「インドの奥様って可愛い!」奇蹟がくれた数式 さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
インドの奥様って可愛い!
『奇蹟がくれた数式(2015)』
原題:THE MAN WHO KNEW INFINITY
(あらすじ)
1914年。ケンブリッジ大学で数学を教えるハーディ(ジェレミー・アイアンズ)の元に、インドから手紙が届く。
手紙の主はラマヌジャン(デヴ・パテル)。手紙に記されていたのは、無限に続く和の形で表される数式="無限級数"(永遠に続く和=1+2+3+4+……)に関することで、オイラーの「ゼーダ関数」と同じ答えを、独学でオリジナルの美しい方程式で導き出していました。
ハーディはラマヌジャンをケンブリッジに呼び寄せ、共同研究を始める。が、そこには宗教、人種などといった壁が立ちはだかる。
※新年初映画でした。実話でございます。
またまた私語りになるのですが、数学が苦手でしたー。
あ、苦手っていうレベルでないことは、高校の時に受けた模擬試験のコメントから窺われます。
「貴女は数学的な物の考え方ができません」
数学的な考え方?
私はこの映画を観るまで、「数学的な考え方?意味わかんねー」と、釈然としない思いで30年近く生きてきました。
数学的に物を考える。ってどういうことですか?
試験勉強は数学しかしないのに、赤点ギリギリとか、1回は0点だった時もあります。
不思議なことに、「答えは全て合っているが、そこに辿り着く方法が間違っている。教えた方法と違う」と言われ、0点でした。
数学って、答えが重要じゃないの?
プロセスが重要なの?
おら、わかんね。おら、わかんね。
このわかんね状態で、35歳で金融業界に転職して、都市銀(住宅ローン)→保険会社(資産運用商品)に行く過程で、数式は数式でも、お金に関わる数式なら、すっと頭に入ってくるタイプの人間だって気付いたんです。
このラマヌジャンは、アインシュタインに匹敵するほどの天才と言われているんですね。
恥ずかしながら、この映画を観るまで存じ上げませんでした。
ラマヌジャンは独学だったため、生み出した方程式は「思いつき(直感)」によるものです。
後になって、その直感のことを"女神の導き"と表現しています。
なので、その方程式が正しいかどうが、証明するという概念がないんですね。
あのー、直感で方程式が現れるってどういうことでしょう?
ラマヌジャン曰く「方程式を書く」=絵を描くのと同じ。数学は芸術だ!
そうなんです!数学的な物の考え方なんつーのは、ない!
なので、ハーディから「正しいことが証明できないと、この方程式は方程式ですらない!」と言われ、最初は凄く反発するんです。
あ、これが数学的な物の考え方か!と、ちょっと納得しました。
つまりラマヌジャンの直感は神がくれた物なので、それを否定するのは神を否定すること。
って、なるんです。
無神論者でコミュ障のハーディとラマヌジャンは、なかなか上手くいきません。
その内、ラマヌジャンの体に異変が……。
ハーディはコミュ障なので、相手が具合が悪いとか、なかなか気付かない。
当時のケンブリッジですから、そうとう差別があったのではないかと想像します。
本作でも教授から、あからさまな差別を受けるシーンがあります。
ストーリー自体は王道でよくある伝記物ですが、ラマヌジャン役のデヴ・パテルの必死の眼差しとか、こんな偏屈な役をやらせたら右に出る者がいないジェレミー・アイアンズのコンビが妙に良くて、新年から号泣してしまいました。
カーストの低い身分に生まれたラマヌジャンは、30歳くらいでハーディに見出されます。でも、もっと早い段階で専門的な勉強を初めていたら、どんな発見をしていたのだろう?と思いました。
私は無神論者ですけれども、もし神様がいるなら、全ての子供の傍に、その子の才能を発見する大人を配置してくれないだろうか?といつも思います。
私もそんな役目を背負っている大人の1人であるということを、忘れないようにしないといけないなーと思いました。
しかし、いつもの邦題問題。やすっぽい感動系のタイトルにしないで!
原題:THE MAN WHO KNEW INFINITY
INFINITY=∞
∞を知る男。でしょうか。
ラマヌジャンの功績の中で有名なのが"擬テータ関数"らしいのですが、そこから来たタイトルでしょうか。
この擬テータ関数が理解されたのは、2005年。
天才に時代が追いつくまで、100年近くかかったわけです。
この擬テータ関数は、ブラックホールや、インターネット網の研究に使われているらしいです。
ああ、新年からええ映画観ました!
PS マダム・イン・ニューヨークで思ったんですが、インドの奥様たちって可愛いですよね!