ちはやふる 上の句のレビュー・感想・評価
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ジャンプ魂
これが日本映画の主流。
漫画原作、部活もの。これが現代の邦画の主流で、絶対に海外では映画化できない題材である。世界中で評価され愛されるかは別として、日本の映画界で成功を収めていることは間違いない。映画館に週末足を運ぶ世代のほとんどが経験したであろう学生時代の部活動。それにコミック原作。
私の言葉で言うと、「ジャンプ魂」。日本の文化の象徴ともなっている漫画の中でも、大人から子供まで幅広い世代に読まれている少年漫画と少女漫画。その真髄にあるのが、”一人一人悩みがあり過去がある、しかし仲間と共に手を取り合えば、大きな壁も越えられる。”という「ジャンプ魂」これが嫌いな人はいないでしょう。
この二つを取り入れた映画は、日本ではヒットの整理券をもらったようなものでしょうね。
この映画でいうと、部員の5人のキャラクター。やはり、一人一人悩みがあり、過去がある。それが終盤でチームを苦しめる。しかし、それまでの練習や小さな衝突などで強くなったチームの繋がりがあるから、お互いを信じあって、助け合って壁を乗り越える。その部分の描き方は本当に見事だった。
映画で大事なのはキャラクターとなんども言っていますが、それはキャラクターに感情移入することでその映画の世界に入り込めるから。この部活もの+ジャンプ魂作品には、視聴者ほぼ全員が無条件に感情移入できるという最強の手札を持っている。
それにしても、中盤からクライマックスにかけてはお見事。合宿でのモンタージュでリズムをあげ、クライマクスの大会決勝でのて緊張感を張りつめさせるぐーーっっという引っ張り。穗垣さんの凄まじい経験とスキル。
もう少し深く見てみる。原作を読んでいないので、原因を追求するのが難しいのだが、やはり脚本と監督、撮影には疑問が残るところもある。
まずオープニング。
オープニングというのは映画館の視聴者の目線が100%スクリーンに向いている瞬間。そこでのサブコンシャス的なこの映画の提示という映画の中でもとても大事な要素がなかった。作品のテーマを匂わすような言動やもの、主人公の願望と問題を視聴者に植え付けるタネやマクガフィン。それらがあることで視聴者は120分必然的に謎解きをするような形になり、受動的ではなく積極的に映画を見ることができる。
次にキャラクター。
キャラクターたちの問題や弱さみたいなものが薄かった。千早に関しては問題点なし。それに伴って、クライマックス前のターニングポイントの違和感。壁を乗り越えるきっかけが少しフィクションすぎる。これでは、アニメで見るのと変わらないという個人的な感想。
そして撮影。というか監督。
どうしても否めない撮影のパワーのなさ。日本の昔からの流れで、ワイドで全部見せようとする伝統芸能からの名残。黒澤明監督が変えたはずの流れが現代に伝わっていない。海外ドラマであるような人間の視線を逃さないためのユックリと動き続けるヌメッとしたカメラワーク。低予算というところはあるかもしれないが、海外のインディーズ映画にはそれをいろいろな工夫で解決した作品もいっぱいある。日本の監督として、もっとそこに魂を込める必要がある。
一夏の作品として終わるのか、歴史に名を残すのか。その違いがあるんじゃないでしょうか。いわゆる、ビジネスとしての映画か、芸術としての映画か。
じわっとくる映画
じわっと涙が流れるような映画。
実写映画化作品だが、「描きたいテーマ」を決めた上で話を構成しているようで、安心して観られる。
かるた少女の千早が、かつて一緒にかるたをしていた太一に再開し、競技かるた部結成に奔走する。
仲間を集めて東京予選に出るまでの話を描いた内容。
テーマを絞っている分、原作の中でもカットしたり、改変されたりという部分があるので、原作至上主義な人はダメかもしれない。
あくまで(被ってる部分もある)別物として観るとクオリティが高い。
終盤の机君のエピソードは描き切れていなくて結末に共感できなかったり、太一の恋心エピソードは逆に行間を詰めすぎて微妙になったりと、一部バランスが悪いかも。
ただし全体の印象を悪くするほどではない。
一瞬に輝きが宿っている
瑞沢高校に入学した千早と太一は、西田、奏、勉と共に、かるた部を結成。それぞれに成長しつつも大会では主に、運に見放され運命戦で勝てない太一、試合で勝てず自信を無くした勉、が自身の課題と向き合い、克服し、主人公等が優勝する。
その後、新がかるたのやる気を無くしたことが告げられるところで終わる。
原作漫画未読、アニメ未見
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アニメーションが好きです。ひらがなのエレメントをモチーフにした様な曲線の造形がちょこちょこと素早く動くのがいい。この作品では精神の繊細な動きに目を向けており、このアニメ表現はインナーから湧き上がる情動を感じさせ、作品に合っていると感じました。
あるいは、未熟でちっぽけながら勢いにあふれた高校生の感じに合うようにも思います。
スローが印象的でした。中でも、試合で動かない勉に千早が札を飛ばすところ、最後優勝した時に千早が太一に飛びつくところなど、長回しのスローモーションで、注目すべき一時に至るまでの動きを強調しているのが印象的。過程を見せるスローモーションです。BGMも結構このスローモーションに合っていると思います。
かるたは静寂の中で一瞬の動きが炸裂するという強いコントラストが特徴的で、一瞬を強調できるスローが似合っていると思いました。
キャラの特徴や関係性を、結構ディテールで見せているのは好きです。例えば、大会でチームワークが未熟なことを、お辞儀のタイミングが少しずれるなどの細かいポイントで視覚化しているなど。
新が、かるたを練習しているシーンで、畳がボロボロになっていて欲しかったです。その方が激しい練習を繰り返したことが分るのでは? …私の好みですが。
試合中下を向いた人物の表情を、畳の下から見せるのが、ちょっと面白い。
終盤のシーンで。はじかれて画面の手前に滑ってきた札が、畳の端からカタンと落ちて、文字の面を見せる演出も気に入りました。
終盤の大会の場面、勉に、意外なくらい見せ場があって、良かったです。彼の顔や声のリアリティはいい。彼の泣き顔が結構好きです。それに、課題を克服したからといって、奇跡みたいに試合に勝利したりはしないあたりも現実的で良い按配だとおもいます。
他にも、ヒョロくん、肉まんくんなど、脇役に好きになってしまう人物が多かったです。おもしろい発声、仕草など、純粋に魅力的です。無論、千早もパーフェクト。
キャラの性格はみんなめちゃくちゃに感情的で、ポップな印象です。性格を誇張気味に作っていることが明快で、臭いセリフでもある程度安心して笑えました。
かるたで腕を振る一瞬のアクションを「FLASH」と表現した、Perfumeのエンディング曲は秀逸だと思います。(感情とか、他の意味も掛かっているでしょうが)リズムも凄く良く、Perfumeと中田ヤスタカさんが好きになりました。
風の映画
・風が運ぶ運命であったり、勝負の気運、あるいは運命みたいなものを表してる
・長編マンが原作の実写化でありがちなあらすじをなぞるだけの駆け足なダイジェストにならず、伏線の張り方や台詞、視線の演出などが非常に上手くてまるでオリジナル脚本に感じた
・机くんの劣等感を感じるシーンに同じく涙
・スローモーションでカルタをとる一瞬の躍動感を表したり、床の下から映すショットもかるたに向かう集中力が画面に表れてた
・原田「(青春全て)懸けてからいいなさい」はやっぱり名言
・ヒョロくんがまじヒョロくん
・新の「かるたはもうやらん」で下の句へ続く引きのよさ
・Perfumeで言ったら千早(あ~ちゃん)、太一(かしゆか)、新(のっち)…かなぁ
これぞ青春映画
原作全て読んでいます。時間が限られた中で、原作の世界観を表現するために脚本を再構成し、見事な完成度です。この映画で初主演となる広瀬すずさんの目のアップに驚き、かるたシーンでの超スロー再生も良かった。その中でも、この上の句で出てくる原田先生(國村隼)のセリフ「(青春全て)かけてから言いなさい。」が、上の句、下の句、結びへと続く全編でのテーマになっています。映画史に残る名セリフだと思います。観た後とてもすがすがしい、気持ちの良い作品です。
おうち-71
『結び』のレビュー読んで、劇場で見たくなって、一気見しようとしてます。
青春ものはちょっと苦手です。
自分が青春も恋愛も本気でしなかった自負があるので、もっと色々やっとけばよかったと後悔してるから。
だから見るのがちょっとむずがゆくて、いつも躊躇う。
でも観てよかった。
広瀬すず本当にかわいい。
千早の髪型真似したいなー。
可愛いけど白目向いたり、かるた取りに行くときの表情がすごくいい。
影の主役は、机くん。
机くんの気持ち、よくわかるなぁ。
わたしも相手が強くて試合放棄したことあるから😅
自分が迷惑かけてるっていうのと、一番弱いってわかってるから、あぁなっちゃうの痛いほどわかる。
真剣佑はたぶん『下の句』の主役かな?
あんまり今回は出番ないけど、眼鏡かけても美しすぎて、いいオーラ出してます。
このまま『下の句』、『結び』一気見したら、なんて贅沢な青春。
スポ根かるた
強くなる 青春ぜんぶかけて
原作未読。評判が結構良かったので期待して見た。ストーリーはよくある青春モノなのだが、かなりよくできていた。友情、恋愛、努力、勝利… 全ての必要な要素が組み込まれていたので、既視感はあるものの、ぐいぐい引き込まれた。
この映画は、競技かるたというスポーツに打ち込む高校生たちを描いている。競技かるたの存在はこの映画を見るまでは、全くと言っていいほど知らなかった笑 だが、この映画を見て、記憶力、瞬発力、集中力、体力、全てを使う素晴らしいスポーツなんだと知った。結構やってみたいなという気持ちになる。そして、男女が平等に戦えるという点もとても良いと思う。スポ根映画としてもかなりの良作だった。
主演の広瀬すずの17歳らしい勢いのある演技も良かった。後半からある人物にスポットライトが当たるのだが、その展開も割と良かった。ありきたりだけど、胸にグッとくる。後編に期待。
面白かった! 最後の運命戦の場面は特に引き込まれました。 ちはやと...
どうせ万人受けする映画だろうと
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