「心を打たれた」64 ロクヨン 前編 denebさんの映画レビュー(感想・評価)
心を打たれた
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三上は上意下達の組織に長年生きた人らしく、上司の命には基本的にそむかない。報道期間は県民の知る権利の代弁者だから、基本姿勢としてこれも尊重する。県警の広報官とは、横暴な上司と「なんでも反対」の報道機関に挟まれ、警務と刑事の対立に巻き込まれる、この上なくストレスフルな立場だった。しかも、家族に身を切られるような問題を抱え・・・
あの状況で、人はあそこまでできるのか。赤間部長のムチャぶりが発端とはいえ、職務を越えて事件の当事者に接触し、埋もれた過去を動かしはじめる三上。
佐藤浩市さんが、熱くて強靭で、時に弱さも見せるけれど、自分の苦労が報われるかどうかなど一顧だにしない主人公を、実在するかのように見せてくれた。「あなたは本当に、他人のことを自分のように考えていた。」この映画を見られてよかった。
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