劇場公開日 2015年4月25日

  • 予告編を見る

「そ こに人々が生きていた。そして、血が流れた。」スリーピング・ボイス 沈黙の叫び マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0そ こに人々が生きていた。そして、血が流れた。

2020年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

スペインの内戦後、フランコの独裁政権下で何が起きたのかを、女性の目線で描いている。

拷問、不当逮捕、法的根拠のない死刑。
誰も信用できない社会で、信念を曲げずに抵抗する姉。
おびえながらも、姉のためにできることを必死にやり、生き抜く妹。
極限の状況に、もし自分が置かれていたなら、どんな生き方をしていたのか、と思わず考える。

混迷を極める勢力図。
各国は支援を見合わせ、ソ連(ロシア)だけが積極的に介入する。
いくつかの違いはあれ、現在のシリア内戦との類似性に驚かされる。
80年の時を経て繰り返される歴史を知るためにも、
この映画の価値は決して小さくないものだと感じた。

マツドン