イット・フォローズのレビュー・感想・評価
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他には見えない恐怖
暗闇からヒダヒタと忍び寄る様な、見えない恐怖を描いた、B級ミステリー・ホラー。どことなく、スティーブン・キングが描くようなホラー・シチュエーションに似ていると感じた。
登場人物は、こうした作品には鉄板のちょっとお馬鹿な大学生達。誰かに感染させないと、自分が呪われて殺されてしまうという『それ』が、忍び寄る恐怖を描いている。そして、『それ』は、SEXをすると感染するというのも、B級ホラーらしい設定。
女子高生・ジェイは、恋人・ヒューと、一夜を共にする。しかし、その後で突然に、ヒューはジェイを縛り上げて、・忌まわしい『それ』を感染させたこと・感染し取憑かれた者は、他の人には見えない『それ』によって襲われて命を奪われること・その呪いから解く為には、誰かに感染させなければならないこと、告げる。その時から、ジェイは、他の人には決して見えない亡霊の様な『それ』を目にすることとなり、苦悩の日々を送る。友人たちも、最初はジェイの話を信じようとしなかったが、自分たちも、『それ』によって襲われ、みんなで協力して『それ』退治に挑んでいく。
血飛沫あげて怖がらせる、スプラッター的なホラーとは違い、目に見えない恐怖が、「来るぞ、来るぞ」と思わせ、ハッとさせる様なある意味ジャパニーズ・ホラーに近い作品でもある。呪いの連鎖をテーマに挙げ、咬まれることで感染が広がっていく作品は、これまでもたくさんあったが、エッチで感染というのは、なかなか斬新とも言える。
主人公の女子大生役のマイカ・モンローは、青春映画おホラー映画などを中心に活躍しており、それほど美人ではないが、印象に残る女優だ。もう少し大胆なシーンがあっても良かったのではないだろうか。90分作品ながら、そこそこに楽しめた作品と言える。
“それ”は何なのか?
全米で、たった上映4館から始まり、最終的には1600館まで広がり、数々の映画祭で受賞されたとされるまさに低予算から大ヒットホラー。“それ”がどこまでも追ってくるという新感覚のアイデアが面白い。薄気味悪いというか不気味な雰囲気を醸し出していた映画です。
“それ”は淡々と近づいてきます。
ときにはおばあさんになって。
ときには大男になって。
ゆっくりなので、確実に逃げ切れます。遠くに逃げればしばらく安心です。でも、ゆっくりと着実に追いかけてきます。必ず、絶対に追いついてくるのです。昼も夜も落ち着けない恐怖。その精神的な恐怖は計り知れないものですね。
さらには、“それ”のルールがたくさん出てきます。
中でも、うつした相手が死んだら自分に戻ってくる。という仕様はもう絶望的なのです。逃れようがないんですもん。
そして、セックスでうつすことができる。というところがこの映画のキーポイントでしょう。愛している人にうつせない、うつすには知らないどうでもよい他人とセックスをしないといけない…。ヒロインと周りの男性とのセックスと恋の心理的なやり取りが、青春ホラーといった形でも描かれています。
結局“それ”は何なのでしょう?死が見える形になって襲ってくるのでしょうか?
“それ”への攻撃もできるというちょっと拍子抜けなやつらです。
でも、倒せないのかな…(ほ、ほら後ろついてきてるから!)
最後に余談ですが、音楽が一世代昔のホラー映画っぽくていい感じです。
不思議!
珍タイプ良作ホラー
洋画ホラーといえば派手な分かりやすいホラー(ポルターガイスト…日本からするとファンタジー感禁じ得ない悪魔…仮装めいた殺人鬼…血しぶき…肉片…)の多いイメージですが、珍らしく「静」なホラー。
アジアンホラーのようなお風呂で髪の毛洗えなくなるの感じとはまた違って何とも良かったです。
映像と音楽良かったですね。
どちらもすんごい始終不穏な感じ。
たまにビビらせ入るけどしつこく無いしタイミング絶妙。
どこから「ついて来る」ヤツが
画面上に映り込んで来るのか、もう映ってるのか…映し方も良いですねぇ…
登場人物皆んな何か同じテンション…
勿論悲鳴あげたりとか怖がったりはあるけど、基本どいつもこいつも淡白。冷静。冷めてる。感じ。
「ついて来る」ヤツもすんごい淡々とついてくる。正体も不明。これも珍しくて怖い。
全部が芯が淡々としてて不安で気持ち悪かった。変にテンション低い登場人物達も違和感それほどなく見事な調和だなと思いました。
設定は何ともアメリカ的でしたが…これは一度ついてこられたら二度と安眠はできませんね。
最期までスッキリしないけどそれが良いと思える数少ない映画かな…
良い意味で厭ぁーな映画でした。
ホラーいけるやん
ゆっくり歩いてくる何かに捕まると死ぬ
それは人の姿をしているが、いつも同じ姿ではない。
真っ直ぐこっちを見ながら歩いてくる。
壁を通り抜けることはできないが、窓を破ったりという方法は使う。
自分にしか見えない。
SEXをすると相手に移せる。
しかし、移した相手が死ぬと自分に戻ってくる。
だから、移した相手には逃げ続けてもらわないとならない。
でも、事情を教えたらSEXしてくれるわけないので、黙ってSEXした後に説明することになる。
説明しないとすぐ死んで意味ないわけだから当然だね。
いつくるか分からないが、とにかく視聴者は画面の後ろの方を注視することになるわけだ。
あれ、来てるんじゃね?とね。
なかなか面白い設定。
すごくドキドキハラハラする。
でもね、オチが微妙だった。
おれは単純な性格なので、もっとはっきりしたオチにしてくれないと満足できない。
あとは想像にお任せします的な終わり方は嫌いなのよ。
それが惜しかった。
じわじわくる
概要としては、あれがついてくる。そのあれとは何かは話の途中でわかる。
とり憑かれた本人にしか見えないがゆっくりと背後から休まず歩いてくる。
うつす方法があるが、うつした人が奴に殺されるか死ねばまた戻ってくる。
いつどこで現れるかわからないあれ。引き離せば暫くの時間はやってこない。
良くできた設定ですね。
しかし、偏見かもしれませんがアメリカの人気映画ってほとんどがサイコパスなものばかりで、人間の恐怖或いは悪魔の恐怖ですよね。
グロテスクにしているような印象を受けますが、これは違います。
じわじわときて思わずガン見を続けたくなります。日本人は好きなのかも。
目をそらすとあれが消えてしまうようで。
あれが本当に異様で、見た目は別にそうでもないのですが奇妙なんです。
見たらわかります。生きてるものじゃないってのは。
「待って待って待って」と自分も慌てるシーンがあります。
珍しく比較的ゆっくりと進む映画ですが、突然の急展開などは怖いですね。
【”性を知って、死の存在に気付き、愛を知って、生の尊さに気付く・・。” 大人の扉を開けた少年少女の戸惑いを、ホラーテイストで描いた作品。不条理感、不穏感が尋常でない作品でもある。】
ー 資料によると、今作は当時無名だったデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の第2作で、制作費200万ドルの低予算映画で、大掛かりな宣伝もなく封切られたが、ティーンエイジャーの間で評判になり、興行収入2000万ドルを超えるスマッシュヒットになったそうである。ー
◆感想&考察
・今作では、大人はほぼ出て来ない。ジェイ(マイカ・モンロー)、ジェイが処女を捧げたヒュー、そして”イット”に感染した彼女は、次々に”イット”に襲われる・・。
ー”イット”とは何であるのか・・。ー
・ジェイは”イット”に襲われつつも、男友達で、彼女を助けようとするチャラメの男グレッグと、性交渉を持つが・・。グレッグは・・。
ー ヒューは言っていた。””イット”は色んなものに姿を変えてゆっくりと追って来る。愛すべき人の姿になることもある・・。”ー
◇今作では”イット”の姿は、しっかりと描かれない。「It」シリーズのピエロのペニーワイズが徐々に姿を現すのとは、対照的だ。
・ジェイに長年好意を持っていた、内気なメガネ少年ポールは、ヤラとともに必死にジェイを守る。そして、ジェイと漸く性交渉を持ち、二人で手を繋いで歩いて行く。後ろから何かが近づいて来る道を・・。
<今作は、観る側に、様々な解釈をさせる映画である。
青少年に対するHIV撲滅キャンペーン映画だろう・・、とか。
(当時、良く巷間に流布されていた”大人”の解釈だそうである・・。)
私は、
1.キチンとした大人が一切出て来ない事。
2.少年少女が、性交渉を持つ事で””イットに感染”する事。
と言う点に注目すると、”イット”とは、大人になると徐々に近づいて来るものだという事が、朧気ながらに見えてくる。
あくまで、私見である。>
◆追記
・デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督、第3作の「アンダー・ザ・シルバーレイク」も、サブカル愛に溢れた怪作である。サブカル雑誌風の分厚いパンフレットも実に面白い・・。
独特
まずは設定が独特。
見る前までは性病のメタファーかと思っていたけど、
途中から「ん?違うな」と。
だって”それ”は、人に移しても最後は自分のとこに戻ってくるんだから。
あとは”それ”がいろんな姿をしているっていう点。
クライマックス、主人公を襲った”それ”の姿は…。
どうやっても人が逃れられないのは”老い”と”死”で、
その運命を背負いながら、どう生きるか、誰と生きるかだよねっていう。
キャラクター設定を子どもと大人の境目の若者にしたのも秀逸だと思うし
見たことのないデバイスで読書していたり、着ているものの季節感がずれてたり
非現実的なニュアンスの塩梅も絶妙だったと思う。
ホラーのかたちを借りたジュブナイルものとして、
見て損はない作品だと思う。
352位/368 2021.05.19
ジャケットにとても惹かれたんですよ。
プライムのおすすめに
いつも出てくるし。
それで観たんだけど、
イマイチでした。
性行為したら移る?
でも、なんか細かい設定が
すごく微妙だったような、、、、
映画のアメリカ人は、すぐやるよね、、、
以下、
超個人的主観による駄文のため
盛大にスルーしてください
(RG風)
フォローズのあるある言いたい♫
フォローズのあるある早く言いたい♬
フォローズのあるある今から言うよ♪
大好きな人とやったら移る、、
どうする?迷いがち♩
備考 点数は自分が
生まれてから現在まで
観た映画をランキングにして
相対評価で点数付けてます
上位と下位から順番に
感想書いてます
初回鑑賞年齢→37歳位
(2021年時点40歳)
初回鑑賞場所→自宅primeスマホで
鑑賞回数→1回
記憶度→30%
マイ映画ランキング
2021.05.05時点
全映画中→424位/441
洋画部門→351位/367
セックスが怖くなる部門→1位
黒沢清の強さを改めて知る。
ちがうホラー
プールで浮かぶのが日課のヒロイン、ジェイ。
栗毛のかわいい親友ケリー。
貝のカタチのコンパクトみたいな端末でドストエフスキーを読むヤラ。
おタク風のポール。
始めに、ヒロインと仲間の、生活臭の感じられない日常が描かれる。
アメリカの典型的な郊外住宅地。
中流らしきビニールプール。
ゆっくり移動するレールカメラ。
いきなりシュミーズ姿でまろび出るオープニングから一転してまったりする。
そのダルい日常が魅力的で、すぐに映画の中に引き込まれた。
恐怖演出にアイデアがあった。
遠景でこっちへ向かってくる人物を捉え、グルッと360°ゆっくりパンする。
小さかった人物が、360°回ると、とうぜん大きくなっている。
もう一回パン。
もっと大きくなって、その人物の異様さがはっきりとわかる。
これには感心した。
そしてホントに怖がらせる。
のべつ作られるホラー映画。
ほとんどが手垢のついた方法でかたられる。
が、その飽食をアイデアで克服した映画が、ときどきあらわれる。
そこにクリエイターの執念が垣間見える。
FollowしてくるItの異様さにもこだわりがあった。
診察服の老婦。失禁している半裸の女。桁外れ長躯男。ヤラの分身。病的な子供。
It's very slow, but it's not dumb.=すごく遅いが馬鹿じゃない。
才気にあふれとても衝撃をうけたホラー映画だった。
監督は、ゲットアウトのジョーダンピールとならんでスリラーの旗手と目されているが、Under the Silver Lake(2018)は、けっこう気負っていたと思う。悪くなかったけれど、なんとなく違う側面を見せようとして、それがやや滑っていた感があった。
この映画の前半部やThe Myth of the American Sleepover(2010)を見ると、ユルい日常を、ふわりとsexualに撮るのがうまい人だと思う。(うまく言えないが)
ホラー/スリラーの作家というより、異変がおこる青春もの──みたいな映画で駆ける人ではなかろうか。
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