劇場公開日 2016年1月8日

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「シリアスかつエンタメな、スピルバーグの真骨頂」ブリッジ・オブ・スパイ iniaaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5シリアスかつエンタメな、スピルバーグの真骨頂

2016年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

冷戦下の米露に張り詰めていた緊張感を見事に表現する脚本と撮影の下で、トム・ハンクス演じる弁護士のヒューマニティと、マーク・ライランス演じるロシア側スパイの飄々とした演技が胸を熱くする。涙だけじゃなく笑いもありの起伏に富んだエンタメに仕上げながら、同時に現代社会に対する道徳的な示唆も多分に含ませたスピルバーグの演出も素晴らしい。
これまでも、『シンドラーのリスト』『リンカーン』などのシリアスな社会派映画と、『インディ・ジョーンズ』シリーズや『ジュラシック・パーク』などのエンタメに振り切れた映画を同時に撮り続けてきた名匠スピルバーグだけど、この作品はどちらの側面も併せ持った、最も理想的なバランスをとった「スピルバーグ映画」の1つと言えると思う。

iniaa