チャイルド44 森に消えた子供たちのレビュー・感想・評価
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リアリティなさすぎ
誰も知らないと思って、リアリティのない話をもっともらしくでっちあげてる感じ。
原作は、トム・ロブ・スミスの小説。
だがさらにその小説のもとになったのが、ロバート・カレンの「子供たちは森に消えた」というノンフィクション。
この本が、ハヤカワ文庫NFに入ってるんだが、どこも在庫がないみたいで、注文しないと手に入らない模様。
じゃあ原書(The Killer Department)はどうかなと思ったら、さらに入手困難みたい。
で。
もとになったノンフィクションと比べると、原作も結構「脚色」されてる。
まず年代は1980年代後半が1950年代に、
言い換えると、ゴルバチョフ登場前後がスターリン末期に
変えられてるし。
まだ若かった著者がどのくらい時代背景を研究したかはわからないが、
読んでいるとどうもかなりのステレオタイプ的認識があるようにみえる。
ところがさらに映画では、
その原作にさらなる改変を施し、
たとえば主人公レオの部下の幼い息子の死について、
原作は何も知らずに報告書だけ持ってその部下を訪ね、「息子は殺された」という反駁にあって初めて自分が持参した書類との矛盾に気づくのだけれど、
映画ではそもそも部下の自宅を訪問する前に遺体を見て、「殺人ではない、事故だ。そう納得させよ」という上司の命を受けてしまっている。
この改変により、「犯罪なき理想国家を掲げるスターリン政権では、殺人事件は国家の理念に反する」という惹句の意味は、少なくとも主人公レオの視点からは、全く異なってしまう。
いやそもそも、実際の事件が起こった80年代において問題だったのは、
犯罪捜査における自白偏重と
「下手な本音を言ったり余計な波風を立てたりすると損をする」という事なかれ主義であったらしいのである。
(ロバート・カレンの本が手に入ったらハッキリするんだが)
それを、原作者が妙な改変の仕方をし、映画がさらにヘンチクリンな改変を加えた結果、
え? いくら粛清のスターリン時代でも、なんかリアリティなさすぎじゃない?
他にも原作からの改変によってリアリティのなくなっているところ多数。
残念。
見ごたえあり
ソ連という特殊環境下での犯人探しのミステリーかと思いきや、そんな単純なものじゃなかった。思っていた内容と異なり、ソ連の深部をじっくりと肉付けして、重いながらにテンポ良く描いた、見ごたえのあるドラマになっていました。このストーリーテリングは見事ですね。俳優陣の演技の凄さにもとにかく引き付けられました。
詰めが
原作が長編のようなので仕方がないのかもしれませんが、いろんなところになんか足りない感が残ってしまって、、、
暗さがある分、もう少し拘らないと厳しい気がします。
役者のそれぞれの演技はいい味出てるんですが。
残念ながら人には勧められない
原作を知らないので見てみた。
ミステリーがメインではない。
スターリン政権下での苦悩が主ではないかなと。
ミステリー好きだからと言って見たら眠くなるかもしれない。
長い原作を映画化した苦労を感じます
第二次大戦集結間もない1950年代のスターリン体制下のソ連で、少年の事故死を疑い、その死の真相に迫ろうとした捜査官の姿を描く。
労働者の理想郷だから殺人はないってねぇ。そんな事がまかり通る世界だったということが怖いですね。劇中“MGB”と称されるのは、当時の国家保安省。その後国家保安委員会=KGBとして再編される組織です。そんな組織だから、みんな怖がるわけですね。
原作本は、ソ連を継承したロシアでは発禁処分となったらしです。劇なので多少の誇張はあるにせよ、国の恥部を暴いたから?人権を無視した反体制派に対する弾圧などが描かれていますが、発禁処分か。そんな事が可能な国なんだな、ロシアは。
チャイルド44と、子供連続殺人を描いた物語ですが、思ったよりも、殺害される子供のことに焦点はあたっていません。映画という特性上、時間に限りがあるので事細かに数々の事件を描くことは出来なかったのだと思いますが、ちょっと物足りない感じがしました。だってねぇ、連続殺人を負っているわけだから、事件の連続性を感じないとね。
連続殺人の描写が少なかった分、レオの捜査の描写に時間が割かれています。そう言う観点では、そこの部分は満足。それと、MGBにレオが追われているという雰囲気は有ったんですが、詰めがちょっと甘いかな。もう少し、スパイ映画的な切迫感があれば・・・。
長い作品を、苦労して一つの映画に作り上げたという事を感じる作品です。
暗い
全編にわたり流れるバイオリンの曲、笑ってる人、晴れた日なんて無いんじゃない?ってくらいの時代。日本も独裁的な絶対服従の時代があった。マッドマックスより人間的と思ったらトム、やはり眼力すご!そしてロシアの人?と思わせる訛りのある英語。殺人鬼より怖い、組織の怖さ。
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