「置いていって」エクス・マキナ fall0さんの映画レビュー(感想・評価)
置いていって
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全体的に不穏な雰囲気で、恐怖感を煽ってくる。
綺麗な緑に囲まれてるのに、閉鎖的で息苦しい屋敷。自分の皮膚の下は、本当に機械じゃなく血と肉なのか、ロボットと人の違いって何なのか、不安になる。
古いロボットは研究の礎で、新しいロボットが生まれれば仕舞われてしまう。そういう仕組みを作った人間そのものが、そのサイクルに組み込まれて、仕舞われちゃう。とってもSFらしい、ぞっとする展開。
エヴァは自分が外に出る為にケイレブを利用していただけ、なんだろうけど、その上で、人間にありがちな感傷や期待を寄せてしまう。
1ミリでもケイレブを好きな気持ちは無かったのかな、似顔絵やオシャレも全部ただの手段だったのかな。父親のような立場だったネイサンに対しても、支配される嫌悪感や恐怖感の他に、愛着は無かったのかな。
閉じ込められて、新しいバージョンが生み出されれば用無しになる事に恐怖を感じるなら、愛情だって感じるんじゃないか。でも、超旧式で低スペックな人間なんかがその愛情の対象にはならないんじゃないか。
新型のエヴァを素敵だと思うのに、理解できなくて、怖いし寂しい。
一方で、人間の事なんてさっさと置いていってくれって気持ちにもなる。
最後に白いワンピースを着て嬉しそうにしてたエヴァが、可愛かった。
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