「暗殺の動機も、想いも、少し希薄のような…」ヒトラー暗殺、13分の誤算 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
暗殺の動機も、想いも、少し希薄のような…
単独でヒトラー暗殺を実行し失敗していたという歴史的事実が強烈なだけに、このドラマが非常に嘘っぽく見えてしまったことは否めない。
特に男女間の描写や長い尋問の描写など、かなりの違和感を持ってしまった。
映像は予想以上に美しくて重厚に感じた。だから架空というものを意識させたというわけではない。ナチスの集会とか古きドイツの牧歌的な風景とか、非常に臨場感を持たせる映像が多かったし、単に歴史的事象を再現するに留まらない─映像的なインパクトでもってより一層この衝撃的な事実を伝えようとしている志みないなものは感じた。しかしながら、自分にはその情熱が心に響かなかったといったところ。
というわけで、気合が入った映像がことごとく飾られたものというふうに思えてしまって、エルザーが実行した動機や想いといったものが、非常に希薄に見えてしまった。結局、衝動的に暗殺を企てたとしか思えなかったのだけれど、果たしてそれは作品の意図するところなのかどうか大いに疑問。
残忍なシーンも多かったし、見ていてかなりつらくて、スッキリしない物語だったなーという印象。
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