二重生活のレビュー・感想・評価
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『思う』こと『考える』こと
この映画を観た後、今までもやもやしていたものはもやもやのままであった。
珠は教授の勧めで『意味のない尾行』を始める。
素人尾行にしても石垣との距離が近すぎて、観てるこっちはハラハラしまくり笑
要するに珠は意味のないことをして巻き込まれて、そして周りも巻き込んで、得られたものは何だろうと思った。普通に考えて、卒論。て感じだが。失ったものもある。(卓也)
映画の最後に、『私は永遠に知らない』(?)とあり、珠の成長を感じられないように思える。
尾行をして学んだことはあったが、自分で考えることはなく成長せず。という感じに読み取れた。
私が1番胸に刺さったのは、石垣がホテルで珠に言った言葉。
・珠
私の大切な人はどうしていなくなっていくのかなぁって。
なんで私は取り残されるんだろうなぁって。
〜〜〜〜
・石垣
お前の物語。ありふれてる。少しも面白くない。
1人で苦しんで、すがるものがないから、同情させて・・・
〜〜〜
『この世界に満たされてる人間なんていないんだよ。
人間が何の為に生きてるかって?
そんなことお前に分かる訳ないだろ。
〜〜
お前が自分で考えろ。』
自分に言われてる気がしてならなかった。
この前の珠の言葉、なんで◯◯なんだろう。
この言葉から彼女の人格というかそういうものが読み取れる。珠は受け身で、なんとなく生きてきて、なにか物事に真剣に考えたことがあまりないのではないかなと思う。多分彼女自身は精一杯考えているつもりだが、きっと、『思う』だけで『考えて自分の意思をはっきりさせる』ことはしてないと思う。私もなんで◯◯なんだろう。どうして◯◯なんだろう。と思うけど、自分の意思はどうなのかと考えたことはあまりないというかしないので、石垣の言葉が痛いほど胸に刺さった。
考えたこともない奴が、何の為に生きるかなんて分かるはずもない笑
このシーンの石垣は呆れて無言になるか卒論に書いていいぞだけ言って帰るかかなーと思ってたので、まさかここで笑い出してこうくるか!笑と思った。
何が言いたいかとか要約とか、私は苦手すぎて今までの文も読み手に伝わりにくいだろうなと思いながら打ったけど。笑
というか他にももっと書きたいこととかあったけど。
なんかこう、客観的に見る自分と主観的に見る自分はやはりズレがあり、違うもので、二重になっていると思う。(この映画タイトル通り)
自分の秘密や他人の秘密を握っているからこそ世の中は成り立ってるのではないかと思った。
まとめるのが自分の語彙力では非常に難しいが、この映画は観てよかった。後味は良くはないが、最初に書いた今までのもやもやが【良い意味】でもやもやのままでいてくれたなと。そんな映画だった。
人によっては不愉快かも。でも凄く好きな作品
作品の題材のとおり、まさに哲学的お話。
なので、飽きてしまう人は楽しめないと思う。
いや。エンターテインメント作品ではないから、
楽しむという表現は違うのか・・・w
人間が生きていく上で誰にでも生まれる二重生活。
「尾行」という一歩間違えると犯罪(作中でもほぼ犯罪に見えるがw)的行為を通じて、
自分の存在を埋めていく・・・。
そんな作品です。
映画自体は長い論述
映画自体は論述のプロセスみたいなもの、主張は最後女主人公のナレーションで提示される。
全体的に何を伝えようとしてるかというと、最後の一言二言だろう。二重生活とは、簡単に人は誰でも表裏があるとのことだろう。実に誰も分かるような当たり前すぎること。一方、映画はいつも様々なテーマで同じことを言う。当然な事も。
ここで特に興味深いのはその「論述方法」であり、すなわち映画の題材と全体の物語展開である。
女主人公の白石珠は哲学系の修論を書くため人間観察(=尾行)を行う。彼女は何を論じたいかというと、「現代日本における実存とは何か」。が、映画で起こった全てを見れば、むしろ「人間とはなにか」という問いの回答を求めているような..日本社会とあんまり関係なく、しかも文系って哲学って修論ってこれ本当ありかーとツッコミたくなる。
が、この映画の物語はこれで実に斬新であるー 尾行行為はいつも人にハラハラさせる。観客は主人公と同じ視角で他人の秘密を覗き見するのも同じ。特にカメラはいつも揺れ続けてそのためちょっと気持ち悪くなるけど、臨場感の効果も抜群。しかも窃視するのは映画観客一般であるから、暗い映画館でその効果も倍増!
また映画後半は前半よりかなり優れてる。後半にこの映画の鍵があるとも言えるだろう。後半の糸で前半を考えれば、全ての出来事はこの長い論述の根拠を提供する。
例えば、ゴミをちゃんと出さない人。
長谷川さん演じる編集者の一言で人の書いたものを削ること。浮気すること。
主人公の彼氏が書いた漫画の修正を要求されること(ゲームデザインの設定も面白いー
嘘をついたこと。
誰も表裏あり、現象の裏に本質が隠れる。
哲学研究の白石は尾行を通じその本質を探求し、人間の裏を見ようとする人。もし日常だけに執着すればまた楽だが、重い過去を持つ彼女はそういう自分までを捨て、彼氏と別れ、本質にこだわってる。
最後に感じられるのは、やはり二重生活には、人間は心が満たされる方法を探している。日常生活ぐらいでは満足のは、表の自分。心がまた寂しくなるとまた普段と別のことから求める。誰にでも心に暗いとこがある。ーーが、どう考えるかは重要だと思う。宗教もそうだろう。何かを信じる(神様がいるとか)ことで、心の片隅を照らす。虚しい感情があるからこそ何かに託す。
論文というきっかけもどうかなーと思うし、好都合の所もあり、主張もちゃんと最後で出さないと人に曖昧な気持ちを与えるかも。が、結構論文のような充実な映画ではある。
答えはわからないが
終始ドキドキさせられた。
会社での自分、彼女との自分、
子供との自分、ひとりの時の自分。
自分しか知り得ない全ての事柄は
目の前にいる人それぞれが抱えていて
その時々の対象の全ての事象を覗きみる
というのがこんなに興味深いものなのか
と思った。
しかし尾行してそれらの秘密を知った
としても、最後までわからないことが
ある。それは対象者の気持ちだ。
なぜそんなことをするのか?
なぜそんなことを言うのか?
なぜ自分と一緒にいるのか?
劇中に対象者と接触してしまった際、
それを対象者に質問するシーンが
印象的だった。
そしてそれがラストのメッセージへと
つながっていく。
エンターテイメントではないので
万人向けではないが、ちょっと変わった
話が観たくなっているならおすすめします。
秘密
見終えてよく分からなくて、もやもやしました
でも尾行をはじめてから珠の中にある言葉にできなかったどうしても埋められない心の中の溝と、向き合うシーンが増えていって結果珠も、対象者も、彼氏も、教授も消えていく珠を見ていて切ない。
自分がされるのは嫌だけど、人の秘密ほど
面白くて、興味がある事ってないですよね
ダメだとは分かってますが
覗き見する楽しさというものを味わう珠をみていてこちらもワクワクしていました
話はおもしろいが、悲しい結末
女性が論文のために、隣人の男性を尾行します。
尾行していく中で、対象者の秘密をしることになり、対象者のごたごたに巻き込まれていくという話。
巻き込まれたので、次の対象者の尾行をして、論文を完成させます。
完成させた中で、自分の中にある問題と向き合うようになりました。
劇中でも、言ってましたが、始めは論文のためにしていたんでしょうが、やっていく中で尾行の醍醐味に取りつかれていくのが観ていてもわかりました。
尾行していることが、バレテいるだろうと思うことが何回かありました。そこが、残念だなと思いました。もっと完璧にするのかと思っていたので。
また、対象者に気付かれたら、終わりのような説明をしていたのに、終わらなかったのが納得いかなかったです。
尾行をしていく中で、対象者の生活が壊れていくなかで、自分の生活も壊れていくのは悲しいなと思いました。
対象者Aの話は、最後まで描かれているのに、対象者Bの最後がどうなったんだろうかな、ちゃんと最後を描いて欲しかったです。
原作も読みましたが
元々麦ちゃんや菅田将暉、リリー・フランキー、長谷川博己など俳優陣と尾行という主題に興味を引かれて鑑賞しましたが、映画を観たあと、心がずくずくと落ち着かなく、原作も読みました。
原作も面白かったですが、映画の方がお話は好みでした。
珠や、教授や、卓也たちの孤独が、心の暗いところを突いてくるようで。それぞれがあまり報われないところが切なく、良かったです。
小説版では、ハッピーエンド?はいいのですが、本当にこんなことでこんな話が収まるのだろうか、という気がして、また、珠があまりに俗物な感じがして映画ほど感情移入できませんでした。あれはあれで人間臭いとも言えるのかな、と思いますが。でも、面白かったです。
人間の汚いところや苦しい、恥ずかしいところも映っているのに、全体的にとても切ないという印象を受けました。もう一度観に行きたいと思います。
原作を超える脚本
映画を見てから原作を読みましたが、
今回は映画監督の書いた脚本が一本上手。
役者もきっと演じやすかっただろうと推測。
主題はあくまで人の行動について、心の変異について描いている。
もし生きるということが涙を流したり、笑ったり、喧嘩したりすることであるならば主人公はかなり生きているタイプの人間になるでしょう。
ただ、現実の人生において一番生きていると思えるのはきっと無心であることで、他人の行動にすら興味を持たない状態なのかもしれません。
つまり自分に何もない人は他人の人生を見ることで自分の人生を忘れ、経験したように思うのかもしれないという定義なのです。
その為、教授は人生の虚無感を痛切に感じたため、あのような結果になったのです。
狙いが外れる面白さ
門脇麦事務所はさ、「濡れ場があること」を条件に出演作選んでるとしか思えないんだよ。
いきなり起き抜けの菅田くんと門脇麦がセックスしてね、「この性欲の強さが後のストーリーに効いてくんのかな」と思ってたらそんなことなかった。
門脇麦そのまま起きるんだけど、薄いシャツだけど乳首が出てないの。「下着つけて寝ないよね」って萎えたな。そんなとこ気にするなら濡れ場もやめれば良いと思うんだよね。
この話ディテールの描写が良くないの。敏腕編集者・長谷川博己が作家の人と話す時に
長谷川「結末がいい」
作家「第二章に力をいれたので、この結末は悩んだんです」
長谷川「でも、書きすぎだ。第二章を削ろう」
作家「二章をですか?」
ってやり取りがあんだけど、なんかリアリティがない。
長谷川博己が恋人とレストランで喧嘩するときも「当たり前のことばっかり、当たり前のことばっかり」ととって付けたような台詞。
「なんだかなあ」と思ってると、突然、門脇麦の尾行が長谷川博己にバレんの。「君のことは不倫相手に聞いた」って説明すんだけど、不倫相手と門脇麦はホテルのトイレでばったり会っただけ。顔は解っても身元は判明しないから。
「おかしいなあ」と思ってると、門脇麦が「私、あなたと会っちゃいけないんです。そういうルールなんです」と突然、感情的に言い出して走りだし、長谷川博己が「待て!」と追い掛ける。突然過ぎてコメディかと思った。声は出さなかったけど大笑いしちゃったな。
もう後は笑いながら観てて楽しかったよ。
門脇麦の色んな表情や服装が観られるから、それだけで満足かな。
西田尚美が出演してる小劇場の劇も面白そうだったから、それ観たいわ。
あと監視カメラの映像が出てくるんだけど、いらないよね。あれなんか哲学的な意味あるのかな。
映画は、製作者側の狙いと違うとおろが面白かったよ。あとソフィ・カルの《本当の話》は読んでみたいと思った。
「門脇麦」という女優と原作の桃子の存在について
門脇さんの映画での芝居を初見させて頂いた。強いて興味をひく演技はあまりなく、それなりの役をそつなくこなす女優に映った。しかし、あてがわれた役を自分のものにする力は存分にこなす演者であると思った。静と動の演技をしっかり演技が出来る方だと感じた。今後、どのように活躍していくか目が離せない女優だと感じた。
今回の『二重生活』は、リリーさんや長谷川さん、菅田さんという豪華なキャスティングも手伝って、門脇さんの存在の強さを感じた。しかし、作家小池氏の「二重生活」を題材にしたものであるが、白石珠が、たまたま隣人の男性の行動を「(文学的哲学的)尾行」(という言葉があるのかは知らないのだが…。)していくうち、次第にその緊迫感にのめり込んでいくのだが、原作では、「桃子」という女性が現れるが、映画には現れただろうか。
卓也と桃子の場面を、綺麗に見落としたのだろか。それなら残念だが。このドラマは唯の『尾行』の緊張感と好奇心の境で翻弄する珠の演技が堪らなく良いのに、もし私が「桃子」の存在を見落としていたと仮定すると、題名の『二重生活』という言葉が自分の中で浮上してこない。ラストのリリーと西田さんの話は、話の展開(母の臨終の場面)で自然に判ってくるので、う~ん蛇足に思えるがどうであろうか。
中国で制作された映画『二重生活』と比較したくなった。
これは「ジョハリの窓」だ。
人の秘密を知ったとき、それが他人には知られたくない類の秘密だったとき、知っているのは自分しかいないと知ったとき。
人は、それをもっと知りたいという欲求を抑えきれない。それにのめりこむことで、手の中にあるかけがえのない日常を手放してしまう事態になるなんて思わずに。
それはまさに、鏡だらけの部屋に迷い込んだような感覚。尾行している相手を後ろから見ているつもりが、いつのまにか正面から見つめられているような、そんな自分がどこかから誰かに見られているような。見ている誰かはじつは自分自身の後ろ姿だったような。
見えているものは真実ではあっても、全部ではなく一部であり、それゆえに本質を忠実に理解しているわけではない。だから間違った情報を真実であると誤解してしまう。まさしく、作中ででてくるソフィ・カルの「本当の話」の世界だ。それは、映画を観ているこちらもそうで、出てくる人物のすべてを知っているつもりでいながら、じつはまだ隠された真実があることに気づいてさえもいない。
それは、教授の存在がその疑惑を膨らませてくる。もしかしたら、初めから教授は珠を尾行してたんじゃないのか?、だから、珠にも勧めたんじゃないのか?、だれか自分のことを知っていてくれる人間を探していたんじゃないのか?、だから「死んだ後」もその亡霊を珠は感じているんじゃないのか?、と。
壁とか防壁とか
この作品で語られるように、人はそんなにも臆病になってしまったのだろうか?
そして、孤独なのであろうか?
他人の生活を覗く。
その背徳感を、味わえる映画なのかと思ってたが、全然そんな事なかった。
覗くだけなら、そうかもだけど、尾行となると結構大変だ。
劇中でも対象の人生を追体験するとか擬似体験するとか言ってた。
なんでか、分からんが…見てしまう。
メニューはなんとも平凡なものだ。
「完璧な家庭。実は旦那が不倫」
そんなありきたりなメニューである。
味の方も、そんなに驚く程の事はない。
だけど、退屈かと問われれば、そうではない。
面白くはないが興味深い。
でも、BSで流す事はあっても、地上波で流す事はないように思う。
作品の最後に
「秘密こそが、人間関係を潤滑に保つために必要不可欠な要素である」
とかの、まとめがあった。
まあ、そうなんだろう。
ただ、一つ付け加えるなら「仮面」の存在である。
人は見られたい自分しか見せようとしない。
その為に、それ用の仮面を被る。
優しい自分
頼り甲斐がある自分
出来る自分…etc
もうその時点で、ある種の秘密を抱えるのだ。
人は本能的に嘘を纏う生き物とも言えなくはない。
ともあれ、この作品で語られる多くの部分を理解も許容もできてしまったので、俺も臆病な内の1人であることは間違いなさそうだ。
後ろめたさは蜜の味
他人の後を付けて行動を記録する。
ただそれだけの事なのに、なんでこんなに
胸が躍り昂るのであろうか?
人間は第三者の行動には興味深く
色々と口を挟みたくなるもんですね。
自分の事になると全くもってまかりならない
行動なのに。
人間とは・・・分からないまま
老いていきましょう!
_φ(・_・なんとなくわかった。
哲学的な映画なんだってんでしょうか?
主人公は理由なき尾行をしていると『自分の空っぽなところが埋まっていく感じがした』
と言っています。人の体験や秘密を共有することにより心が埋まると、、、、。
ある本を読んだ時、人生思いのほか上手くいかず、そんな時は映画とか本を読んで
代償行為をすることにより心は休まるのだと聞いたことがあります。
尾行をしてその人の人生をダブらせることは心にとっては勉強になるんだろうと思います。
完璧な人生などはどこ行ってもなく、人はそれを補うために人と関わるのでしょうか?
人生の成功者といわれている人達は世の中にはたくさんいますがその人達はまたその人なりに
心の空なところがありまた埋めなければならず、トドのつまりが空白は埋めきれないのでしょう。
今後、人は尾行を止められないんでしょうね。
さすが
全員演技うまかった。そして全員エロかった。
菅田将暉と門脇麦の朝起きてすぐのセックス、エロっっ。
初っ端からあんな感じだったからどんなんなんだろうって思ってたら、なんていうんだかエロさの中にある人間の深いとこ?(←門脇麦も言ってた)みたいな。
ちょっと難しかったけど人って単純で、でも奥深い簡単じゃない生き物だと思いました。
テーマは面白いし熱演だが
主人公の尾行を追体験するような演出ではあるが、主人公に感情移入はできないので、ハラハラドキドキとモヤモヤで、見る方はなかなか疲れる。
大家さんと監視カメラにフィーチャーした意図がいまいちわからなかったです。ストーリーには深く関わってこないけれど、他人の視点を表現している?
主人公は論文を書き上げ、最後にすっきりとした表情で引っ越していきましたが、主人公が失ったものと引き換えに何を得たのかいまいちわかりませんでした。
主人公のモヤモヤは晴れ、足りないものが埋まったんでしょうか?
門脇麦さんの演技がとにかく生々しくて、こういう女優さんは久しぶりに見ました。
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