「キャストは素晴らしい!でもなんの映画なんだ?」ヒメアノ~ル れいさんの映画レビュー(感想・評価)
キャストは素晴らしい!でもなんの映画なんだ?
要約すれば、いじめによって人格が変わってしまい連続殺人を起こす人の話、なのはわかった。
ただ、その殺人鬼(森田くん)とはまた別に、
チェーンソーを購入し「俺の好きな女と付き合ったらお前をバラバラにする」と言う人物(安藤さん)がいたが、彼もどう考えても異常としか思えないのに、あまり登場人物に危機感がないというか、彼の危うさにはあまり焦点が当てられていなかったのが疑問だった。そもそもあの設定は、「主人公(岡田くん)が女の子と内緒で付き合う」というストーリーを生み出すためにつけられたものでしかないからなのか…それとも「安藤さんがヤバい奴と見せかけての森田くん、というミスリード」だったのか…いや、後者はないか。森田くんの異常さも最初から表現されていたし。…ただの笑い要素だったのか?
また、後半に向かうにつれ、森田くんを誰もが疑い警戒しだすが
それにも関わらず明らかに狙われてる女の子を警護なしに一人で家に帰すのはどう考えても不自然。細かいことにこだわるな、と思われるかもしれないが、もしこだわらないなら、ただの「グロテスクな表現をするためだけの内容のない映画」になってしまう。
岡田くんの後悔も森田くんは覚えていないようだったし、そもそもゆかさんはそれとは関係なくもともとストーカーされてたわけだし、とりあえず少なくともゆかさんってなんだったのかなぁ。そこまで深く考える話ではないのか。見方がよくわからない映画だった。
犬と岡田くんが好きなのはわかったけど。
ただ、役者の演技は素晴らしいものだった。
特に森田くんの危うさは、あの顔とあのテンションとあの声色でしか表現できない不気味なものである。
岡田くんとゆかちゃんの、あのイライラする恋愛も、すごくリアルだなーと驚いた。
タイトルの出し方と演出も巧妙で、視聴者は引き込まれるしかない。