「そうでありたい」ブリッジ・オブ・スパイ penguinさんの映画レビュー(感想・評価)
そうでありたい
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弁護する相手は当時冷戦時代のロシアのスパイ。アメリカとの取引にも応じず、自分の職務をまっとうする相手。主人公も相手がロシア人であろうと、スパイであろうとアメリカで裁判を行うのだから規則は規則、アメリカの憲法に基づいた裁判を行う信念を通す主人公。そういう二人の間にお互い通じ合いものが出てくる、アベルがジムのことを「standing man」と表現するところが良い。
緊迫した内容なのにアベルとジムを演じる二人が飄々としているところがこの映画を単なる緊張した内容にしていない。「不安に思わないか?」「それが役に立つか?」3回繰り返されるこの会話。ユーモラスに聞こえるけど、実際スパイをやってられる人の素質って不安に思わない強靭な精神がないと正気をたもっていられないのかもしれない。
この映画を、きれいごとという人もいるかもしれないけど、そういうことをストレートに表現する映画があって良いと思う。ベルリンの壁を乗り越えようとして射殺される人を見て主人公が怒りを表す。そういう感性をいつまでも失わないようにしたい。
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