「恐るべし…。森田剛。」ヒメアノ~ル 矢野竜子さんの映画レビュー(感想・評価)
恐るべし…。森田剛。
クリックして本文を読む
主人公の岡田(濱田岳)は、どこにでもいるフリーターの青年。清掃のパートをしながら、今の生活に焦りを感じながりも流されるように毎日を過ごしていた。
ある日、同僚の安藤(ムロツヨシ)から、片思いのカフェの店員のユカの恋のキューピットを頼まれる。岡田はそのカフェで、高校の同級生の森田(森田剛)に合った。岡田はユカから森田にストーカー被害にあっていることを告げられ安藤と二人でユカを守る事を約束する。
そんな岡田にユカは次第にひかれていき気持ちを伝える。天にも登る気持ちで、岡田はユカと付き合うようになる。しかしそれを嗅ぎ付けた森田の執拗な嫌がらせが始まった…。
前半は複雑な三角関係をコミカルに描いていたが、途中から森田の凶暴性が暴き出されて、関わる人を次々と残忍に殺していく…。時折、地獄のような過酷な虐めを受けていた高校生の記憶がフラッシュバックして彼を苦しめた…。
陰惨な虐待の記憶が、ぬぐいきれない傷みとして森田の体に染み付いていた。その呪縛から逃れるために次々と殺人を重ねていった。そんな男の孤独と哀しみが痛いほど、見るものに伝わってくるので、画面から目が離せなくなってくる…。
こんなに愛しい気持ちにさせる殺人鬼にあったのは初めて…。
恐るべし森田剛…。
コメントする