サウスポーのレビュー・感想・評価
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泣いた(T_T)
こういうのを待ってた!
よく出来たボクシング映画
主人公(ジェイク・ギレンホール)は世界チャンピオンのボクサー、美しい妻(レイチェル・マクアダムス)と一人娘とともに充実した日々を過ごしていた。
そんなある日、チャリティパーティで若手のボクサーから挑発され、殴り合いになり、何者かが銃を発砲、妻が亡くなってしまう。
あとはボクシング映画の王道的な展開だが、ボクシングシーンがよく出来ていて、大満足。
王道
俳優に支えられ
ジェイク・ギレンホールと子役のオオナちゃん目当てで鑑賞。 王道のス...
羽海野さんの『ハチクロ』を、不意に思い出しました。
私生活もボクシングも相手任せに頼り切って、自分自身を顧みず、責任転嫁ばかりだった。決して悪い人間でもダメなボクサーなんかじゃないけど、主人公ビリー・ホープは表すならまさに”未熟”の人。でもその未熟さは、誰しもが持ってるもので、そこに共鳴できるか否かで、映画を見る目が変わるかも(”未熟”は映画の出来自体にも通じる言葉なんだけどね)。
それでも僕はこの映画が大好きだし、最高だった。展開があまりにオーソドックスすぎるところは否めないし、「新しさ」は見えないところも納得せざるを得なかった。だとしても辛酸を舐め、落ちるとこまで落ちていっても、拳を奮って戦う男のドラマにはもう降参しかない。やはりどうもこの手の話は弱いようで、困ったものですw
ちなみに”何故『ハチクロ』なの?”と感じた方へ補足ですが(そもそも作品を知らない方は、ぜひ一度読んでください。少女漫画と侮るなかれ。男でも夢中になれます)、ビリー・ホープはその作品のヒロイン・はぐに似ているんです(あくまで個人の意見ですが)。漫画のネタバレぶっこみますが、最終10巻ではぐちゃんは男の子へこう言います(実はこの男の子は同志で想い人(?)なんです)。”描きたいの。これ以外の人生は、私にはないの”と。さらに前の9巻では、”「絵を描く」ということだけが、私を「守り」「生かさせて」くれた。描く事を手放す日が来たら、その場を命をお返しする”と。彼女にとって絵を描く行為はただの自己顕示ではなく、もはや呼吸と同じレベルの”生きるためのアクション”であり、ビリーがボクシングを続ける理由と、すべてでなくても似ているんです(ボクシングにこだわる理由も映画はちゃんと描いてます)。
ただ『ハチクロ』よりも映画は正直言うと(傑作には)寸前止まりで、もっと工夫ができたはずと思いました。それも何度も。だけどギレンホールの演技、フークア監督の演出は決して悪くないですし、『ナイトクローラー』に負けず劣らずのギレンホールがまた観れました。それだけでも映画を観る価値はあると思いますし、子役のウーナ・ローレンスの芝居もまさに必見でした(最早芝居を通り越した瞬間もありましたし)。
今年は邦画の異常なレベル(『シン・ゴジラ』や『君の名は。』、『聲の形』『この世界の片隅に』などの傑作映画)が非常に目立つ年ですが、個人的にはその布陣に負けない映画と思ってます。また何度も観たいって思ってしまっているほどですから。
状況が何も変わっていない
他のボクシング映画はロッキーくらいしか観たことないですが、試合中継の演出がリアル(多分)で、殴り合いも微妙に片方が押してる感じが現実的でよかったです。
それ以外はただ単に挫折を乗り越えるサクセスストーリーでしかありませんでした。
問題ありの主人公が成長する話ならよかったんですが、怒りやすくて事態を悪化させてしまう性格が改善されませんでした。
対処法がサウスポーにスイッチすることって、それはトレーナーがたまたま考えた技術じゃん。
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