いつだってやめられる 7人の危ない教授たちのレビュー・感想・評価
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“いつだってやめられる”…?
食っていけない大学教授たち。仕切っているムレーナももとは同じ境遇というのは根深い。
彼らがこの状況から抜けられる時はくるのだろうか…そういう意味でいつだってやめられるというタイトルは面白い。
ドラッグの引き渡し場所としてロマの結婚式がどこよりも安全というのは感覚的にもよくわからないところ。
ラテン語で会話する2人が好きだった。
わめき過ぎ
リーマンショックやギリシャの負債でEUが不景気で大変だった時期、シビリア監督は首席の学者がごみ収集員に身をやつすというニュース記事を読んで本作のアイデアを思いついたそうです。
アメリカでもアポロ計画の終焉で失業した技術者が巷に溢れテレビゲームが生まれたという話を聞いたことがあります。日本でも研究開発費の削減で研究者が職を失う報道は耳にしますし、コロナの国産ワクチン開発の遅れの一因ともいわれていますね。
背に腹は代えられず、特技を生かすといってもゲーム開発ならまだしも危ない薬物商売では褒められた話ではありませんね。
テーマからすれば社会派ドラマなのでしょうが基調は風刺コメディなので役者に学者の知性が感じられないし、終始大声で誰かがわめいているばかり、うるさくて話に入っていけません。
シビリア監督、初の長編映画、ラテン系ならではのハイテンションが喜劇の芝居との理解なのでしょうか、音楽も騒がしい。流石に反省したのか続編では抑え気味になりましたが本作は酷かった。
スマートじゃないオーシャンズ11
この映画を観て感じた率直なイメージが、「全然スマートじゃないオーシャンズ11」でした。
様々な分野でのエキスパート達がチームを組み、それぞれの得意分野を活かしながら大きなプロジェクトを達成する。このあらすじだけを観れば完全にイタリア版オーシャンズ11です。やったことがカジノ強盗か麻薬密売かの違いはありますが。
元大学教授の天才たちが教授職を追われアルバイトで生計を立てていたところ、主人公のピエトロが「脱法薬物の製造販売」というビジネスを発案し、元教授たちがそれぞれの得意分野を活かしてビジネスを成功させる。しかし、マフィアの縄張りで商売をしてしまったことで、マフィアのボス・ムレーナに目を付けられてピエトロの奥さんが誘拐されてしまうというストーリー。
この作品はジャンルは「クライムコメディ映画」です。オーシャンズ11がスマートでカッコいいエリートたちの完全犯罪を描いた作品であるのに対し、この作品は天才であるが故に世間ずれしている元大学教授たちが慣れない犯罪を頑張る姿をコメディタッチに描いた作品です。マシンガンのようなイタリア語での会話劇は、それだけで面白く観られます。
最後にはマフィアのボス・ムレーナをとあるトリックで出し抜き、誘拐されていた奥さんを取り戻す展開は見ごたえがあって良かったと思いました。
ただ残念ながら、最後にムレーナを出し抜いたトリックは正直そこまで「凄い!」と思えるようなものでは無かったし、誘拐されてる奥さんもピエトロと電話して「解放されたらお前の鼻をへし折ってやる」と軽口を叩けているくらいなのであまり緊迫感が伝わってきません。最後のムレーナとの対決のシーンで、もう少し緊迫感のある演出がなされていれば、前半のコメディとのギャップで盛り上がったんじゃないかと感じました。
ただ全体的に観れば普通に楽しめた作品であり、次の作品も観てみようかなという気にさせるくらいには面白かったです。
社会風刺コメディ
といやぁ、そうなんでしょうけど
500ユーロの取り立てで、汲々としてたり、1000ユーロ月の月給がもらえずに、首になるなどイタリアの実際的な問題が描かれている
そうこの映画の頃はユーロ危機だとかPIIGSなんて言われた時期
イタリアも大変なんだなぁ
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