「物語に盛り上がりが欲しかった」Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
物語に盛り上がりが欲しかった
今年は、シャーロック・ホームズの何か記念の年なんですかね?ベネディクト・カンバーバッチの出世作のテレビシリーズ“SHERLOCK シャーロック”の特別編『SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁(Sherlock: The Abominable Bride)』が公開されますしね。シャーロック・ホームズが最初に登場した『緋色の研究』の出版は1887年なので、周年記念には中途半端ですしね。何なんでしょう?
でも、同じ時期に、同じようなテーマの作品が続くことって、良く有る気がします。ちょっと前だと『ディープ・インパクト』と『アルマゲドン』、最近では『エンド・オブ・ホワイトハウス(Olympus Has Fallen)』と『ホワイトハウス・ダウン(White House Down)』とかね。
コナン・ドイルの設定でシャーロック・ホームズは、探偵引退後、田舎に引きこもって養蜂業をしていることになっているのですが、この作品は、きちんとその設定を活かしています。1914年に60歳と言う事の様ですので、93歳ということは、この作品の舞台は1947年という事になるようです。
不思議なのが、やたらと日本が出てくる所。原作をあたっていないので、原作での設定が不明ですが、「敢えて、日本に触れる必要があるのか?」と言う感じもしました。一応、劇中では、日本での出来事にも絡んでくるんですけどね。それと、原爆投下後の広島も描いていたことにビックリ。う~ん、どう言う意図なんでしょう?ところで、この作品での日本の描き方は、一昔前の日本の描き方でしたね。ありゃ、中国だよ。そこがちょっと残念。
結構おとなしいトーンのまま物語が進んでいくんで、正直、意識を保つのが大変だったりします。タイトルから想像されるような、ホームズが大活躍するような内容では無いです。むしろ、晩年を迎えたホームズが、過去の後悔する出来事を振り返り、本人なりの心の整理をつけるという内容ですね。