「前作同様カテゴリー的には「普通」、もしくは「忘却」」ダイバージェントNEO 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
前作同様カテゴリー的には「普通」、もしくは「忘却」
人類が5つの派閥に分けられた近未来、何処にも属さない“異端者(ダイバージェント)”であるヒロインの戦いを描いた、これまたYA小説の映画化第2弾。
見る前に前作を再見しといて良かった。
『メイズ・ランナー』は辛うじて覚えていたけど、こちらは所々しか覚えていなかったので。特に最後なんてどう終わったか記憶が飛んでいた(>_<)
“異端者”として追われる身となり、数少ない仲間と共に戦いを決意するトリス。
その頃ジェニーンはある箱の謎を解き明かす鍵として、トリスを捕まえようとしていた…。
前作はシリーズ第1作目だから仕方ないとは言え、説明的なエピソードや描写が大半を占め、“SFアクション”というジャンルのくせに一応のアクション・シーンは最後くらいで、つまらなくはなかったけど、かといって特別面白かったという訳でもなかったのが素直な感想。
で、今回、やはり2作目、覚えてないとついていけないが、早速本筋に入り、多少はテンポアップ。
逃亡生活、敵か味方か出会う派閥、合間合間にちょくちょくアクションを挟み、エンタメ性もちょっと濃くなかった。
シミュレーション世界の中だけど、見せ場となるシーンも。
さらに愛を深めるトリスとフォー、ティーンであるが故の複雑な自己の存在意義、葛藤、仲間から身内からの裏切り、管理社会との戦い…何処を取っても“THE YA小説”。
でも残念な事に、カテゴリー的には前作同様、“普通”。
今一つ、弾けられる所で弾けきれず、といった印象。
『メイズ・ランナー』と違って、キャストには面白味あり。
タフで繊細で…シャイリーン・ウッドリーはヒロインを堂々と魅力的に演じる。
どうでもいい事だけど、今回ショートにした彼女が時々遠野なぎこに見えて…。
そのシャイリーンと『きっと、星のせいじゃない。』で恋人役を演じ本シリーズでは兄妹役のアンセル・エルゴート、『セッション』で鮮烈なインパクトを残したマイルズ・テラー、前作初見時さほど印象な残らなかった二人に見せ場が増えたような気がした。
新参加に、ナオミ・ワッツ、オクタヴィア・スペンサーらオスカー級の実力派。
そして前作に引き続き、いや、前作以上にケイト・ウィンスレットが非道な悪女でヒロインを威圧する。
ラストは、これはこれで終わってもいいような気もしたけど、映画は例によって3部作、しかも最終作は『ハリポタ』『トワイライト』『ハンガー・ゲーム』と同じく前後編。
まだやるんかい!
って言うか、前後編に分けるほどの大作になるんかい!
あのラストカットはちょっと気になるけど、最終章前編を見る頃にはまた忘れてそう…。
所で、今回“NEO”なんて訳分からん邦題つけられてるけど、原作小説通りにした方がいいんじゃないかなぁ…。
即ち、
前作『ダイバージェント:異端者』
今回『ダイバージェント:叛乱者』
次作『ダイバージェント:忠誠者』
…って。