「ちょっとブラック、ちょっと優しい。」靴職人と魔法のミシン 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっとブラック、ちょっと優しい。
四代続く老舗の靴修理職人の家に起きる奇跡。
ファンタジーですが、嫌味がありません。よく「透明人間になれたらどうする?」と言う質問(?)があったりしますが、この作品は、ある意味まさにその質問の具現化ですね。透明人間をテーマにした映画は数多ありますが、多くの場合SFとして描かれますが、これはその描き方をSFでは無くファンタジーにして、コミカルに描描いた作品だと思います。
この手の“他人になる”映画の場合、他人になっているが故に色々とトラブルに見舞われるのですが、この作品もその例に漏れません。って言うか、そういうことがないと、物語として成立しないとも言いますけどね。でも、そのトラブルの解決方法が・・・。あんまり具体的に書くとネタバレになってしますので控えますが、スパイ映画さながらの“掃除屋”なんですかね?まぁ、あれが無いと、あの先物語が進まないので、あれはアレで受け入れざるをえないのだと思いますが、ちょっと疑問。折角他人になれるんだから、違う解決方法はなかったのかと思います。
意外に良いと思ったのが、チンピラのレオンを演じるメソッド・マン。チンピラで居る時と、マックスがレオンになった時の表情が全く違います。顔の表情だけできちんと描き分けている所が凄いと思いました。
それにしても、アメリカでは、まだ靴修理職人と言う職業が有るんですね。日本でも、靴修理ショップはありますが、職人というよりもチェーン店。日本にも古き良き職人もまだ居るとは思いますが、少数派。そんな職人をテーマにしたのは素晴らしいと思いました。もしかしたら、アメリカでも職人は少数派なのかもしれませんが。
実際にはあり得ない設定の話ですが、何となく、ほんわかするいい感じの作品でした。