「今の混沌の世界にも現れて欲しいスパイ」ブリッジ・オブ・スパイ ヤマザマンさんの映画レビュー(感想・評価)
今の混沌の世界にも現れて欲しいスパイ
交渉術に長けているのは、相手に訴えることですがコレがなかなか難しい。先ず不可能だと誰もが完全に思う厄介な問題に交渉者が取り組むから。良い交渉者は何故か自分のペースで進めて行く。多分その人なりのビジョンがあるからに違いない。スパイに死刑が声高に叫ばれるアンチ共産主義のアメリカで、大衆とは何か違う素晴らしい価値観を持っていた一人のアメリカ人。今回の主人公ドノヴァンがそれである。
実話がベースの話は日本人で言うと、同じタイミングで上映されている「杉原千畝」の映画と同様である。描かれるのはとにかく様々な要素が絡み合い混沌としていた世界。でも交渉者は常識を覆し、当時の誰もが理解出来ない行動に出た。スパイ紛いの活躍した日本人外交官とスパイ顔負けの活躍したスーパーマンのような保険マンを描く違いはありますが…。
私のお勧めシーンは、誰もが感動するであろうクライマックスの橋のシーン。これはネタバレになるので、是非映画を見て欲しい!
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