「バランスのいいオリバー・ストーン」スノーデン バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
バランスのいいオリバー・ストーン
人としての評判は芳しくないが、社会派としての当事者意識は素晴らしいオリバー・ストーンがスノーデン事件を映画化。元CIA職員が、映画顔負けのネット監視の実態と人権侵害を暴露した一件だけに、いかにもストーンが目をつけそうな素材といえる。
が、意外にもストーンは、あの脂ぎった顔で絶叫するのでなく、あくまでもスノーデンという人物の波瀾万丈なドラマにメッセージを託している。
結果、本作は青春ドラマであり、ポリティカルスリラーであり、ラブストーリーでもある。要するにちゃんと面白いエンタメなのである。アメリカ当局がやっていた監視体勢があまりにもSFっぽくてついフィクションのように思ってしまう危険さえ注意しておけば、知るべき事柄をエキサイティングなストーリーに乗せて教えてくれるとってもバランスのいい作品である。
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