「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド!」アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド!
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インタビューアーが聞く。
「美容整形に興味は?」彼女は答える。
「美容整形には反対よ。鼻がピノキオみたいとか、大やけどした人は別だけど、失敗したら、もとの顔よりひどくなるかも」そして付け加えて
「ピカソの絵みたいになった人を見たことがある。数本のシワの為にリスクを冒すの?」って言い切る。
それは彼女の価値観で、明らかな正解か分からぬが、彼女が至って小綺麗な老人に見えるのは、ピカソの絵見たくないからだ。つまり、人間(生体)の美とはシンメトリーなんだと思った。言い方を変えれば、それが保てればコーディネートの発想が膨らむって事かなぁ。
まぁ、彼女は自分の美の壺を「老眼鏡」と理解しているね。
さて、彼女は立派なニューヨーカーである。しかし、彼女のルーツはロシア、ウクライナである。20世紀に入って直ぐにロシア、ウクライナの地に吹き荒れる反ユダヤ主義と社会主義の嵐から、逃れて来た最初の世代である。ある意味に於いて、アメリカのキャピタリズムを支えて来た世代と言える。従って、本来ならユダヤ社会そのもので、選民思想から閉鎖的になるのだが、彼女の様なSENSEのはっきりした者が、芸術の多様性を育んで来たと理解できた。
つまり、ニューヨーカーなのである。
でも、今ニューヨークの街を歩くと、こう言った老人(おばあちゃん)と会うことはないね。皆、お尻のポッコリでた方ばかり。階級があるからね。
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