「【創業100年を迎える老舗旅館に投宿した、色々と”最後”な人たちが起こした奇跡を描くハートウオーミングコメディの小品。巧みなるコメディアンは,俳優でも十二分に通用するのである。】」田沼旅館の奇跡 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【創業100年を迎える老舗旅館に投宿した、色々と”最後”な人たちが起こした奇跡を描くハートウオーミングコメディの小品。巧みなるコメディアンは,俳優でも十二分に通用するのである。】
■寂れた温泉街にたたずむ「田沼旅館」。
この日、田沼旅館を何とかはやらせたいと願う1人の女性記者奈緒(夏菜)がこの宿に泊まった。彼女以外の宿泊者は、“人生最後”、“親子最後”、“夫婦最後”、“犯罪者最後”といろんな形で“最後”の日を迎えようとしていた。
◆感想
・私は映画ばかり見ていて、TVを殆ど見ない男であるが、且つて公共放送で忘れた頃に放映されていた「Life ~人生に捧げるコント」という番組を録画して、観ていた。
どのコントも、良く練り込まれていて面白く鑑賞しながらも、”コントを考える人って、凄いな。”とか、”今、コント番組が絶滅危惧種になってしまったのは、手間暇がかかるからだろうな。”と思っていたモノである。
・その番組だけではないと思うが、番組内のコントで特異なキャラ -個人的には”どうしたろうかしゃん”が好きであった。-を演じてたムロツヨシさんや、今作にも出演しているシソンヌのじろうさんが、ムロさんのファンで出待ちしている黄金原聡子を演じる“ムロ待ち”が好きであった。”ちゃんとして!”
今や、ムロツヨシさんは、多くの映画の主役も演じるビッグな方になられたが、私はシソンヌのじろうさんを始め、コントが上手いお笑いの人は、俳優としてもやっていけると勝手に思っている。
実際に、じろうさんは映画に出演されているしね。
<何が言いたいかと言うと、今作の様なコントの達人が集った作品は、一定レベルの面白き作品を作るモノだなあ、と感心した事が言いたかったのである。
今作では、そこに宿の主人(東京03の角田晃広)を支える健気な妻(遠藤久美子)が、客を集めるために座敷童になっていたシーンや、“夫婦最後”の二人が卓球ラリーを続けるシーンの見せ方などは、上手いなあと思ってしまった程である。
今作は、創業100年を迎える老舗旅館に投宿した、色々と”最後”な人たちが起こした奇跡を描くハートウオーミングコメディなのである。>