シチズンフォー スノーデンの暴露

劇場公開日:2016年6月11日

シチズンフォー スノーデンの暴露

解説・あらすじ

アメリカ政府のスパイ行為を告発したエドワード・スノーデンによる一連の事件のはじまりと真相に迫ったドキュメンタリー。第87回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した。2013年、ドキュメンタリー映画作家であるローラ・ポイトラスに接触をしてきた者がいた。重大な機密情報を持っていると、香港でのインタビューの現場に現れたのが、元CIA職員のエドワード・スノーデンだった。スノーデンの口から語られたのはアメリカ政府によるスパイ行為の数々。世界各国の要人、さらに一般国民の電話やインターネット等をも傍受しているという驚くべき真実だった。

2014年製作/114分/G/アメリカ・ドイツ合作
原題または英題:Citizenfour
配給:ギャガ・プラス
劇場公開日:2016年6月11日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第87回 アカデミー賞(2015年)

受賞

長編ドキュメンタリー賞  
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映画評論

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(C)Praxis Films (C)Laura Poitras

映画レビュー

4.5 観客は世紀の事件の目撃者となる

2025年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

スノーデン事件を客観的に検証する対応のドキュメンタリーかなと思っていたら全然違った。本作の魅力は、NSAによる個人情報収集を告発したエドワード・スノーデン事件を、歴史的瞬間の当事者として追体験できる圧倒的な臨場感にある。スノーデンが世界にNSAの問題を暴露したその瞬間にカメラを持ったクルーが立ち会っていたのだ。

監督のローラ・ポイトラスは、スノーデンが最初に接触したジャーナリストであり、彼が香港のホテルで告発を行うまさにその瞬間にカメラを回していた。そのため、本作は事件を外から眺めるのではなく、内側から記録した「共犯者」の視点で描かれる。

本作は新たな事実を提示する「報道」とは異なる。その代わりに、世紀の暴露が行われる緊迫した空気を究極の当事者目線で体験できる。このスリリングな体験こそが最大の魅力であり、観る者を単なる傍観者ではなく、歴史が変わる瞬間を目撃する当事者へと変える一級品のドキュメンタリー映画である。

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杉本穂高

4.5 これが本当の怖い話

2025年7月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

知的

驚く

米国政府とその情報機関が、全ての米国民と世界中の要人のあらゆるインターネット利用を無断傍受し、また全ての電話の盗聴をしているというエドワード・スノーデンの告発を描いたドキュメンタリー映画。

「シチズンフォー」というハンドルネームでローラ・ポイトラス監督に接触を図り、香港で監督やジャーナリストのグレン・グリーンウォルドのインタビューに答えたスノーデンの語る衝撃的な事実の数々には、戦慄させられ背筋が寒くなる。本当の恐怖とはこういうものを言うのだろう。そして彼らの周囲に伸びてくる米国政府の見えざる手。現在進行形のサスペンスが現実に展開されていく様はまさに映画以上にスリリングで恐ろしい。しかもこれ、比較的リベラルに見えるオバマ政権下でのことなんだよな。スノーデンの事件はニュースでも見ていたが、ドキュメンタリー映画で見ると本当にすごいことだったんだと実感する。90年代にネット社会の恐怖を描いたサンドラ・ブロック主演の『ザ・インターネット』というサスペンス映画を観たが、現実はあの頃のフィクション映画よりもさらに恐ろしい状況になっているようだ。

それにしてもスノーデンという男は29歳の若さで本当に大したやつだ。僕ならあんな真似、絶対無理だな。

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バラージ

5.0 能動的サイバー防御法案

2025年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

難しい

2013年、NSA局員のスノーデンにより暴露された国民への大規模監視の実態は当時の世界を震撼させた。それはジョージ・オーウエルが「1984年」で描いた超監視社会を連想させるものだった。
まさに現実がSFの世界に追いついた、技術の進歩により予算的にもこのような大規模監視が安価で行えるようになり、超監視社会が現実のものとなった瞬間だった。

9.11を契機に成立した愛国者法はテロとの戦いのために政府の権限を大きく広げるためのものだった。内容的に人権侵害の恐れがあるその法律はほとんど議論もなされずいわば9.11という災厄に乗じて作られた。いわゆるショックドクトリンというやつだ。

テロ防止の大義を掲げながら実際は無関係の国民すべてを監視対象としたものであり、スノーデンによるとこのシステムが導入されてから一度もテロ防止には役立たなかったという。むしろ産業スパイなど本来の目的とはかけ離れた運用をされていた。事実、このような盗聴やSNS上のデーターを収集してもテロ対策には役立たない。テロリストはそもそも携帯やネットを使わない。ビンラディンは1998年から携帯を使用してなかったという。彼の携帯を傍受した何者かが彼をピンポイント爆撃した経験から使用をやめたのだという。

当時のスノーデンが命を懸けたこのリークにより大規模監視は裁判所の事前承認が必要と法改正がなされ、オーウエルが描いたディストピアは回避されたかに思えた。
しかし権力者が一度手に入れた果実を早々に手放すとは思えない。手を変え品を変えてその果実を利用しようとするに違いない。

そしてこのリークから10年以上が経過した今まさに今国会で能動的サイバー防御法案が本年度成立を目指して審議されている。

サイバー攻撃に対応した本法律だが、裁判所の事前審査なしで自衛隊や警察が捜査のために民間のサーバーに侵入して事前攻撃を行えるというまさに先制攻撃ともとられかねない危うい法案だ。もちろんサイバー攻撃をあらかじめ予測して攻撃するわけだから普段からの監視が必要であり、その段階で憲法で保障される通信の秘密が侵害される恐れがあるとして野党からは批判されている。
サイバー攻撃を事前に防止するという大義名分はテロを防ぐために大規模監視をしていた当時のアメリカ政府と同じものだ。そしてもちろん安全保障上この法案はアメリカからの要請によるものであることも周知の事実だ。
当時のスノーデンリークは大規模監視に使用されていたXキースコアという検索システムが日本にも供与されていることも暴露している。アメリカと日本における国民監視の実態は同じと見ていて間違いないだろう。

あれから10年以上が過ぎて再びスノーデンのことを思い出さざるを得ないことが残念に思える。しかし彼が命を賭して我々に伝えようとしたメッセージは今も生き続けているはずだ。
権力者の横暴を告発する人間が自分で最初の最後になってはいけないという意味で彼は自身のハンドルネームを「四番目の市民」とした。彼の志を継ぐ五番目、六番目の市民が後に続かなくてはならない。

当時このスノーデンリークを描いた映画作品はドキュメンタリーの本作とオリバーストーンのドラマ作品が作られたけど、こちらの方がさすが本物だけに、またドキュメンタリー監督の手腕もお見事で全編にわたり緊張感が凄まじかった。

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レント

3.0 真実はいかに

2024年1月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

度肝を抜かれた。
しかし真実はいかに。
何を信じれば良いのか。
ドキュメンタリー映画の評価は実に難しい。

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いけい

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