「【今作は、何処にも行き場のない男女の邂逅と、関係性の変遷と最期を描いたアーティスティックな作品である。】」雨にゆれる女 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は、何処にも行き場のない男女の邂逅と、関係性の変遷と最期を描いたアーティスティックな作品である。】
■本名を隠し、飯田健次(青木崇高)としてひっそりと町の鋳造工場で生きる男。
人との関わりを避けて生きる彼の過去を知る者は誰もいなかった。
ある夜、仕事場の同僚下田(岡山天音)がひとりの女性、理美(大野いと)を”刑務所に入っている間頼む”と言い預けてくる。
健次はしぶしぶ彼女を受け入れるが、それ以降、彼と理美の関係性は変遷して行く。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ミュージシャン・半野喜弘の映画監督デビュー作だそうで、成程アーティスティックな作りである。
デザイナーなどで、映画を初めて作る人の作品と似た匂いがする。
・飯田健次が、本名を隠し世捨て人の様に生きる理由は後半に描かれる。そして、女が理美という名を語っていた理由も明かされる。
男が殺した男は、女の兄で自分の姉、”理美”と入水自殺をしながら、自分だけ生き残っただったのである。
<だが、女は男を抱きながら刃を背中に当てるも、殺せない。
そして、男は姉が死んだ海で、刃を自らの腹に突き立てて息絶えるのである。
今作は、何処にも行き場のない男女の邂逅と、関係性の変遷と最期を描いたアーティスティックな作品である。>
■半野喜弘監督作では、次作「パラダイス・ネクスト」を映画館で観たなあ・・。
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