「入り乱れて話が複雑なわりに深みがない」スキップ・トレース AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
入り乱れて話が複雑なわりに深みがない
還暦をすぎてもこれだけのアクションを自らこなすジャッキー、本当にすごいが、レニー・ハーリン監督との相性はいまいちだったか。ジャッキーとジョニー・ノックスビルが刑事と詐欺師の“バディ”、それに香港の犯罪組織、香港警察、ロシアンマフィアと入り乱れるが、アクションの見せ場を作るために都合よく追いつ追われつを繰り出している印象で、エピソードの繋がりに深みは感じられない。
2人が旅する内モンゴルなどの景観は一見の価値があり、ロードムービーらしい気分を楽しめる。しかし、モンゴル遊牧民の居住地でたき火を囲み、ジャッキーと素朴な遊牧民たちが英語のヒット曲(アデルの『Rolling in the Deep』)を合唱して盛り上がるシーンはいただけない。アジアでロケを敢行しているのに、製作陣が西洋文化を優位に見ているのが露骨に現れたようで、アジアの民と文化への敬意が感じられなかった。
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