二重生活のレビュー・感想・評価
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「門脇麦」という女優と原作の桃子の存在について
門脇さんの映画での芝居を初見させて頂いた。強いて興味をひく演技はあまりなく、それなりの役をそつなくこなす女優に映った。しかし、あてがわれた役を自分のものにする力は存分にこなす演者であると思った。静と動の演技をしっかり演技が出来る方だと感じた。今後、どのように活躍していくか目が離せない女優だと感じた。
今回の『二重生活』は、リリーさんや長谷川さん、菅田さんという豪華なキャスティングも手伝って、門脇さんの存在の強さを感じた。しかし、作家小池氏の「二重生活」を題材にしたものであるが、白石珠が、たまたま隣人の男性の行動を「(文学的哲学的)尾行」(という言葉があるのかは知らないのだが…。)していくうち、次第にその緊迫感にのめり込んでいくのだが、原作では、「桃子」という女性が現れるが、映画には現れただろうか。
卓也と桃子の場面を、綺麗に見落としたのだろか。それなら残念だが。このドラマは唯の『尾行』の緊張感と好奇心の境で翻弄する珠の演技が堪らなく良いのに、もし私が「桃子」の存在を見落としていたと仮定すると、題名の『二重生活』という言葉が自分の中で浮上してこない。ラストのリリーと西田さんの話は、話の展開(母の臨終の場面)で自然に判ってくるので、う~ん蛇足に思えるがどうであろうか。
中国で制作された映画『二重生活』と比較したくなった。
抑制の効いたストーリー展開が心地良い
リリー・フランキーのタメの効いたセリフ回しと抑制されたストーリー展開、映画のムードを象徴する音楽と何れも満足のいくものでした。自分の生活が満たされている人って今作の主張通り、そんなにいないのでしょうね。
これは「ジョハリの窓」だ。
人の秘密を知ったとき、それが他人には知られたくない類の秘密だったとき、知っているのは自分しかいないと知ったとき。
人は、それをもっと知りたいという欲求を抑えきれない。それにのめりこむことで、手の中にあるかけがえのない日常を手放してしまう事態になるなんて思わずに。
それはまさに、鏡だらけの部屋に迷い込んだような感覚。尾行している相手を後ろから見ているつもりが、いつのまにか正面から見つめられているような、そんな自分がどこかから誰かに見られているような。見ている誰かはじつは自分自身の後ろ姿だったような。
見えているものは真実ではあっても、全部ではなく一部であり、それゆえに本質を忠実に理解しているわけではない。だから間違った情報を真実であると誤解してしまう。まさしく、作中ででてくるソフィ・カルの「本当の話」の世界だ。それは、映画を観ているこちらもそうで、出てくる人物のすべてを知っているつもりでいながら、じつはまだ隠された真実があることに気づいてさえもいない。
それは、教授の存在がその疑惑を膨らませてくる。もしかしたら、初めから教授は珠を尾行してたんじゃないのか?、だから、珠にも勧めたんじゃないのか?、だれか自分のことを知っていてくれる人間を探していたんじゃないのか?、だから「死んだ後」もその亡霊を珠は感じているんじゃないのか?、と。
壁とか防壁とか
この作品で語られるように、人はそんなにも臆病になってしまったのだろうか?
そして、孤独なのであろうか?
他人の生活を覗く。
その背徳感を、味わえる映画なのかと思ってたが、全然そんな事なかった。
覗くだけなら、そうかもだけど、尾行となると結構大変だ。
劇中でも対象の人生を追体験するとか擬似体験するとか言ってた。
なんでか、分からんが…見てしまう。
メニューはなんとも平凡なものだ。
「完璧な家庭。実は旦那が不倫」
そんなありきたりなメニューである。
味の方も、そんなに驚く程の事はない。
だけど、退屈かと問われれば、そうではない。
面白くはないが興味深い。
でも、BSで流す事はあっても、地上波で流す事はないように思う。
作品の最後に
「秘密こそが、人間関係を潤滑に保つために必要不可欠な要素である」
とかの、まとめがあった。
まあ、そうなんだろう。
ただ、一つ付け加えるなら「仮面」の存在である。
人は見られたい自分しか見せようとしない。
その為に、それ用の仮面を被る。
優しい自分
頼り甲斐がある自分
出来る自分…etc
もうその時点で、ある種の秘密を抱えるのだ。
人は本能的に嘘を纏う生き物とも言えなくはない。
ともあれ、この作品で語られる多くの部分を理解も許容もできてしまったので、俺も臆病な内の1人であることは間違いなさそうだ。
人の秘密は面白い
他人の生活を覗き見る感覚は映画や本の物語に夢中になるのと似ている。
第三者視点があることによって正されて、また深い秘密が生まれてくなら人間て気持ちわりーな。それがまた面白いのだが。
尾行してるようなカメラワークにもドキドキした。
もっと尾行の緊張感があっても
尾行に夢中になるうちに
いつしか他人に感情移入して
もう他人事ではなくなってしまう。
好奇心と心地よい罪悪感。
人に話すことの出来ない
自分だけが知っている他人の秘密。
尾行の対象は誰でもいい訳がなく
やはり好みの異性でないとこんな大胆な行動ができるとは思えない。
しかし自分の生活を放置してまで
他人の生活を覗き見ることに何の意味があるのか。
尾行の経験が自分の人生に
何かしらの影響を与えてくれるのであろうか。
人生が豊かなものになるのだろうか。
誰もわからない。
だから実行するのか。
観て分かったことは
他人の生活を知ってしまう上で他人の隠し事まで知ってしまい
日々の生活では味わえない驚きや興奮、刺激を求めるようになり
他人の日常を追いかけることが
非日常となり抜け出せなくなるということ。
それに他人の生活を今の自分と比べた時、今の生活がいかに刺激のない淡々とした普通の日々であることに落胆し、
これほど自分は毎日を必死に生きていないことに気付くということ。
世間の人の方が自分より一見充実した日々を送っているかのように
見えるが実は装っているだけでみな一生懸命必死に
不器用に生きていることを自分の目で確かめてしまった。
そしてふと我に帰った時、自分の生活が置き去りになっていること、
自分の人生が止まってしまっているということに後悔し愕然とする。
尾行に費やした時間とエネルギーは無駄であるということ。
日常と非日常の二重生活が人生において意味の無いことである
ということ。何も残らない。ただそれだけ。
主人公のセリフ
「自分の深いところは空っぽで考えても考えても何も変わらない」
いくら頭で考えても分からない。だから実行に移してしまった。
他人の携帯を覗き見るのと同じで
見た後は後悔と疑念しか残らないと思う。
探偵か刑事でない限り尾行なんてやってはいけない。
主人公は尾行なんてしないほうがよいことに気付いたのだろうか。
余韻もすごいよ
やられました。すごく良かったです。尾行が哲学的かどうか、そこは全然問題じゃないですね。
私たちって映画やドラマ、小説や絵画に影響され、少しぶれるじゃないですか。それをこんなエキセントリックな手法で見せつけられた。門脇麦さんの演技も素敵。引き込まれました。余韻度はピカイチです。すごい。
一流陣のメジャーな作品ですが
設定 や内容がマイナー感が?
普通教授が若い生徒にそんなことさせますか?タイトルも視点は彼女なのだからどうなのだろうか?教授はレンタル家族で母に結婚していると思わせたかったのか?あの家族の中身は細部省略気味か?
菅田将暉を初めて見た映画
長谷川博己を見たかったので見ました。後味は良くなかった。でも、菅田将暉がとっても透明というか清潔というか、男の子でもあり女の子でもあるようでした。不思議な生き物を見るような感じ。
門脇麦さんは演技上手いと思います。でも、見ていて辛くなるような役が多い印象があります。幅広い女優さんになって欲しいな。
リリー・フランキー、相変わらずよくわかんない役どころだったなー。そんな指導する哲学専攻(思想系)の先生なんて居ない!と思います。
後ろめたさは蜜の味
他人の後を付けて行動を記録する。
ただそれだけの事なのに、なんでこんなに
胸が躍り昂るのであろうか?
人間は第三者の行動には興味深く
色々と口を挟みたくなるもんですね。
自分の事になると全くもってまかりならない
行動なのに。
人間とは・・・分からないまま
老いていきましょう!
ちょっと詰め込み過ぎかな…
主演の麦さんの演技は自然で良かったです。ストーリー、設定については少し首をかしげてしまいます。個人的にですが、色々と詰め込み過ぎ感があってあまり好きじゃないです。
人は秘密があるから、生きていけるのかも。
修士論文を書けない院生の女子が、
教授の勧めで尾行にのめり込み、
そこからいろんなことが
見えてくるというお話。
半信半疑
おどおどして尾行していた女の子が、
様々なもの掴んでいく様がいい。
人間の存在意義みたいな
哲学的なお話がテーマだけど、
ハプニングも織り交ぜながら、
尾行という非日常のスリルが
全編を引っ張ります。
しっかりエンタメをキープしているから、
夢中になれます。
なかなか惹きつけられました。
主人公タマは
受け身で生きてきた女の子。
そんな彼女が
覗いた他人の生きざまから
自分にツジツマを合わせていく
その繊細な変化が生々しい。
タマを演じるのはの門脇麦さん。
彼女は「愛の渦」から注目してますが、
繊細さも大胆さも持ち合わせている、
異端実力派の若手女優ですね。
今回も無意識下からの、
心の動きが上手かったですよ。
長谷川博己さん、
リリーフランキーさん、
菅田将暉さん
異なった年齢の3人の男。
彼らも様々な秘密が色気を放ってて、
素晴らしかったのだけど、
その差異をひきだたせていたのも、
門脇麦さんの演技力でした。
この監督は映画デビューのようですが、
臨場感や俯瞰を使い分けたカメラワーク、
映像トーン、音楽と、
計算された表現手法に手腕を感じました。
この世の中に生きていて、
人は満たされるわけない。
毎日が苦しい。
そんな状況から逃れるために、
人は秘密をもつのかな。
それを想う自分だって、
実は秘密がたくさんあるから(笑)
生きていけてるかもしれない。
映画から感じることが、リアルでしたね。
どんな人にも秘密があって、闇があって、
それが魅力になるかもしれない。
そんなホントのことが、
やけにせつないなぁ。
精神的にきちんとオトナの人には、
よけいに響いてくる作品なのかも
しれませんよ。
_φ(・_・なんとなくわかった。
哲学的な映画なんだってんでしょうか?
主人公は理由なき尾行をしていると『自分の空っぽなところが埋まっていく感じがした』
と言っています。人の体験や秘密を共有することにより心が埋まると、、、、。
ある本を読んだ時、人生思いのほか上手くいかず、そんな時は映画とか本を読んで
代償行為をすることにより心は休まるのだと聞いたことがあります。
尾行をしてその人の人生をダブらせることは心にとっては勉強になるんだろうと思います。
完璧な人生などはどこ行ってもなく、人はそれを補うために人と関わるのでしょうか?
人生の成功者といわれている人達は世の中にはたくさんいますがその人達はまたその人なりに
心の空なところがありまた埋めなければならず、トドのつまりが空白は埋めきれないのでしょう。
今後、人は尾行を止められないんでしょうね。
さすが
全員演技うまかった。そして全員エロかった。
菅田将暉と門脇麦の朝起きてすぐのセックス、エロっっ。
初っ端からあんな感じだったからどんなんなんだろうって思ってたら、なんていうんだかエロさの中にある人間の深いとこ?(←門脇麦も言ってた)みたいな。
ちょっと難しかったけど人って単純で、でも奥深い簡単じゃない生き物だと思いました。
理由なき尾行をしたくなる
いやあ、面白かった。 R15+なんだけど、 なんせ門脇麦の色気がすごい。
あんなに透明感があって清純そうなのに、なんなんだあのエロさ。
ストーリーとしては門脇麦演じる大学院生の白石珠が教授の勧めで"理由なき尾行"を始める。
その尾行で他人の生活を覗き見しながら、論文を仕上げていくのだが。。。
・・・続きは映画館でw
私は今まで人との距離感が近くて、自分自身のことは全てオープンだったし、
相手にもオープンを求めてきていたけど、最近変わってきた。
誰にでも秘密はあるし、開けない方がいいことがある。
というか、本人でもわからない部分てあって、そこは誰にも開けられない。自分でも。
大人になるといろいろあるんだな。パーソナルな部分が。
そして、そこがあるからこそ人というか、闇があるのが普通というか。
正論ばっかり言ってた頃の私は若いなと思う。
人にもそれを求めて、押し付けていたなって。
今も信念は変わらないし、曲げられないところが人より多いけど、
ちょっとずつ大人になって、いろんなことが見えてくるのかなあって。
そんなことを考えた映画でした。
尾行
結論からいうと、浅はかではあるけど、凄く惹き付けられる映画だった。
もっと哲学的に難解に振り切ればそれなりに評論家筋からも評価されるんだろうけど、出演者の顔ぶれも含めて割かしポップで予想通りの展開で、でも個人的にはそれが凄く良かった。
何よりカメラワーク、そして音楽が絶妙で、それだけで画面に見入るのに十分な要素だった。
対象者と接触してからの尻つぼみ感はあったものの、ここまでじっくり観た映画は久しぶりかもしれない。
凄い可愛い子が一人で見に来てて、映画が終わった後に尾行しようかと思ったけど、さすがにやめた。
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