかも。人間が感情だと認識しているものすらAIにはどうでもよいことなのかも知れない。
ネイサンは人間をベースにAIを作った、が、そもそも人間はAIほど利口じゃない。人間にできないことをAIに出来るようにしたらそれは人間ではない。未完成でなくちゃ意味がない。
とまぁこーやって観終えた後ごちゃごちゃ考えるんだけど、こーやってごちゃごちゃ考える人向けだなと思う。ストレートにこうだ!って伝えて来る系じゃなくて、後からじわじわ来る系だね。