劇場公開日 2017年2月25日

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「還暦過ぎのコスナーが新境地に挑むが……」クリミナル 2人の記憶を持つ男 AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5還暦過ぎのコスナーが新境地に挑むが……

2017年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

興奮

ケビン・コスナーが珍しく凶悪犯罪者役。幼児期の怪我で脳が一部損傷して共感力や罪悪感が欠落した後天性のサイコパスだ。その未発達の脳部位に、殺されたCIA工作員の記憶を移植するという導入部に興味をそそられる。

でもSF的な要素はそれだけで、あとは基本的に王道のサスペンスアクション。善玉イメージが強いコスナーが、敵でも一般人でも容赦なく叩きのめすのは最初こそ新鮮だが、次第に単調に。

そもそも記憶移植の手術はまだ研究段階で動物実験のみ、主人公が最初の被験者になるという設定なのに、すでに高度な手術装置が完成しているのが変。何人もの患者に実験を繰り返し、その都度マシンを改良して完成に近づけるものだろうに。これに限らず、辻褄があわない点が散見され、ストーリーに入り込めない。

ライアン・レイノルズが早々に殺される役で不憫。ガル・ガドットは平凡な母親役だが、得意のアクションを見せてほしかった。

高森 郁哉