ラ・ラ・ランドのレビュー・感想・評価
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意外!!~ まさかオスカーを獲るなんて…
ミュージカルは嫌いじゃありません。 むしろ大が幾つも付くくらい好きです。 何が意外だったのか、それは、きっと、 全てが新しく無かったからなの…だと思う。 劇場で観て、数年経った今もそう思う。 映画の中の音楽的な事。 楽器の演奏も、鼻歌も、 軽やかな足取りも、 恋のドキドキも 全てミュージカル。 音楽的にちょっとオーバーなだけで 世に存在するほとんどの映画に当てはまる。 新鮮には感じられなかったけれど いくつかの賞は意外だったけれど 愛も色彩も視線も詰め込まれた 素敵な映画であることは受け止めた。 ※
JAZZ好きだけど
歌って踊るシーンは冒頭でピークを迎える。脚本自体に特筆すべき事はなく、本編が進行するにつれ、その後のミュージカルシーンもなんとなく印象薄く感じる。 完全に好みの問題だろうし、時代背景も違うにしても、個人的には同じチャゼル作品でも『バビロン』の方が圧倒的に好みだ。
人生なんて
こんなものなのかもしれない。何もかも、全てを手に入れることなどできるものではない。しかしそうであったとしても、その瞬間、瞬間を情熱を持って生きる事で、もしかしたら道は開けるということを、この二人の主人公が教えてくれたのかもしれない。夢を追いかける男女の出会いから別れまでを、ジャズや青・赤・黄のライディングや衣装で肉付けし、楽しく切ない物語を盛り上げた。ラスト10分は嵌まる人には鳥肌ものかもしれない。 p.s. JKシモンズがちらっと出てたw
冒頭のあれ、どう撮ったの?
なんとなくNetflixをつけ、おすすめ欄にあって再び鑑賞することに。 「夢」とか「幸せ」とかね、・・考えるべき時に見ると前に進む方に背中を押してもらえる映画だと思います。夢が大切、夢こそ至上命題といった感じ。 ただ、個人的には犠牲にする部分が大き過ぎると感じたなら、諦めるというか見送っていいと思うんですよね。その先の結果に満足できていればいいと思うんです。夢が叶っても幸せで無いなら意味なくない?って思っちゃう派。一方で「夢がある」=「ワクワクできる、色々妄想できる」状況は大切だと思うのです。これはもう全方向的に良くなっていくか悪くなっていくかを左右する大きな風向きだと思うのです。 そういった意味で、個人的な話ですが今の職場に「夢が無いなー。」と感じた私はするのです、転職を。妻と同じ職場という状況にも、週4のリモートワークにも、それなりの報酬にもある程度満足していたけど、この先の未来がつまらなそうだったし、まぁ・・仕方ないかな。 (※以下、ネタバレあり。) 「ラ・ラ・ランド」では男も女も、出会った当初持ち寄った夢を叶えた事で美化されているけれど、実際には若い時に夢を語り合った男女の数だけラストシーンがあるのですね。バッドエンドも含め。遭遇したのは状況的に偶然だったとはいえ、店名にセブスと付けちゃう男、セブスっていうネオン輝くロゴマーク見て「あっ」って思いながらも中入って一曲聴いちゃう女。ちょっと未練がましいような気もしちゃうなw 最後、セバスチャンの悲しげな演奏の指が途中で消え入るように止まったのと、他の観客が拍手する中拍手をしていないミア。解釈は色々とありそうですね。 だんだん暖かい日もあったりして、いよいよ桜咲く季節が近づいてまいりました。出会いと別れの共存する季節で、幸福感と悲壮感が同居するような、気分の高揚感や謎のやる気と相まって狂気じみた感覚もあったりする4月がもうすぐです。 基本的にどこにいても大体何とかなるもんだとは思っています。ただ「夢があるか」という観点は、この「ラ・ラ・ランド」ほど厳格に定義しないまでも、人生100年時代に今後も大事にしていきたいスタンスです。 それにしても「ラ・ラ・ランド」の曲は、春の夜にはいい曲ばっかりだなあ。
タイトルなし
ミアの頭はお花畑 最後は理想なのか、空想のBパターンなのか 成功しても空想してしまうものなのか ミアの空想では一緒にパリに行っていたが、あれではセバスチャンは幸せではない セバスチャンは夢を叶え、堪えるシーンはカッコイイ お店の外壁にミアの広告を描いたり影ながら応援していたのかな
夢を追うということ。
バビロンの上映を記念した再上映で見に行きました。当時は映画館で見れなかったので、再上映してもらえて本当に嬉しかったです。 ミアとセブがお互いに夢を諦めてしまいそうなときに、支え合うシーンがすごく素敵。 ただただ信頼して応援してくれる人がいるのはこんなにも心強いんだなと感じる。 挫けそうな時は何度もこの作品を見ています。
映像演出って大切
自宅で動画配信サービスを利用して視聴しました。 以前にも1度動画配信サービスで鑑賞しましたが、デイミアン・チャゼル監督の最新作が上映されるということで久しぶりに見ました。以前鑑賞した時は、前評判でハードルを上げてしまい、自分としては「言うほどか?」というのが第一印象でした。また、自分としては監督の「セッション」で人間の狂気に中てられた人間だったので、物足りなさを感じたことを覚えています。 今回改めて鑑賞して「映像演出って大切」という感想を持ちました。 ストーリー自体は悪くないですし(というか普通に面白いとは感じる)違和感も感じませんでしたが、目新しさは感じず・・・。 一番最初のシーンのスケールの大きさや、ライトを消したりスポットライトを当てる、ミュージカル、一昔前のような画面が暗転する感じ、等のさまざまな演出が映画を平坦にさせなかったんだろうなと思い、演出って大事だなと感じました。 また、監督は音楽や映画が好きなんだな、とも強く感じさせられました。グリフィス天文台に2人で行ったシーンの構図等は「理由なき反抗」のリスペクトなんだろうな、と理由なき反抗を見ていない自分でも感じさせられました。(もし違ってたら恥ずかしいですね笑) 自分としては、監督が演出に挑戦した作品だな、という印象でした。
目をそらすという事
な・な・んと、面白かった!!! アカデミー賞の映画は全然好きになれないし、しかもミュージカル苦手だし、全く期待してなかったんだけど、久々のアカデミー賞納得の映画でした。 いの一番に褒めたいのは、エマ・ストーン。 本当に、可愛すぎる。不貞腐れてる時の顔は完全にクルエラ。とにかく表情が豊かで、楽しそうな時も悲しそうな時もめちゃくちゃ感情移入してしまう。強さを感じさせる演技をするし、やっぱり彼女はすごい女優です。ゾンビランドとかクルエラとか、映画の出演作品はどれも大ヒットだけど、出演数が少ない。もっと出てくれ!頼む! ああ、この監督すげぇやと思ったポイントはいくつかあって。第一に、ミュージカルを違和感なく物語に取り入れる脚本センス。急に歌い出したり、急に踊り出したりするのが現実離れし過ぎだろ!と思ってしまう私にとっては、この映画は衝撃的だった。やはり、主演2人の演技力と歌唱力もあってなんだろうけど、さりげなく歌や踊りに入る演出、特にオーディションのシーンなんかは最高にテンションが上がってしまった。こんなミュージカルなら大好きだ!間違いなく、私が今まで見てきたこの手の映画で最高峰でした。 無論、音楽センスも抜群だし、構成もお見事。なんたって、この監督は照明の使い方が上手すぎる。その名の通り、楽しい音が聴覚だけでなく、視覚からも感じられる。私もジャズが好きになったわ!音が踊り、騒いでいる。アカデミー賞、こりゃ取るわ。 好き嫌い別れそうな映画ではあるけど、歌って踊っての王道ミュージカルではなく、ストーリーも骨太でシンデレラストーリーではないリアリティのある物語。前半はそんなに捻りは無いし、これがアカデミー賞?と思っていたが、後半からの勢いがすごく、中盤で涙がこぼれてしまいました。好きだわ.....この映画。 こりゃね、バビロンにより期待が高まる!! 今年1番の期待映画。さぁ、監督、頼みますよ!
名作とは思えないが、大好きな作品。ミュージカルというよりラブストーリー。
特に好きな場面が2つある。ラストに2人が見つめ合い軽くうなずいて別れる場面。 もうひとつは本編映像ではなくエンドロール途中のエマ・ストーンのハミング(CITY Of STARS)
この2箇所を見て、聞くためだけに何度も鑑賞した。今回1週間限定上映でもこの2箇所とエマ・ストーンが目当てだ。
( 「バビロン」2003/2/10(金)公開記念で「ララランド」1週間 (2/3(金)~2/10(木)) 限定上映 )
どうも私はこういう、かつて愛し合い別れた2人が再び出会い、2人で人生を歩むことはもうないけど、何かイロイロ想いを馳せて感慨深いみたいのに弱い。
「ローマの休日」と「ちょっと思い出しただけ」のレビューでも確か同じことを書いたハズだ。
映画はいきなりクライマックス級の高速道路でのダンスシーン。スゲーと思って引き付けられ、「冒頭がこんなに凄いならクライマックスでは何を見せてくれるんだ」 と期待したらダンスはココが最高潮。 残念なことに、これ以降ココより盛り上がるダンスシーンはなく盛り下がる↘ちと期待ハズレ。
今回もエマ・ストーン目当ての鑑賞で、ミュージカルとか苦手だし好きではないから、ダンスシーンで盛り上がらなくても全然OKだ。
だけど、2人で踊るロマンチックなダンスシーンは気に入っている。
高台の駐車場でのダンス、天文台での宙に浮いて星空の中でのダンス、妄想(想像)の中でパリのセーヌ川の光る流れの中でのダンス。全部お気に入り。
2人で 「CITY Of STARS」を歌う場面もいいと思った。前に見たときは特に印象に残らなかったけど、今回とてもいい場面だと感じた。
第89回アカデミー賞では作品賞を取らなかったが、まあ当然だと思う。だけど私は作品賞にノミネートされた中では「ララララ・ランド」が1番好きだ。
よく分からん「マンチェスターバイザシー」に作品賞取ってもらいたかったが、もっとワケ分からん 「ムーンライト」 が取った。なんてこったい、アカデミー会員ナニ考えてんだかサッパリ分からん (^^)
自分が、キライ・よく分からん・低評価の作品がアカデミー賞取ると、アカデミー賞や会員にケチを付けて悪く言うのが映画ファンのルール・オキテらしい (^^)。 他の人のレビューを読んでそう思った。
推している作品がアカデミー賞を取らないとダメで、逆にキライな作品に対してはノミネートも「有り得~ん」ということだ。監督・脚本・主演・助演等の各賞でも同じルールが適用される。
脚本賞は私が作品賞取ってもらいたかった「マンチェスターバイザシー」の脚本家が取ったので嬉しかった。 もし「ラララ・ランド」が脚本賞だったら「アカデミー賞有りえーん」と叫ぶところだ (^^)。
「ラ・ランド」はエマ・ストーンが主演女優賞取ったので私は大満足 ♪ヽ(´▽`)/。さすがアカデミー会員様々だと思った。
2023/2/7 (火) A
芸術&文学音痴の私にはやはり刺さらず
名作という評判ですし、上映する機会も非常に少ないので観ることにしましたが、やはりミュージカルというジャンルが私には合わなかったようです。 オープニングや丘のシーンは良かったと思いますが後半はちょっと退屈でした。 芸術的な映画だというのは何となく感じますが、絶賛されるほどの内容でもないかと。 1度観れば十分かな、という感じですね。
大名作の再上映 2023 2/3~2/9
2/3~2/9までの、1週間限定の再上映に行って再び観ました。 まだ観てない方は、この機会に是非!! 普段ラブストーリーを観ない方にも、観てほしい作品です。 映画館には、女性だけじゃなく、男同士で来て泣いている男性の姿も。 こんな素晴らしい映画を知らずに生きてるなんて、もったいない。 夢のある人 夢を追っている人 夢を叶えた人 夢を妥協して叶えた人 夢をあきらめた人 夢を押し殺して生きている人 この終わり方が、いいんですよ… この終わり方が… これぞ、人生。
切な~い
…若いときは
夢を追い希望をもって
それだけで生きていける
でも…
オーディションに落ち続けると
夢破れて立ち直れない
そんな時
彼が居てくれた
そして現在がある…。
ミュージカル
そしてファンタジーも入って
壮大に作られている
最初…
皆で踊って歌いだした
ところはビックリしましたが
もう!あそこから舞台だったのかと
頭のなかで?・・
ダンスウィズミーが浮かんだ
…彼の弾くピアノが好き
ジャズの音楽が
…心地よかった
ラストは切ない終わり方だったけど
笑顔があった
常にバックで音楽が流れて
…特にピアノの音は
雰囲気があります
ミアが最後の
オーディションで歌った歌に感動。
ラブstoryに
ミュージカルとジャズを
取り入れたフランス映画の様な味わい
[追記]2023年2月6日
配信で字幕と吹替えをみて
きょうは再上映していたので鑑賞。
何度も観れる作品です
後半の彼と彼女の会話の所から
ラストにかけてが強く印象に残ります
ちょっと難を言うと
ファンタジーが強すぎて
オシャレ過ぎることかな~(笑)
まさにテンションハイに!
音痴でもリズミカルな気持ちへと。車に乗っていてもOh!とオシャレやエレガントで。私の人生でこんなにも華麗なシーンは訪れるのだろうかと。上手くいくことも、ダメな時も。観るものが抱く憧れや嫉妬が更にスパイスとして…。
エマ・ストーンさんの魅力が全開!!
本作で オスカー Best actress を受賞したエマ・ストーンさん、細くて脚もすごく綺麗でドレス姿がすごく似合ってて素敵でした 時折見せるふとした表情も可愛かったり、色っぽかったり、と終始エマさんの魅力にヤラれました ミュージカル"っぽい"だけで、他のミュージカル作品と比べて唄うシーンがすごく自然に入っていくため、唐突感がなく好きです 舞台がLAとハリウッドということで、真っ青な空とカラフルな街並みがメインで描かれ映像がとても綺麗でした 私も5年ほど前にLAとハリウッドに行きました、 グリニッジ天文台やLAの街並み、そしてハリウッドスターの壁画など、懐かしい場所の数々が映りとても懐かしく、デイミアン・チャゼル監督のハリウッド愛をひしひしと感じました ストーリーも若者達が夢に向かって真剣に生きることに対する挫折・苦悩と成功を描き、見応え満点です 本作の製作当時、32歳だったデイミアン監督、最年少でオスカーの Best director を受賞するのも納得、その才能に圧倒される名作です
なんでこんなにみんなの評価が高いの?!
この監督の「セッション」という映画がめちゃくちゃ良いからみた方がいいと聞いて見てみたらちっとも面白くなくて。笑 そう言えば、ララランドもかなり話題だったな!色んな賞入賞してたし、次の作品は面白いかも?って期待を持ってみてしまったら全然面白くなくてとっても時間の無駄だった…。景色がキレイだったり、ミュージカルなのは悪くないと思いましたが、ストーリーに面白さが全然なかった、、、なんでこんなにみんなから評価されてるのかが逆に知りたい。どの辺が良かったのか。恐らくもうこの監督の作品は見ないと思う。私に共感してくれる人いる?笑
難しい事を考えなければ全然面白い
ハッピーエンドよりトゥルーエンドって感じ。お互いあの時ああすれば…みたいな最後の回想シーンは最後の微笑みあったシーンをよりシリアスにさせたと思う。 ミュージカルとしての出来はすごく満足できた。雰囲気がバッチリ合ってたし見てて凄く心が盛り上がった気がする。最初の車の所とか個人的にはすごく好き。 ただ2人の恋愛を描くのは少し下手だったかなって感じ、 全体を通して満足感はそんな得られないし言われてる評価ほどの名作では無かった。最後がシリアスでリアル、残酷に描かれてるだけで結局は普通のラブロマンス。
刺さらなかった
評判がいい映画だったので見ました ストーリーが薄い 人物の心理描写もあまりなく 躍動感があまりない映画だと思った ミュージカルパートは主演のふたりの 歌声が上手く感じられなかった ピアノ演奏も3か月間 頑張った素人の演奏だと思ってしまった 曲やダンスはおしゃれだと思う 情熱的な映画が好きなので つまらなかった
☆5にしたいけど
ミュージカルとダンスに大満足。 音楽とダンス好きには楽しめる映画。 サントラ買ったので今でも車で聞いてます、子供が代表曲2曲気に入ってます。1曲は最近CMで使われていて子供が喜んでいました。わたしテレビ見ない人なので子供から教えてもらいました。 内容としては、ずっといい感じで進むのだけど、正直ラストが好きじゃないんだよね(わたしの場合は自分を思い出すから)。 ラストの見せ方、描き方、としては、問題ないんだけど。 ラストの好みは分かれるかも。 ある意味現実的ではあるのですが、映画、特にミュージカルでは夢を見たいタイプなので、☆4.5にしました。 もう少し子供が大きくなったら一緒にDVDで見たいかな。 私も子供も音楽とダンス好きなので。 スケール感もあって良い映画だと思います。 ミュージカル好きなので、また見たいです。
さよなら、さよならハリウッド
もう全部、分かりきってるじゃないですか。 冒頭6分にもわたる息継ぎなしのロングショット、茶目っ気あるアイリスアウト、『カサブランカ』、『理由なき反抗』、しつこいくらいデカい"THE END"の文字、そして陳腐なサクセスストーリー。すべてはハリウッドというトポスに蓄積した栄華の遺骸だ。 かつて『雨に唄えば』はサイレントとトーキーの相剋をテクニカラーのギラギラした色彩の中で高らかに歌い上げた。そこへは無声から有声へ、さらに無色から有色へと飛躍的に進歩を遂げる映画芸術と、それらを次から次へと世に送り出す「夢の工場」ハリウッドへの絶大な信頼と期待があった。それは赤狩り事件やベトナム戦争を経ていくぶんか色褪せかけたこともあったけれど、90年代を迎える頃には元のように夢と希望の溢れるハリウッド映画が蘇り、全世界の劇場を笑いと興奮と感動でいっぱいにした。 しかしそんなものは所詮くだらないまやかしにすぎない、と正面切ってハリウッドに唾を吐きつけたのがアメリカ映画の異端児ロバート・アルトマンだ。彼の『ザ・プレイヤー』にはハリウッドという空間そのものへの辛辣な呪詛が込められていた。オーソン・ウェルズ『黒い罠』やヒッチコック『ロープ』を明らかな参照項とした冒頭の長回しシーンは、そうした無害で再利用可能な撮影技法や物語に終始することで目先のカネや名声を得ようとするハリウッドの浅ましさに対する自己言及的な非難だ。ハリウッドなどというものはもうとっくに死んでいて、今じゃ資本主義に汚染された巨大なガラクタをコピー&ペーストで増産する虚無空間に成り果てているのだとアルトマンは苦笑する。 さて、ようやく『ラ・ラ・ランド』。本作もまた『ザ・プレイヤー』同様、6分にもわたる冗長な長回しで幕を開ける。この時点で本作は自分自身がハリウッド映画であると、すなわち既に息絶えた文芸であるという自覚を備えている。そもそもミュージカルという語りの手法からして懐古趣味もいいところだし、セブのジャズ趣味や数々の名作古典映画のくだりも、本作が既に亡きハリウッドへの郷愁と憧憬に彩られていることを示している。思えばマジックアワーの空と海を背景にセブとミアがタップダンスを舞う一連のシーンもやけに背景とのCG合成が杜撰だったが、あれもひょっとするとCG黎明期(それこそヒッチコックの時代)の映画に捧げたささやかなオマージュだったのかもしれない。 こうして懐古モードに浸りながら、物語もまた古き良きハリウッド映画の顰に倣って陳腐なサクセスストーリーへと突き進んでいく。セブもミアも、長きにわたる苦節を経て(しかし具体的な経緯は描かれない)、最終的には自分たちの夢を叶える。セブはジャズバーの経営者に、ミアはハリウッドスターに。 しかしロバート・アルトマンが20年も前に指摘したように、また今では誰もが気づいているように、そういうハリウッドのモードは完全に死んでしまった。フランク・キャプラのバカみたいな喜劇映画みたいに、キス一つで誰もがハッピーエンドを迎えるなんてことはもうできない。何かを手に入れるなら、その代わりに何かを手放す必要がある。こんなのは誰でもわかる簡単な法則だ。あるいは狂騒のハリウッドだけが忘れていた法則。 だから本作は愛を捨てた。陳腐なサクセスストーリーの代償としてセブとミアの愛を差し出させたのだ。 ジャズバーで偶然再会したセブとミアが空想するifの世界線は、そのままハリウッドへの追悼と見做すことができる。美しかったハリウッド。かつてハンフリー・ボガートが紫煙をくゆらせ、ジェームズ・ディーンが感傷的な涙を浮かべたあのハリウッド。それらはハリボテめいた幻燈の中に浮かび上がり、やがて消えていく。 全てが消え去ったあとで画面上に現れる"THE END"の文字はことさら悲痛さを帯びている。こんなふうにしてどれだけ忠実にあの日のハリウッドをなぞったところで、本当に大切なものは、もう既に失われてしまっているのだ。どうしようもない。 本作をもってハリウッド映画は完全に死んだと言っていいかもしれない(いったい何度死ぬんだか…)。しかし今なおハリウッドは「夢の工場」を自称してビッグバジェットのド派手な映画を次から次へと量産し続けている。これがホンモノの映画だ!と言わんばかりの勢いと声量で。 だけど、もう、全部、分かりきってるじゃないですか。
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