「無能な弱虫ほど権力を手にするとクズになる」チャイルド44 森に消えた子供たち nok0712さんの映画レビュー(感想・評価)
無能な弱虫ほど権力を手にするとクズになる
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2時間強の大作で非常に見応えのある映画。
スターリン政権下のソ連を舞台に、子供を狙った連続殺人を追いかけるのだが、連続殺人鬼を追いかける単純なサスペンスではなく、当時の抑圧された環境を絡めた緊張感のある映画になっている。
MGBに捕まると無実なのかどうかは関係なく苦しい拷問を与えられ、その後処刑される事もあるという場面を幾度となく差し込み、MGBに疑われる事の絶望感を与えており、その上、「楽園に殺人は存在しない」というスターリンが掲げていた理念が、真実の追求や殺人の存在証明をすることの困難さを容易に想像させており、これにより映画全体が大きな緊張感が包まれることになる。
正に設定の勝利といったところ。
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出来ることなら英雄レオと狂人ヴラドの対比がもっとあった方が良かったか。
二人が対峙する場面で過去の同じ境遇を明かされるが、なんか唐突感があるし、それなら触れなくても良かった気もする。但し、そうすると序盤の孤児院の場面も無くなり映画全体の厚みが減るので、そうなるとやっぱりもっと対比が欲しかった。
まぁ、兎に角悪者がクズで良かった。
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