「緊張と緩和、殺人とセックス」ヒメアノ~ル CINE LADAさんの映画レビュー(感想・評価)
緊張と緩和、殺人とセックス
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やっと観ることができた。
サブスクで展開されなかったのか、それともただタイミングが合わなかったのか分からないが、とにかく観る機会がなかった。森田剛がサイコキラーを上々に演じきってしまったがために、あの事務所が裏で手を回しているのではないか?と訝しむほどだった。
やはり事務所が手を回してたんだろう…、そう思うぐらいに森田剛が凄かった。と言うか、アイドルがあの役やっちゃダメだよ…。
コメディとサスペンス、ポップとダーク、日常と非日常が隣り合わせで描かれる。普通にいそうな、自分を底辺だと信じる岡田。リアル小悪魔な感じのユカ。自称底辺以下にいる安藤もまた日常。だから森田の存在が光る。
この構図は共にバックから攻められるセックスと殺人のシーンが最もわかりやすいのだろうが、あそこはちょっと狙いすぎかしら。それでも、いつもは悪目立ちしがちなムロツヨシも含めて、全体の緊張と緩和が素晴らしい。笑いの側にある暴力からは、何とも言えない緊張感が生み出される。
そして、森田の壮絶ないじめという過去以外に、ぐちょぐちょとした人格形成の話を混ぜてこないのが好印象。目の演技で説得力を生んだ森田剛に拍手したい。この世代のJ俳優は、大きな事務所の存在が足枷になっている感すらある。
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