ラ・ラ・ランドのレビュー・感想・評価
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期待しすぎた
金曜ロードショーで観た。
リアタイ映画館で見たというセンスのいい友達が絶賛していたので期待していたが、しすぎていた感が否めない。
物語導入の一番有名な音楽・振り付けのシーンはたしかに見応えがあって惹きこまれたが。
とにかく男のキャラが受け付けなかった。
自分は理想に固執してるだけ、契約の約束は破る(しかも常習犯!反省してるようにも見えない)、なんの努力もしていないガキに見えてしまってダメだった。
だから、女主人公の道が切り開けていくきっかけのオーディションに男が連れて行こうとするシーンがどうにも滑稽に見えたというか、「お前が言うな」としか思えなかった。
ミュージカル映画としてなら、歌ってるシーンは十分あったし映像も綺麗だったけど、ストーリーが軽い。
作品賞を取れなかったのが何となく分かる
ラ・ラ・ランドはデミアンチャゼル監督の前作セッションから一貫している、というかこの映画を見てこの監督のテーマ性がわかってきた。セッションを見たとき主人公の成長(変化)を肯定的にも否定的にも描いていない、と思ったがそうではなかった。
この映画のテーマは「何者かになるには何かを捨てねばならない」ということである。
この映画のテーマは二つの場面で語られている。セブがミアを誘ってジャズを見ながらジャズについて語るシーンとミアがオーディションで叔母について語る独白シーン。この二つがこの映画の肝である。
しかしこの映画、何か女性への未練のようなものを感じるのだ。これを往年のミュージカル映画の演出で見せるので映像は華やかなのだが鑑賞後にジメっとした後味が残った。そしてこの映画のセブはおそらく監督本人だろう。
デミアン・チャゼル監督の映画を鑑賞すると登場人物は輝かしい成功を成し遂げているのにどこか悲しい気持ちになる。それは登場人物達が理想とする自分になったときに、何か人間性や幸せのようなものを捨てて成し遂げているから。ウィキペディアからの抜粋で申し訳ないが、ラ・ラ・ランドとは「現実から遊離した精神状態」を指すとのこと。この記事を読んで腑に落ちた。
「現実から遊離した精神状態」=夢追い人=狂人
なのだ。
セッションと共通するがデミアン・チャゼル監督の登場人物達は既に能力を持っている。その能力がいつ発現するか?それは何かを捨てて狂人になったときだ。
しかし、世の中には何かを捨てても何者にもなれない人も、何も捨てないで何者かになれる人もいる。
成功と喪失。何かを得るためには狂人となり何かを捨てなければならない。
デミアン・チャゼル監督にとっての成功とはそういうものなのだと思う。
クライマックス、彼らはあったかもしれない二人の幸せな未来をわざわざ見せている。
見せなくてもいいのに。あれは一体、誰が見ているものだろうか?
私はセブが曲を弾きながら思った光景だと思う。ミアではない。
何者かになるには代償を払わねばならない、最愛の人と結ばれない代わりに成功がある、という何というか断ち物の願掛け神社のような話なのだが非常に未練たらしい。本当に彼女を愛していたら、成功を祝福していたら、あのクライマックスのような幻影を思うだろうか。
またラストは監督にとっての夢追い人の哲学のようなものも感じる。主人公達二人が理想とする自分を目指すために狂人となった。再会した瞬間だけ別の人生を見る。しかし、すぐにまた狂人(ラ・ラ・ランドの住人)となって現実に戻っていくのだ。(わざわざ高速の路線を変更させている。あったかもしれない人生の分岐として)
ミュージカル映画にしたのも夢追い人が見ている現実と捉えているのかもしれない。
私は恥ずかしながらこの作品を未見だった。勝手に往年のミュージカル映画の良作と思い込んでいたのでラ・ラ・ランドが作品賞を取れなかった時に驚いたが納得した。
ミュージカル映画のラッピングに包まれた歪なテーマと未練感情を見抜かれたのだと思う。
ただ本当に惜しい。ミュージカル演出は最高に素晴らしい!セブ(監督)の器が大きければ最っ高の映画になっていた。
思ってたのとは違かった
ミュージカル映画っていうのとタイトルから、もっと明るいストーリーかと思っていました。確か、観た時結構病んでて、楽しい映画ないかなって思って観た気がするする。
結論から言うと結構切なくて、いい意味で期待を裏切られました。余計病んだ(笑)
まぁでも、人生は上手くいかないっていうのが上手く描かれていたような気がする。
ただ、最後はすこし「ん、んん?」ってなった。
個人的には、騒がれている作品は結構期待しちゃうから観た後に「う〜ん」ってなってしまうんです。
ただ、OPの『Another Day of Sun』はとても良かった。歌詞も本編とリンクしていて、元気を与えてくれるような曲でした。何より人々が楽しそうに踊っているのがいい。
超良かった!という感じでは無かったけど、暇があれば観てみてもいいと思います。
ラストシーンに割と驚いた
どちらかというと女性受けしそうな内容でした。 一言で言えば大人のラ...
ストーリーはベタもベタ ストーリー評価するやつはどんだけ映画見てき...
ストーリーはベタもベタ
ストーリー評価するやつはどんだけ映画見てきてないのってくらいアホ
5年後までは楽しかった
ただ最後の最後にこの終わり方はまじでいらん
リアルなのはこうなるだろうけど急にここでリアルはまじでいらんな
あー楽しかったで終わらせろよボケ
ミアのクソっぷりに胸糞エンド
そりゃ売れれば結局そうなるだろうけどそんな人間の汚さというか醜さというかリアルさいらんわ
5年後からの展開で、それまでずっと楽しかった映画が胸糞悪くなったしガッカリした
見惚れるような色合い
画面の中で使われる色合いが本当に美しく、一眼 見ただけでどういう部屋なのか、建物なのかがすぐに伝わります。
たくさんの色を使いながらも、絵面をうるさくしない画面構成が勉強になりました。表情が生き生きしていて、俳優さんも楽しそうに演技ができているんだと伝わってきました。
音楽もすごく良くて、たくさんの音を扱う中で、肝心のメロディはきちんと際立たせ、他の曲に埋もれさせなかったのが鮮やかでした。
ストーリーに関しては、個人的に観るのが とっても辛い内容でした。こういうの凄く好きですが、物語の中頃に2人が愛し合ってしまった時点で、もうその先を観るのが怖くなってしまいました。
カップルで観るのはよした方が良いと思います。鮮やかで明るい分、皮肉にも見えてしまうんです。一瞬の煌めきでしかない と言われた気分になります。
まぁ、ネタバレ設定にするので、この忠告は意味なし ですが。
序盤から中盤は…
恐ろしい程 評価がいいからハードル高過ぎで見ちゃったので… ミュー...
爽快な苦味に溢れた傑作
地上波で放送があったので、自分のブログから昔の感想をペタリ。
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はじめは、よくある話をよくある感じで進めてて。
いろんな映画旧作をリスペクトしたシーン満載で。
こう、映画おたくの自己満足臭い感じの滑り出し。
30分くらいは、なんでこれがアカデミー賞の最有力候補なのか、疑問を抱きつつ。
1時間くらい経過したら、演出の軽妙さ、美しい音楽、芸術的なビジュアルに圧倒され。
これが候補になった理由なのかと思い、ミュージカルの快感に身を委ねていたら…
油断してた!
最後15分にある「エピローグ」の衝撃。
重!
重すぎ!
いやぁ、凄まじいもの観た。
いーもん観た。
さすが『セッション』の監督だ。
ちゃんと仕込んでた。
若いのに、酷い!
あちこちから、すすり泣き(全部女性)。
あちこちから、ため息(全部男性)。
男同士で観に来てた大学生、なんか落ち込んでいました。
ミュージカル仕立てにした一見、明るさに満ちた作りものの世界に、こっそりと潜むように隠された「作り手の狂気」を魅せた本作は、私的には大傑作!
物作りをしていく上で現実にはよく起きる、「何かを得るには何かを犠牲にする」「夢を取るか、目先の収入を得るか」「人生は選択の連続で、決して元に戻らない」という葛藤を描いているため、後味の悪さは一級品。
『セッション』と同じですよ。
ハッピーエンドじゃない。
そこがいい。
「でも私は私の世界で生きていく」という残酷だけど爽快な「決意」「決断」があるのだから。
苦味を旨味として味わえるかが、重要な分岐点。
大人の味。
ただ、ほとんどの日本人には向かない気もする。
賛否両論になると思う。
御涙頂戴浪花節、恋も仕事も成功して当然、くらいのお子ちゃま向け砂糖水より甘ったるい、お約束なハッピーエンドに慣れきって、現実の苦しみの中の人間心理などに経験がない人が多いから。
むしろ否が多いんじゃないかなぁ?
私が最も嫌悪感を持つタイプの、感動の押し売り映画
そのむかし劇場公開中に観に行って、あまりにも期待外れすぎて失望し、レビューも書かずにいたわけですが、先日テレビで放送されツイッターなんかでもまあまあ話題に上がっていたので、改めて私が期待したこと、感じたことを書いてみたいと思います。
私は生涯で観た映画の中での最高傑作を聞かれれば瞬時に「ダーティダンシング!」と答えます。
ダーティダンシングこそダンス映画の醍醐味を凝縮した最高傑作!なぜか日本ではもうひとつヒットしなかったわけですが、私の中では唯一無二のベスト映画なのです。
ほか「フラッシュダンス」なんかも印象深い作品のひとつだったりして、その流れで意識してダンス映画やミュージカル映画を漁っていた時期もあったのですが、琴線に触れるものはなかなかなく、ジャンルまるごと大好きってわけでもないのですが、やはり評判のいいダンス映画なんかは気になっちゃうわけですね。
そういうこともあって、日本公開前からアカデミー賞候補!と大評判だったラ・ラ・ランドはとても期待値が高く、公開とほぼ同時に観に行ったわけなんですが・・・
まあ観た人にはわかると思うんですが、序盤を除けばまったくそういう映画ではありませんでした。
それでもクライマックスには最高に痺れるダンスシーンで絶頂の盛り上がりがあるのだろう、という微かな期待もあったのですが、そういうこともなく。
違う意味で楽しめる映画であればまだ良かったのですが、まあ過ぎたことをくよくよと感傷に浸り、雰囲気を盛り上げて泣かす、という私が最も嫌悪感を持つタイプの、感動の押し売り映画だったことで、深く失望しました。
まあひとつ自分なりに反省すべき点としては、ニューシネマパラダイスを彷彿とさせるような映画である、というような事前の情報はキャッチしていたにもかかわらず、期待してしまったことです。
先述の「過ぎたことをくよくよと感傷に浸り、雰囲気を盛り上げて泣かす、という私が最も嫌悪感を持つタイプの、感動の押し売り映画」とはつまり、ニューシネマパラダイスがその典型的な象徴例だったのです。
そこで気づくべきだったかもしれない。
そしてこれらの映画を観てゲロを吐きそうになる私は、人格的に問題のある人間なのかもしれませんね。
でも、率直に言いまして雰囲気で感動を押し付けるタイプの映画は本当に偽善的で不誠実な作品だと思います。
あーそうなのか、こういうのが映画通には評価されちゃうのか、ふーむ・・・と、考え込んでしまうのでした。
いい意味で予想を裏切る、出会えてよかった映画
『 ラ・ラ・ランド』を初めて知った時、正直私は見ようとは思いませんでした。
私は海外のラブ・ストーリーはほとんど見ません。特にこれといった理由もありませんし、単に好みの問題ですが。
きっとこの映画は賑やかでフレッシュな純愛ミュージカル、途中で困難が降りかかりつつもラストはそれを乗り越えてめでたくハッピーエンド…映画を見なくとも最後は大体予想がつくものだと、勝手に思い込んでいました。
日本でも話題作となり世間がざわついていても、結局映画館に足を運ぶことはありませんでした。
さて。
ここまでの文を見て、この映画をよくあるベタなラブ・ストーリーだと捉えている方々にぜひ伝えたい。
『ラ・ラ・ランド』はただのラブ・ストーリーではありません。
甘くて苦い。まさにこの映画にはこの言葉がぴったりだと私は思っています。
特に後半からラストにかけての展開は本当に素晴らしい。実のところ、中盤辺りは少し飽きてしまったのが本音だけれど(初見の時は中盤で一旦鑑賞を止めてしまった)一気に覆される。この映画はラストが全体の質を高めていると思うくらい本当に素敵。感無量です。
もう一つこの映画の好きなところは、映画のワンシーン一つ一つにカラフルで鮮やかな色使いが施されていることです。まさに芸術。とても美しく、とてもオシャレ。
どうしてもっと早くこの映画の良さに気付かなかったのだろう。DVDではなくて映画館で見たかった。
それくらい、私の中では五本指に入るくらい大好きな作品です。出会えて本当に良かったなあと思います。
懐かしくて、新しいミュージカル
通常スクリーンで鑑賞(字幕)。
夢。挫折。葛藤。すれ違い。若き日に誰もが経験する出来事が詰まっていて、めちゃくちゃ共感出来た。
ミュージカルはストーリーが二の次になりがちな印象だが、本作はそこをちゃんと描いているなと思った。
冒頭のハイウェイでのシーンから、ぐいっと物語に引き込まれた。無条件に胸が高鳴り、心を鷲掴みにされた。しかも「サムワン・イン・ザ・クラウド」などの名曲揃いである。
リズムに乗って動きたくなるような歌があれば、しっとりと聴き入るような心に染み入るような歌もあり、「これだ!」と云うのを選べない。全ての曲がとにかく素晴らしかった。
細部に散りばめられたハリウッド映画への尊敬とオマージュが素晴らしい。ハリウッド黄金期に製作された数々の華やかな映画たちへの憧憬がこめられていて、とても感動した。
クライマックスのシークエンスは、まさに往年のミュージカル映画を彷彿とさせるようなセットと演出で、リアルタイムで生きていたわけではないのに、何故か懐かしさを覚える。
だが、物語の舞台は現代。普遍的な男女の恋愛を軸にしながらも、今風にアップデートされていて新鮮味も感じた。
これまで観て来たミュージカル映画の数は少ないが、どれも最後は、ハッピーエンドを迎えていたような気がする。
セブとミアが選んだ道は分かたれたが、お互いの夢は叶っている。嗚呼、これぞ男女の機微。人生は選択の連続である。
[以降の鑑賞記録]
2018/? ?/? ?:Blu-ray(字幕)
2019/02/08:金曜ロードSHOW!
2025/01/03:サンテレビ「新春特別ロードショー」
※修正(2025/01/03)
昔っぽいベタな設定とストーリー
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