劇場公開日 2017年2月24日

「人生に残るミュージカル」ラ・ラ・ランド うろつたさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人生に残るミュージカル

2018年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

難しい

ミュージカル映画というやつはどうにも好きになれない。
ミュージカルの良さはリアルタイムに目の前に存在する演者によるものであって、フィルムを介した映画では生かしきれないと思うのだ。
ララランドは例によってミュージカル映画だが、やはり隙を見せるとちょくちょくミュージカルが入ってきて、映画の世界に入っていけない。ストーリーに集中できない。この調子でこの映画が終わるのか…と思っていると、やはり同じ考えの人がいるようで、席を立ったまま戻ってこない観客がいた。
だがそう思っているのも序盤だけだった。
映画が終わるころには ミュージカルであることなど忘れてしまっていた。

男が演奏するあの音楽。二人の出会いの時にも男が演奏していた音楽。二人の出会いから回想するシーン。
僕は音楽と共にこの男の人生と自分の人生を重ね合わせていた。
まさかと思ったが、我慢できると思ったが、涙がポロポロこぼれてきた。
決してハッピーエンドではない。だけど二人とも成功して、幸せそうだった。全てを手に入れることは難しい。何かを得るためにはそれと同等の対価が必要なのだろうか。暗い気持ちになる映画ではない。人生について、幸せについて考える映画だった。

全ての音楽がそのシーンと共に脳裏に焼き付いている。
ミュージカルは映画には不要だと思う自分がいるけど、けれども映画にとって音楽はとっても大切なものだ。

うろつた