劇場公開日 2016年6月11日

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「これも情報操作だったら?と深読みしちゃう」シチズンフォー スノーデンの暴露 Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5これも情報操作だったら?と深読みしちゃう

2016年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

元中央情報局 (CIA) と

国家安全保障局 (NSA) の局員だったスノーデンが、

2013年6月米国政府による市民への監視システムを

内部告発したのは記憶に新しいですね。

しかし驚きなのは、

その戦略的なリークの一部始終が、

映像に収められていたことです!

これは後追いのドキュメンタリーではなく、

その時間を、その息遣いを感じるすごい映画。

スノーデンが「シチズンフォー」という

ハンドル・ネームで

女流監督ローラ・ポイトラスに

接触するところから始まり、

英国の新聞ガーディアンの記者

グレン・グリーンウォルドと香港のホテルで、

戦略的にリーク活動をしていく。

まだ若干20代のスノーデンの意思と覚悟。

ジャーナリストの世の中への影響力を計算しながらの、

的確な仕事。

自分たちどころか、

彼女や家族や会社を危険に犯してまで達成しようとする、

その志の強さに驚愕してしまいます。

うん薄々気づいてはいましたが、

検索ワードも全て監視されています。

そして驚くことには、

通信傍受にはMicrosoft、Yahoo、Google、

Facebook、PalTalk、YouTube、Skype、AOL、Appleなど、

僕たちの生活に欠かせない企業が

協力してるらしいっす。

先ほどスノーデンと検索しまったからには、

僕も監視されているかもしれません(笑)

もはや米国人は、

検索ワードにも気を使うのは当たり前のようです。

政府は盗聴やカード支払いなど

様々なデータを収集することで、

被疑者の行動範囲が手に取るようにわかり、

テロ組織の発見につながるらしい。

オサマ・ビンラディンの逮捕や、

9.11以降数々のテロを阻止できたのも確かみたい。

最近ドイツのメルケル首相の電話盗聴で

オバマ大統領が謝罪したのもありましたが、

スノーデンの暴露が効いている模様。

無差別で残忍なテロ横行する世の中で、

彼の勇気ある暴露が是が非かは、

観客の僕たちに投げかけられているんですね。

しかし時間は過ぎたとはいえ、

本人は米国家を敵に回し亡命中なのに、

よく公開できましたね。

まさかこれすらが情報操作で、

実は裏でもっとヤバいこと...

例えばエイリアンとのコンタクトを

煙に巻くための作戦だったりして。

そんな想像もまた、楽しい。

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