「スマートじゃないオーシャンズ11」いつだってやめられる 7人の危ない教授たち といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
スマートじゃないオーシャンズ11
この映画を観て感じた率直なイメージが、「全然スマートじゃないオーシャンズ11」でした。
様々な分野でのエキスパート達がチームを組み、それぞれの得意分野を活かしながら大きなプロジェクトを達成する。このあらすじだけを観れば完全にイタリア版オーシャンズ11です。やったことがカジノ強盗か麻薬密売かの違いはありますが。
元大学教授の天才たちが教授職を追われアルバイトで生計を立てていたところ、主人公のピエトロが「脱法薬物の製造販売」というビジネスを発案し、元教授たちがそれぞれの得意分野を活かしてビジネスを成功させる。しかし、マフィアの縄張りで商売をしてしまったことで、マフィアのボス・ムレーナに目を付けられてピエトロの奥さんが誘拐されてしまうというストーリー。
この作品はジャンルは「クライムコメディ映画」です。オーシャンズ11がスマートでカッコいいエリートたちの完全犯罪を描いた作品であるのに対し、この作品は天才であるが故に世間ずれしている元大学教授たちが慣れない犯罪を頑張る姿をコメディタッチに描いた作品です。マシンガンのようなイタリア語での会話劇は、それだけで面白く観られます。
最後にはマフィアのボス・ムレーナをとあるトリックで出し抜き、誘拐されていた奥さんを取り戻す展開は見ごたえがあって良かったと思いました。
ただ残念ながら、最後にムレーナを出し抜いたトリックは正直そこまで「凄い!」と思えるようなものでは無かったし、誘拐されてる奥さんもピエトロと電話して「解放されたらお前の鼻をへし折ってやる」と軽口を叩けているくらいなのであまり緊迫感が伝わってきません。最後のムレーナとの対決のシーンで、もう少し緊迫感のある演出がなされていれば、前半のコメディとのギャップで盛り上がったんじゃないかと感じました。
ただ全体的に観れば普通に楽しめた作品であり、次の作品も観てみようかなという気にさせるくらいには面白かったです。