サウスポーのレビュー・感想・評価
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流血注意
2016/05/30、渋谷の映画美学校で行われた、『サウスポー』ぴあ映画生活独占女性限定試写会に参加しました。
ボクシングと言えば『がんばれ元気』ぐらいしか知識のないわたし。『ロッキー』シリーズも実はちゃんと観たことないんです。
そんなわたしでも、この映画は面白かったです。
キレやすい性格が原因で、同じ児童養護施設で育った妻を亡くし、一人娘とも一緒に暮らせなくなった、すべてを失った元チャンピオンが、娘のため、亡き妻のために、変わろうとするお話。どん底に落ちた主人公は、復活できるのか?
何せボクシングの話だし、特に主人公はパンチをもらいまくってから反撃するスタイルなので、当然のように流血シーンが多く、血を見るのが苦手なうちのダーリンのようなタイプには、ちょっと難しいかもしれません。
わたしは、思ったより抵抗なく観られました。しょっちゅう「痛いっ」って呟きそうになるのを噛み殺しながらでしたが。
ダメな自分を見つめ直し、変わろうと努力する主人公の姿は、素直に応援したくなります。
人は、本気で変わろうと決意すれば変われる。そして、努力は報われる。
綺麗事かもしれないけれど、生きてゆくための勇気をもらえる映画です。
あと、とにかく娘が可愛い! お母さんのお墓の前で寂しさを訴えるシーンでは、思わずもらい泣きしちゃいました。
もちろん、それ以外にも、ぐっとくるシーンはたくさんありました。
裁判所の判断で、児童養護施設で一時的に保護されることになった娘が「パパと暮らしたい!」と泣くシーンとか、その養護施設での面会のときに「ママじゃなくてパパが死ねばよかった!」と叫ぶシーンとか、娘にも父親にも両方感情移入しちゃって、息苦しくなりました。
そんな紆余曲折あっての、タイトル戦。
クライマックスに、『サウスポー』の意味がわかります。(主人公はサウスポーではないのです。)
最後まで流血注意ですが、それが苦手でなければ、オススメの映画。
男の間違った感傷に溺れるMVのような映画
「8 Miles」に続く、エミネムの半自伝的映画第2弾として企画されたという「サウスポー」。もしこれが当初の企画通りにエミネム主演で製作されていたとしたら、それこそエミネムのアイドル映画で終わっていただろう。それほどに全編に亘って自己陶酔的な空気が漂っている。
愛するものも地位も財産も次々に失い、失意のどん底に突き落とされ、そこからの再起を図る物語、と言えば聞こえはいい。しかしこの「男らしさと強さの意味を履き違えた」主人公の未成熟さ。失意の中にいることに同情はできても、我が子を差し置いて自暴自棄になるような男に魅力を感じることは難しく、子を持ついい大人の「成長」を見せてドラマにしようなどとはあまりにも浅はかなことだ。もし、この映画から男のロマンを感じてしまうとしたら、それは非常に危険なこと。ところが、この映画からはどこか「そんな俺かっこいい」が見え隠れするようで恥ずかしくなる。こういうところに、エミネムのアイドル映画だった片鱗を感じる。
そんな陶酔感を中和させるのは演者たちの熱演だ。内向的な青年イメージを払拭しようと難役に次々挑むジェイク・ジレンホールが、ここでも精神的にも肉体的にも役柄に入り込んで作品を牽引する。彼の本気の演技があるおかげで、ただの幼稚な男の中にどこか魂があるように感じられてくる。彼が演じたことで作品のドラマ性が高まったのは間違いない。「ナイトクローラー」でも感じたが、ここ数年の彼からは、演じることに対する本気度がひしひしと伝わってきて興奮してしまう。
忘れてはいけないのがレイチェル・マクアダムス。彼女が演じるのは、体のラインがくっきり出るようなドレスを着て大ぶりなアクセサリーをつける少々蓮っ葉な妻だが、映画の中では最も真っ当なことを言う人物である。主人公にとって彼女がミューズであったことがよく分かる神々しさをマクアダムスが映画に残す。冒頭部分にしか登場しないにも関わらず、最後の最後まで彼女の存在の輝きがキラキラと湛えられ、親子関係の物語も男の再起の物語も陰で支えていた。
ただ演出には感心できない。スローモーションの多用。感傷に溺れるような安っぽいサウンドトラック。躍動感あるボクシングシーンにさえ、まるでミュージックビデオのような編集を入れてしまう無粋さ。最後の試合のシークエンスなど、役者が本気で演じ、数あるボクシング映画の中でも屈指のリアリティで昂揚させるシーンを生み出しているというのに、ぶつ切りの編集がそれを台無しにしてしまう。
物語に深みを出すために「死」や「施設育ち」などという深刻な設定を安易に挿入するのも不満だ。ボクシングジムで出会う少年ホッピーにまつわる話など、軽はずみに「死」を取り上げ無責任に放置して終わってしまった。映画の彩りだけに「死」を使われるのは気持ちのいいことではなかった。
思わずよけた!
ボクシングシーン、迫力ありました。
相変わらずの演技力。
演技とは思えない!
なりきりっぷりが凄かった。
ドン底まで落ちて、這い上がっていく姿。
結局のところ、予想通り、
物語はハッピーエンドを迎えるのだけれど、
最愛の妻はもういないという悲しさ。
最後の娘とのシーンは思わずホロリ。
とっても切ない痛い、熱い作品でした。
熱くなれる
まっとうに良く出来ていて、熱くなれる。
役者達の演技も素晴らしい。ジェイクと、特にレイラ役の女の子が良い。
主人公に感情移入して観ることができるし、最後まで盛り上がる。
しかし、意外なことがなにも起こらない。脚本あるいは演出意図なのかもしれないが、『うぉぉ、そう来たか!』と思うようなことがない。だから、この作品は特別だ!と思えない。その点が残念…
ミスキャストかな
ジェイクは頑張っているんですが役柄に合わない気がしました。50セントも違うだろうって感じです。スポットライトのレイチェル・マクアダムスが好演しているだけにジェイクたちのミスキャスト感が目立ちます。
エミネムの音楽も盛り上がるどころか安っぽくさせてしまっています。
内容は王道です。
何故「ロッキー」には感動して、矢吹ジョーには今でも惹かれるんだろうと思いながら見ていました。
何事もそうですが同系列の映画をあまり見ていない人なら感動すると思います。
カメレオンジェイク&メンターウィテカー
すっかりデニーロ、クリスチャン・ベールに次ぐカメレオン俳優になったJ・ギレンホールの役者バカぶりがここでも発揮。努力・根性をメインとしない、理論的なボクシングファイトを見せる映画はこれが初めてでは。
こちらもメンター的な役の第一人者となった、F・ウィテカーはやっぱり信頼できる男。50セントのうさん臭さぶりも最高。
4月発売の映画秘宝に紹介を書いております
矢吹丈がパンチドランカーにならずホセ・メンドーサに勝って紀ちゃんと結婚して子供を設けてセレブ生活を送っていたらというような妄想を駆り立てられる映画だった。ボクシングシーンがスリリングで素晴らしかった。
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期待しすぎた
ライトヘビー級のチャンピオンにまで上り詰めたボクサー、ビリー・ホープは、ある事件で妻を失い、悲しみのあまり自暴自棄になり、一人娘の親権まで失う。人生のやり直しを懸け娘の為にもボクシングコーチの元でトレーニングを始め…。
ジェイク・ギレンホールの鍛えた身体が凄いのと、今回の演技も冴えていた。レイチェル・マクアダムスの輝きも眩しかった。しかしボクシング映画としては、盛り上がりに欠け、目新しいことも何もなく、話の伏線のような気になる要素が消化されきれてないままクライマックスに至る感じがした。本当に観たかったのは主人公再起のドラマなのに、話の半分以上は転落のストーリーであり、テンポの悪さを感じた。もっと主人公の心の変化や、過去の失敗からの蘇生の様子を観たかった。
期待しすぎたのかなぁ。
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