「日本に機密情報が無いため共感できない?」スノーデン chesscommandsさんの映画レビュー(感想・評価)
日本に機密情報が無いため共感できない?
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーの作品に「罪と罰」がある.
優秀だと勘違いしているうぬぼれ少年は,生きるために銭ゲバ婆さんを殺して,金品を奪った.
勇者は数百人を殺す必要があるとのことだった.
逆に言えば,私のような派遣社員は殺される運命だと言うこと.
今回のスノーデンは,殺す側の立場であるにも関わらず,殺される側の立場を考慮し,自身の立ち位置に葛藤し,ついに殺される側に移動した.殺される側に,殺されることを自覚させるために,せっかくの身分を捨てる.
殺す側からは信じられないことをしていたようで,大統領まで動かしているのだからよっぽどの大きな権限を持っており,その権限を活用して,重大事項を報道したことがわかる.
それをこの映画で示している.
しかも,暴露に関与していた最初の手助けは,暴露を防ぐ立場の警備員だったのだから面白い.
所詮人間が関与している箇所から情報漏洩が起こるわけだろう.
内部にも手助けしてくれる人がいなければ,追放されていただろう.
現場に従事している人は,自分達が関わっている仕事に疑問を持ちながら会社の指示に従っているのだろう(今回は国だが).
そして,疑問を持ちながら甘んじて指示を受け入れる.
それが働く側の弱い立場なのだろう.殺す側の立場にいるくせして・・・強いのに弱い.
米国人にも人情があることがわかった映画だったりもする.
私は派遣社員として殺される側にいる.
しかし,日本にいるため機密情報を扱うことはない.すべてはオープン開発なのだろう.
東証のシステム開発をしていた頃は,秘密保持契約を結ばず,入館証の発行すらされず,入館許可すら与えられず,入館許可者の後ろを付き従って,TOC有明ビルのイーストタワー19階に供連れしていた.
守るものがないと言うことは,すべては解放(開放?)していると言うこと.
そのため,私は上位会社の指示に従って,とも連れした.現場の指示に従うのが我々派遣社員の立場だからな.
DoCoMoの開発現場は,アレア品川の1階からとも連れ入館しないことを求人情報に掲載するぐらいセキュリティ意識が低いと言うか,なんと言うか...
機密情報を持たない日本らしい.
日本では,通信情報を外国に自ら渡していると思うほど開放的で,全然守る気がないため,個人情報保護の意味を理解できないと思うのだが・・・.通信の秘密も実感できないだろう.
いいたいことは,日本人には,殺す側の立場を理解できないと言うこと.
そんな映画を見て面白いと思わない.
しかし,評価は5つにしようと思う.前作はインタビュー形式だったことを比べれば,物語形式で進むため,面白かった(結局面白い訳だ).