「アイヒマンvsTVマン」アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
アイヒマンvsTVマン
人類史上最悪の蛮行、ホロコースト。
そのホロコーストの実態やナチスドイツの大罪を世界に広く知らしめたきっかけ。
1961年に開かれた、元ナチスの親衛隊将校でホロコーストの指揮を執ったアドルフ・アイヒマンの裁判。
この裁判は世界にTV中継され、尽力したTVマンたちがいた…。
実話に基づくストーリー。
題材的にも興味惹かれ、期待していたのだが…、
期待していたものとちょっと違った。
もっとスリリングな裁判劇かと思ったら、世紀のTV中継に奔走するTVマンたちのドラマがメイン。
マーティン・フリーマンらは熱演し、実録映像を挿入した裁判シーンは一部ドキュメンタリーのようでもあるが、メインのドラマ部分はいささか単調で盛り上がりに欠ける。それに、何だかTVドラマ的な作りも気になって…。
実録映像の中にはホロコーストの映像も。
おびただしいユダヤ人の死体、ゴミのように処理される。
余りの酷さに言葉を失うTVマンたち。
その時、アイヒマンは…。
微動だにせず、その映像を見ている。
何を思っているのか…? 自分のした事に誇りを感じているのか、表情には出さないが後悔しているのか…?
アイヒマンが遺した言葉。人一人の死は悲劇だが、万単位は統計上の数字に過ぎない。
どうしたらこんな事が出来る…?
本当に人なのか…?
いや、人だから出来るのか…?
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