彼の見つめる先にのレビュー・感想・評価
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壁を取り払ったボーダレスな世界の可能性!
高校生のレオは目が見えないけれど、幼馴染みのジョバンナに先導されて毎日登校し、みんなと同じ教室に机を並べ、盲目の人のためのタイプライターに先生の授業を"メモ"し、体育の授業ではみんなと一緒にボールを蹴る。つまり、障害者は何ら区別されず、普通に学園生活を送っているのだ、ブラジルでは。そうすることで、早くから健常者と障害者が互いに寄り添い、助け合う術を見出していくのだろう、ブラジルの若者たちは。だから、レオが転校生のガブリエルに恋してしまうのも、至極自然に受け容れられてしまう。いや、ブラジルだからではなく、すべての国とコミュニティではそうあるべきではないかと、改めて思ってしまう。人と人との壁を取り払ったボーダレスな世界の可能性を実感させる、ブラジル発世界行きの青春ラブロマンスである。
固定観念が覆された、軽やかな作品
主人公が盲目の青年という時点で、感動を誘うドラマだと勝手に思っていましたが、
必要以上に障害にフォーカスぜず、お年頃の青年が親への反抗や自立心、恋愛などに悩む姿がフラットに繊細に描かれていて、心地よかった。
無意識に分類やラベリングをしている自分を反省しつつ、こんなふうに軽やかに生きていけたら素敵だなと思った。
正直に答えるが『僕には理解できない』つまり、ジジイだからだと思う。...
正直に答えるが『僕には理解できない』つまり、ジジイだからだと思う。申し訳ない。勿論、個人の自由だと思うので、差別するつもりはない。しかし、理解していないのだから、傷つけた事が、かつてあったかもしれない。今後は、気を使いすぎるのではなく、自然に対応して学習をいていくつもりだ。まぁ、女性、男性関係なく、性的に魅了される事がなくなった。つまり、年をとって老人になったという事だと思う。寂しいが、それもまた、良いと今思っている。具体的に言うなら、男女の恋愛関係が煩わしくなったという事だ。勿論、実体験だけでなく、映画見てても、ベットシーンとか煩わしい。
妄想が持てる老人!なんて素晴らしい!!
不器用さはまさに青春
とても良かった。
何故盲目の彼を主人公にしたのだろう?と考えながら
観てましたが、
周りが見えなくなって手探りな恋愛と言うのは、
ぼくらも青春時代そうだったなと思いました。
盲目だから、親友の彼女から彼の情報を伝え聞いて、
嫉妬したり好きになって行くという
手法も上手いなと思いました。
盲目の彼がもう日常にずっと存在してるからか、
結構ぞんぞいに扱うなとハラハラしました。
暗闇の中置いて行ったり…
まぁでもその時の感情で自分の立場を見失うと言うのも
青春の不器用さかなと思いました。
主人公の彼も本当に盲目に見えて上手かった。
自分的には親友の彼女に肩入れしちゃって、
自分が仲間外れにされちゃってる悲しみが
痛いくらい分かって、救ってやってほしいなと思ったけど
新しい出会いもあったみたいだし良かった。
しかしブラジルの授業中に新しい生徒が入って来るのは
なんでなんだろう?
恋してドンドン世界が広がって行くって素敵です。
美しい、ピュアな青春物語
障害を持って生まれながらも
友情や同性への恋心が繊細に描かれている。
大人になるとすっかり忘れてしまう
純粋さ感じる青春ストーリー。
ハンディギャップにみえることが
逆にとても有難い才能にみえてしまう。
どんな人も平等になれる
素敵な映画。
なんて爽やかなの!
盲目の少年レオの初恋物語。相手の見た目に惹かれるのではないからこそ、ガブリエルの優しさや交わす言葉の一つ一つ、触れ合う腕の感触などが温かくて愛おしく感じて、見ているこっちがニヤニヤしてしまう。
幼馴染のジョヴァンナも心優しくて、今時の女の子ってタイプではないが思春期らしい心の動きがミエミエでかわいい。いじらしい。
ただこの3人、周りから冷やかされたり、お互いの誤解でケンカしたり、ティーンにありがちなしょうもないことがきっかけですれ違い続けてしまう。それがもどかしい……
いじめっ子が登場する胸糞悪いシーンも多く、主人公の母親も過保護で(決して悪いひとではない)、恋敵まで登場し、もう頼むからこの3人幸せになってくれ!障害や周りの妨害に負けるな!と中盤からは祈るような気持ちで観ていた。
最終的にはお互いの気持ちが通じ合い、堂々とカップルになったので良かった〜!!拍手!
ジョヴァンナにもお相手候補が現れて、お約束の展開ではあるけどひとまず安心。
障害があって同性相手となると、現実の初恋はもちろんこううまくはいかないかもしれないけど、そんなことどうでもいいじゃないの!素敵なお話でした。
本当の意味での普通
マイノリティ
でも普通に…
ジョヴァンナは少し重い
母親は少しキツめ
父親は理解者
ガブリエルだけが
普通に付き合ってくれる
レオの望んでいるのは
束縛じゃなく
自分を信じてくれてる事
普通に付き合ってくれる事
最後はあれだな
級友達からも
受け入れられたんじゃない?
やられました!
【”僕が、私が”君の目になるよ!。そして、世間の目など気にせずに、しっかり手を繋いで一歩前に歩き出そう!】
■主な登場人物
1.レオナルド 生まれつき全盲の少年。好奇心旺盛だが、”大切な事”には中々、気が付かない。
2.ジョバンナ レオ君の幼馴染。昔から、彼の目となって一緒に過ごして来た。
3.ガブリエル 巻き毛の心優しき転校生。
4.”魔女の”カリーナ 可愛い女の子だが、ボーイフレンド歴がなかなかのため、ジョバンナさん有難くない綽名を頂戴している。
5.レオナルドの優しき両親と、おばあちゃん
いつでも、レオを見守っている。
(但し、レオへの接し方は夫々である。)
6.ファビオたちヤンチャな少年
(青春映画には欠かせないキャラですね。)
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■劇中印象的な場面は数々あれど
・レオとジョバンナとレオナルドの関係性を、月食に例える2シーン。
月と、太陽と、地球が一列に並ぶと、真ん中の星は一つしか星が見えない・・。
-成程、上手いなあ。ー
・レオが交換留学を希望する場面
ー自立したいよなあ、レオ。ー
・林間学校やカリーナ家のパーティシーンも良い。
<鑑賞後、爽やかな気持ちになれる、ブラジル発の青春映画。
”ベル&セバスチャン”の”Too Much Love"が爽やかに、劇中数度流れる。そして、エンドロールでも。
作品の風合に合っていて、とても良い。>
自立心と行動力
レオとジョヴァンナの距離感が無意識な程、危うい雰囲気の割に関係性はあくまで友達であり、二人の間で盛り上がる物語も無く。
ガブリエルとの関係性もあっさりとオープンに、全体的に清々しく観れる本作、それで良いのだけれど仄々と進む物語とハッピーエンドな終わり方にスルーされている事柄があるようで、消化不良!?
深刻で悲観的に描かない物語に好感は持てるが、盲目のレオの将来やガブリエルとの関係性など、これからが心配になってしまう。
視聴後の気分はすごく晴れやか
いや!これは!思っていた方向と違っていい意味で裏切られました。
主人公の恋愛が男性同士ということで、ゲイセクシャルを扱う映画あるあるの重めのテーマ性を覚悟してみたんですが、全然違いますね!
この映画において、ゲイという点はあまり重きが置かれていないというか、ゲイであることの葛藤とか、偏見とかはほぼ描かれていません。
レオが盲目(全盲でいいんですよね?)なことも、重要な設定ですが、そのネガティブな面はあまり強調されていません。
むしろ、精神的にも身体的にも未成熟な高校生たちの等身大のラブストーリーといったかんじで、そのサブ的な要素に“ゲイ”“全盲”が使われているくらいの印象。
あと、高校生という設定ながら、時折見せるレオとガブリエルの色気にはびっくり。そういった意味でも大人になりかけている年代ならではの子どもと大人の2面性にグッと引き込まれました。
裏切りなくハッピーエンドで、物足りなさを感じる方もいるかもしれませんが、自分的には大満足。
休日に幸せな気分になりたいときに見たい。ブルーレイ買おうかな!
第64回ベルリン国際映画祭パノラマ部門 国際批評家連盟賞&テディ賞...
第64回ベルリン国際映画祭パノラマ部門 国際批評家連盟賞&テディ賞。
2015年アカデミー賞外国語映画賞出品決定ブラジル作品。
思春期の同性愛を優しく暖かくナイーブに描く。
オーディションで抜擢された二人の演技にはまりまくり。
鑑賞日:2014.12.26
好きだっていう事、それだけでキラキラしている。 一緒に体験して共感...
好きだっていう事、それだけでキラキラしている。
一緒に体験して共感して感じ合う、とても羨ましいステキな関係。
とにかく全体の雰囲気が良い。
同級生たちのからかい具合もかわいいものだし、親友の優しさも偏りがない、偏見というべき雰囲気はさほど感じない優しい空気の中だからこそ、自分の気持ちに素直になれる。
ある意味でとても健全な作品だった。
できれば感性の若いうちに見たい
ブラジル発の青春映画で全編キラキラして若さと瑞々しさが大爆発してたわ〜
そして障害だったり同性への思いだったりがとてもフラットに描かれていて、本来そうあるべきなんだよな、と気づかされる。
最後どうなるのかな〜と心配したけど最高のハッピーエンド。
とっても爽やかな良作!
「普通」の青春映画であることが、皮肉であり褒め言葉でもある。
主人公は生まれながらの全盲である。そして彼らが描くロマンスは同性同士によるものだ。言い方は乱暴になるが「障がい者映画」になってもおかしくないし「同性愛映画」と呼ばれてもおかしくはない。しかし、実際に作品を見て素直に感じる印象は、実に正統派の「青春映画」。まさしく、カミング・オブ・エイジ・ストーリーと呼ぶべき、だれの心にでも思い出として残っているような瑞々しい青春と淡い初恋が描かれている。障害があろうが性別がどちらであろうが、青春の爽やかさと眩しさは変わらないし、初恋も同じように狂おしくて甘酸っぱい。「典型的」と言ってもいいほどに正統派のカミング・オブ・エイジの物語の中に、視覚障害と同性愛がナチュラルに溶け込んで、まるで自分も体験したことのある出来事のようにさえ感じられてくるほど。それはきっと、片思いの相手にドキドキする気持ちや、将来に対する不安や、親との意見の食い違いや、学校生活の憂鬱や、友達関係のギクシャクなど、ストーリーを通じて描かれる主人公のこころと、青春の痛みと輝きが、とても鮮やかで普遍的だったからだと思う。だから、見終わった感想は、いい意味で良く出来た青春映画を見た後のそれであり、「障害者映画」や「同性愛映画」を見た時とは違うとっても爽やかな観後感だった。全盲と同性愛というへヴィーになりがちな題材を使って、こんなに軽快で爽やかな青春映画が見られたというのは、とても素晴らしいことだなぁと思った。
ただそれはこの映画の最大の長所であると同時に、一番つの欠点でもあったように思う。「普遍的」という言葉を使えば聞こえ方はいいのだが、穿った表現をすれば「ありふれた」と言い換えられる。全盲や同性愛を特別視せず、ごく普通の青春物語として描くということに主題があるとすればこれはある種の成功例であるけれど、全盲と同性愛を本当の意味で特別視せずにこの映画を見た時に、実は全盲と同性愛以上のオリジナリティが見つけられないということに気づかされてしまう。この映画の場合、良い意味でもそして悪い意味でも、「普通の青春映画」と表現するのが相応しいように思う。「普通」であることがとても素晴らしいことであると同時に、「普通」であるがために何か物足りない、というのが正直な感想だった。
でもこの映画の優しさ、温かさ、爽やかさ、瑞々しさは、本当に心地よくこころを包んでくれて、ずっとしまい込んでいた自分の青春時代の思い出を、この映画を見ながら鮮やかに蘇らせてくれたような気がした。登場人物すべてに心がきちんとあって、優しさも嘘も本音も愛も全部をちゃんと持った主人公たち3人の姿が愛おしくてたまらなかった。女友達ジョヴァンナの主人公レオナルドを見つめる目と、ガブリエルとレオナルドの関係に嫉妬しながらも大きな友情で二人を支える感じとか、10代だからこそできる素直な在り方かもなぁと、なんだかとても共感してしまった。
ところで、交換留学の話はどうなったの? というのは、あえて訊かないことにしましょうか。
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