ブリッジ・オブ・スパイのレビュー・感想・評価
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ちょっとよく分からなくて。。。
スパイの暗い部分を描く作品
捕まると、結局、両国から救われにくい運命
トム・ハンクス演じる弁護士が、アメリカの敵と言われても何故にスパイにそこまで紳士的に接するのか、よくわからなかった。
自分たちをアメリカ人たらしめてるのは、地でも出身地でもなく規則だ、というのは名言ですが、それだけで命がけのお仕事ってできるのかしら??
交渉のシーンも、何故に有利に進むのか、全くわからなかったし。。。
事実に基づいてるそうですが、本当に??って思ってしまった。
まぁ、そのような小さな疑問さえ抱かなければ、役者さんたちの演技は凄まじいし、ベルリンの壁の建設など、歴史的な背景も学べて、良い映画だと思います。
不屈の弁護士、橋に立つ。
Amazon Prime Videoで鑑賞(レンタル・吹替)。
不屈の精神―。並大抵の覚悟じゃ成し遂げられないことばかりでした。アメリカとソ連と云う大国の思惑に翻弄されながらも、己の信念を曲げないで、困難なミッションを成し遂げたドノバンを讃えたくなりました…。
たとえ敵国の人間であっても、平等に法の下で裁かれるべきであると云う理念の尊さ…。人物の尊敬出来る部分は尊敬し、敬意を払うべきところには精一杯の敬意を払う…。ドノバンとアベルの間に芽生える友情もいい!
ですが正直なところ、いまいち盛り上がりに欠ける作品でした。サスペンス大作と名打ちながら、スリルを感じられませんでした。ストーリーの重厚さと出演陣の素晴らしい演技は見物でしたが、それだけだなぁ、と云う印象…
そうでありたい
弁護する相手は当時冷戦時代のロシアのスパイ。アメリカとの取引にも応じず、自分の職務をまっとうする相手。主人公も相手がロシア人であろうと、スパイであろうとアメリカで裁判を行うのだから規則は規則、アメリカの憲法に基づいた裁判を行う信念を通す主人公。そういう二人の間にお互い通じ合いものが出てくる、アベルがジムのことを「standing man」と表現するところが良い。
緊迫した内容なのにアベルとジムを演じる二人が飄々としているところがこの映画を単なる緊張した内容にしていない。「不安に思わないか?」「それが役に立つか?」3回繰り返されるこの会話。ユーモラスに聞こえるけど、実際スパイをやってられる人の素質って不安に思わない強靭な精神がないと正気をたもっていられないのかもしれない。
この映画を、きれいごとという人もいるかもしれないけど、そういうことをストレートに表現する映画があって良いと思う。ベルリンの壁を乗り越えようとして射殺される人を見て主人公が怒りを表す。そういう感性をいつまでも失わないようにしたい。
ドノヴァンの交渉術!
スパイの弁護を引き受けるなんてと世間から冷たい目で見られ、アメリカ国内ではアベルの次に憎まれるという災難。そして、数年後に両国における捕らえられたスパイを交換するための交渉役として選ばれたのだ。あくまでも政府の人間じゃなく、民間人として・・・
折しもドイツベルリンでは東西の壁が作られていたが、運悪くアメリカの学生が東ベルリンにいたためスパイの容疑で拘留されてしまう。ドノヴァンはパイロットのパワーズと学生のプライアーの二人を天秤に乗せて、アベルと捕虜交換しようと考えた。プライアーは完全に無実であるから後回しにしろという周りの声にも耳をかさず、堂々と2対1の交渉を開始する。それも相手はソ連、東ドイツの2国なのだ。
重い雰囲気の映画ではあるが、どこか飄々とした性格のドノヴァンのおかげで、かなり楽しめました。真実の話ということで、エンディングにはドノヴァンの功績もテロップに流れ、凄い人物だったのだと驚きも・・・ブリッジの意味は単なる交換場所である橋じゃなく、交渉役の意味もあるのかとずっと考えてしまいました。
これが実話なんて凄すぎる
米国にいたソ連のスパイと、東ドイツに墜落した米国空軍の人と、ドイツに留学していた学生とを交換するために交渉。
実話を元に。
私には難しい内容だったけれど…
彼のような交渉人がいれば安心だな。
心配させないため、家族にも言わずに。
立派で素敵人だな。
役に立つかね?
Would it help?
この台詞がね。いいんですよね。最初はどうってことないセリフが、終盤には全く違う響きを持つという。
基本的に男と男のバディ物が大好物なので、スパイのアベルと弁護士のドノヴァン、この2人の知的で軽妙なやりとりは癖になるくらい大好きになりました。
しかし決して多くを語らずとも深く伝わるってくる秀逸な構成と役者の演技力!
ベルリンの壁を超えようとして殺される脱走者を見てしまう時のドノヴァン、その対比として、NYに戻り公園で子供達がフェンスを乗り越えて行く様子を眺める主人公のあの目…トム・ハンクスってやっぱ凄い役者だなぁ…と。そしてアカデミー賞間違いなく獲るだろうなぁと思わせたマーク・ライランスの自然なんだけど圧倒的な存在感は凄かった…。
巨匠スティーブン・スピルバーグが「あぁ…いい映画観たなぁ…」という気持ちにさせてくれる本当に素晴らしい作品です。お勧めです!
70点
かっこすごい弁護士であり
かっこすごい交渉人であり
かっこすごい父である。
設定は面白く、内容はシンプルで
歴史の勉強になる。
けどここまで周りの評価高いのは
なぜかはわからん。
奥さん綺麗しトムハンクス大好き
私を抱擁するか、後ろに座らせるだけか
映画「ブリッジ・オブ・スパイ」
(スティーブン・スピルバーグ監督)から。
米ソ冷戦時代の実話らしいが、冒頭「これは実話に基づいて・・」
という表記はなく、最後のテロップで、これもしかしたら実話?と
考えさせる作品仕立てが、素晴らしいと思う。
さて、今回の私の注目は、両国のスパイ(パイロット)交換シーン。
お互いの祖国に戻ったら、彼らはどんな扱いを受けるだろう・・と、
誰もが興味をもち、歓迎されるか、殺されるかだな、と考えていたら、
ソ連のスパイ・アベルは、こう答えた。「私の迎え方で分かる」
トム・ハンクス演じるドノヴァンが聞き返す。「どうやって?」
アベルは静かに「私を抱擁するか、後ろに座らせるだけか」と答えた。
そして、その瞬間、アメリカ側は思いっきり「抱擁」し、
ソ連側は、大事な秘密をもったスパイが戻ってきたのに、
何もアクションせず、ただ「車の後ろの席」に座らせた。
この両国の「迎え方の違い」が特に印象的だった。
さらに「なるほど、アベルは殺されるんだな」と思っていたら、
私の意に反して、何も処分も受けず、開放されたようだ。
ソ連側は「彼はスパイじゃない」から、抱擁も殺しもしない。
そんな主張をしているようで、可笑しかった。
ハンクス、ライランス、スピルバーグ、それぞれの巧さを改めて感じる1本
ソ連のスパイの男がいる。マーク・ライランスが演じるその男は、何かを達観したように心を乱すことがない。表情ひとつ動かさず、飄々とした態度と眼差しで、捉え所のない男のようだ。国に忠誠を誓い、信念を貫く男の姿でもある。しかしながら米国国民にとっては、敵以外のなんでもない。それすらも受け入れ腹を決めた男の覚悟を、ライランスが魅せる。トム・ハンクスよりも年下のはずなのにずっと老けて見えるし、しょぼしょぼしてすら見える。しかしそれ以上に男の悲哀と奥行きを感じさせる。
一方のトム・ハンクスが演じるのは、そんなスパイを弁護することになった保険弁護士で、彼にとってもスパイの男は敵でしかないはずなのに、次第に不思議な友情のようなものが生まれていく奇妙な関係性を魅せる。正義だけではない何かを表現するのにトム・ハンクスは確かにうってつけだ。
第一幕では、ライランスを弁護するハンクスの法廷劇のような色合いが強く出る。ただその中で、米国人スパイの若者の物語が平行して描かれ、第二幕で二つの物語が交差し、新たなドラマが展開する。
ソ連で捕らえられた米国人スパイを取り戻すべく、ソ連のスパイとの交換取引をすることになり、その任務をハンクスが行うのである。そこに、ベルリンで捕らえられた米国人留学生の救出も重なり、ハンクスはほぼ一人でこの複雑な国交取引に立ち向かう。ハンクスの知的なおおらかさが役柄に働きかける。
スピルバーグの仕事は演出の見本とでも言うほどで、伏線の張り方から回収、場面転換、物語の語り口も、さすがは熟練という感じで文句のつけようがない。巧すぎてちょっとクサいくらいだ。
そうだ。ハンクスとライランスの間の奇妙な絆、個人と国との複雑なかけひき、ラストの橋の上の緊張感、帰国した後でベッドに伏せるハンクスの背中・・・など、見ようによっては巧すぎて少しクサい部分が目につくかもしれない。昔のスピルバーグがそれをやったら、鼻で笑ったかもしれない部分だが、今ではこの手慣れた感じがとても心地良い。スピルバーグ、本当に映画をよく分かっていらっしゃる。
この物語は実話がベースになっているものの、スピルバーグは実話であるという事実に寄りかかった映画は作らない。何も知らずにフィクションだと思って観はじめた人も、ひとつの映画としてきっと楽しめるだろうと思う。
繋ぎ超えていく
巨匠スピルバーグ監督作。脚本はコーエン兄弟、撮影ヤヌス・カミンスキー、音楽はジョン・ウィリアムスではなくトーマス・ニューマン。面白くないわけがない並びで更なる高みへと登っているスピルバーグからの有難い映画。
近年はスパイ映画が非常に多い。MIP、007、キングスマン、コードネームuncleなどなど。本作はそういった作品と根本的に異なり、主役はスパイを弁護する弁護士の物語だ。主演のトム・ハンクスよりもソ連のスパイであるアベルを演じたマーク・ライランスがキャラクターも相まって魅力的。
地味な映画である。見せ場や何か物語の進展があるときは基本的に部屋の中であったり、電話を待ったりととにかく地味め。けれど面白い。それはやはりスピルバーグの圧倒的な演出力の賜物だろう。それに加えてアメリカというものをもう一度見直してみようというスピルバーグの真摯さを感じる。
カメラワークは昔ながらの手法で工夫に工夫をこらしたもので往年のハリウッド映画のような佇まい。カメラの動き1つでここまでハラハラさせられるものはなかなかない。
アメリカの画家ノーマン・ロックウェルの絵画をトレースしたファーストシーンでスパイという人の生き方が初見でも分かる。本作でソ連のスパイ1人と交換されるのはアメリカの軍人1人、そしてアメリカ民間人の1人。数が合わないのだが単純に困っている人を助けたいというドノバン弁護士の優しさ、ヒューマニズムによって交換までたどり着く。
国家は個人を数としてでしか認識しない。それに加えて国境といったものもある。本作ではそれがベルリンの壁といった分かりやすいもので出てくる。壁や枠なんてものは本来なら存在しない、政治の都合上あるだけだ。そこを超えても人と人は分かり合える。ドノバンとアベルはある瞬間確かにそこを超えていた。
ドノバンが説くアメリカを定義するもの、それは憲法だ。移民の集まりであるアメリカは憲法を規範として存在している。アイルランド系、ユダヤ系、イタリア系にネイティブアメリカン、アフリカンアメリカンなど挙げればきりがないほど多種多様なルーツをもつ人達が入り乱れるアメリカは憲法のもとに皆自由を約束されているはずた。
ラストでドノバンが電車から眺める子供たちは易々と家の壁を超えていった。皆超えることが可能なのだ。忘れているだけじゃないのだろうか。
意外と眠くならなかった
俳優、監督、脚本に惹かれた作品。
最初はそんなに期待はしてなかった分、面白かった。
冷戦時代、アメリカとソ連が互いにスパイを送り合い、情報戦争となっていた。そんな中で相手国のスパイを弁護する必要はあるのか。敵国のスパイを弁護することで国内からは批判を受け、家族にも危険が及ぶ。それでも尚、権利を護り抜き、さらには有益な交渉までも取り付ける凄さ。戦時中という非情な環境において敵味方関係なく人権を護る強さがかっこよかった。
レンタル開始したらもう一度見たい。
うーん・・・ つまんなくはないけど、単調。 アメリカってこんな寛大...
うーん・・・
つまんなくはないけど、単調。
アメリカってこんな寛大なんです!!!
ってことが言いたいの?っていう感想。
最後の子供が遊んでるシーンでの皮肉はよかったかな。
スパイ映画かと思ったら
スピルバーグ、トムハンクス、スパイ映画ときたら、想像するのは少しコメディタッチの爽快な映画だったんだけど、実話をもとにしたなかなかの重い映画
それでもストーリーにグイグイ引き込まれ、感動した。
最後の表情だけで表現する場面は、説明がないからこそ伝わる技術だなと感心。トムハンクスの演技にも脱帽です。
アメリカに戻ってから子供達が壁を乗り越えるシーンもトムハンクスは無言のままだけど、あのベルリンの壁での衝撃的なシーンを思い返させます。
さすがですね。
見事な演出と脚本
重厚な重たい作品かと思っていたがそうでもない。面白い!スピルバーグの流石の演出で140分飽き知らず。脚本にコーエン兄弟が参加してるのは鑑賞後に知った。
ベルリンのシーンが素晴らしい。この風景がキーワードだと感じたな。当時の冷戦構造や歴史がひとりのアメリカ人の視点からリンクしていく。その脚本の巧さ。
1960年前後のベルリン、それも冬の風景。凍てつきつつも美しい。青を綺麗に撮るヤヌス・カミンスキーのカメラが見事。壁が積み上げられるシーンの臨場感たるや。
ソ連のスパイ役マーク・ライランスの瞳がいつまでも印象に残る。トム・ハンクスの困り顔や鼻垂れ顔も十二分に楽しめました。
つまりは最後の注釈が、回答なのだろう
最後アベルが、妻と娘と会った、ていうのは会ってなくて。パワーズが飛行機事故にあった、ていうのは、事故じゃないって事なんだろう。だからって面白いものじゃないな、今んとこ…
ジーンとしました
実話を基にした話はあまり好きではないんですが、ターミナルという映画が同じくトム・ハンクス主演で好きな作品だったので観に行く事にしました。
途中から劇場の空調がおかしかったのか、もの凄く寒くて、ベルリンの雪景色とあいまってガタガタ震えながら観てたので、ある意味、臨場感が味わえたかな(笑)
トム・ハンクスの演技はもちろん好きなんですけど、今回はアベル役の人が素敵だなと思いました。
静かに淡々と喋る語り口が耳心地がよく私は好きでしたね。
交渉がメインでゆるやかなシーンが続くのかと思いきや撃墜シーンはかなり迫力があって驚きました。
ドノヴァンとアベルの奇妙な友情というか信頼関係も良かったですね。
冷戦時代にアメリカ人とソ連人がお互いどういう気持ちでいたのか本当のところはよくわからないんだけど、大半の人が敵として憎み合ってる中で、この二人の関係は素敵に見えました。
アベルの描いたドノヴァンの肖像画のタイトルは「不屈の男」でしょうか。
アベルが後部座席に座らされた時、ドノヴァンが物悲しい表情をしていたのが印象に残りました。
最終的にアベルは無事だったようですが、あの瞬間は、大丈夫なのか?本当に交換して良かったのか?と自問自答していたんでしょうね。
終わり方もとっても好きでした。
奥さんは何か感じていたようですが、真実がわかって子供達も父親を誇らしく、奥さんも、ベットに突っ伏してる旦那を見て、この人と結婚して良かったと思ったに違いない。
不撓不屈の真面目な男。
派手さはない。ただ真面目。ただ不屈。不撓不屈の真面目な男。
その男には信念がある。意志がある。絶対的な矜持がある。
自分にとってなにがいちばん大切かを知っている。
それを曲げれば、自分が自分でなくなってしまうかもしれないもの。
自分の奥の奥でめらめらと燃えさかり、魂のあり方をあぶり出す原始の火。
トム・ハンクス演じるジェームズ・ドノヴァンのその生き様に、静かな震えが止まらなかった。
しかも彼は実在している。
ソ連のスパイであるアベルの弁護を依頼されたアメリカ人弁護士ドノヴァンは、敵国のスパイを弁護するのかと大衆の強い非難を浴びる。
電車に乗り合わせる人の目にはつめたい怒りの火が灯り、裁判長は予定調和の感情的な有罪判決を当然として曲げようとしない。
自宅には銃弾が何発も撃ち込まれ、愛する家族が危険にさらされてしまう。
それでもドノヴァンはアベルの弁護をやめない。
たとえ敵国のスパイであっても、スパイである前に人間であり、法の下に平等であるからだ。
とても印象的なシーンがある。
CIAのエージェントから「弁護士の規則なんてどうでもいいからアベルの情報を渡せ」と詰められたドノヴァンはこう答えたのだ。
「”規則なんて”と言うな。君はゲルマン系、私はアイルランド系、民族の違う我々を同じアメリカ人たらしめているのはただひとつ、規則だ。規則とは憲法だ。誰もが法のもとに庇護を受ける権利を有することを規定している憲法だ」と。
ここに彼の、人間に対する徹底して厳しくやさしい眼差しを感じる。
そんなドノヴァンに負けないくらい、真面目で、祖国への忠義に厚いアベル。
「不安はないのか?」と尋ねられ、「それが役に立つのか?」と返すアベル。
2人は次第に、国や人種を超えて人間として互いに尊敬の念を抱くようになる。
クライマックス、彼らがお互いに対して贈りあった贈り物。
不撓不屈の足で駆けずり回り、命以外のほとんどを犠牲にして手に入れ、東西ドイツの凍てついた空気で包み、信頼というリボンで巻かれた、その正体ー。
ぜひ皆様にも観ていただきたいです。
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