マシュー・ボーンの「白鳥の湖」3Dのレビュー・感想・評価
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躍動する男性美
「リトル・ダンサー」、
「愛と哀しみのボレロ」、
「王は踊る」、
そして
「マシュー・ボーンの白鳥の湖」。
小学校3年生の僕に
「踊ってみたいか?」と訊いてくれたのは母だった。
近所の大学の講堂に「谷桃子バレエ団」が公演に来て、僕を連れて行ってくれた母。
「チケットはありません、でもどうしてもこの子にバレエを観せたいの」と、あろうことかガードマンに頼み込んで、裏口から客席に入れてもらった母って どんだけー(笑)
歩いて帰りながらの、夜の舗道。
いま見てきた夢の世界への興奮に、それこそ夢見心地に踊る僕に、母はすぐにバレエを習わせてくれたのです。
50年少し前のことです。
「アッ!男だ!」と、初めて男子を見て叫ぶ女の子たちに迎えられて、僕もバレエ教室でリトル・ダンサーになったのでした。
やめたのは3年ほど経ってから。
僕はその発言を覚えていないのですが、「男の子はトウシューズを履かせてもらえないらしい」という失意で教室をやめたらしい。
続けていれば熊川哲也か首藤康之か。
「リトル・ダンサー」では、同じマシュー・ボーンの振付けでアダム・クーパーがラストシーンを衝撃的に飾っている。
書いていてふと思ったのだが、僕のバレエを父はどう思っていたのだろう、今度きいてみよう。
面白かった!
実際舞台の「白鳥の湖」を鑑賞しているので、この作品の素晴らしさは認識している。
しかし「白鳥の湖」のストーリーには悲劇的に終わるバージョンとハッピーエンドに終わるバージョンがある様で、この作品はこれら過去の「白鳥の湖」とは全く異質な存在だ。
今までの「白鳥の湖」とはストーリーが全く違う。
この作品を見て、これが「白鳥の湖」だと思ってしまっては困るのだが、チャイコフスキーの音楽を上手く利用して全く新しい芸術を作り上げたのは確かである。
そして恐らく後世まで残る作品であろう。
「白鳥の湖」は知っているからいいやではなく、この作品を見て、新たな発見をして欲しい。
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